いいのかね？

日･祝日の厨房は忙しい。お日柄がよろしい日はさらに、忙しい。忙しくても、ジャン・ポールはヒルメシ時には、ワインを飲んだりする。いいのかね？ま、飲むといっても、グラスに入れて、おすわりして飲むヒマはない。ビンをひゅっとさらって、クイクイッとラッパ飲みして”にこっ”と笑う。そして去り際に、ヒトのコック帽をつまんだりと、なぜかすばやい。∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞＜アジアンの猫＞２４それは、女子高時代の親友の父親だった。どう見ても、そうだ。彼らはいつも恋人同士のように親しげだった。「家出したときはさ、お母さんにないしょで、服とか差し入れしてもらってたんだよ」などと、彼女は嬉しそうに私に告げたりした。そんな話をすると、きりがなかった。「お父さんはいつだって私の味方だった」などと父親とおなじ横顔で、遠くをみつめた。愛する死んだ父親が、今ここにいるといったら彼女は信じると、私は思う。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　つづく、、、、、、