|
カテゴリ:ビジネス書
現役のトップレベル・コンサルタントが、30台のビジネスマンに送るアドバイスの塊です。昔の自分自身の苦労を後輩にさせたくない思いが伝わってきます。実際、本職のセミナーでは考えられないほどの破格の値段で、この種のセミナーを開催していることでも、その本気度はわかります。
一読して、従来の自己啓発書と異なり、著者の山本真司氏が苦労して出した結論の数々が甘い言葉ではなく、現実的な解が並んでいるのに、非常に好感が持てます。 特に、頷いたのが、第六章の「時間なんて作れない」、「お金なんて作れない」、「人脈なんて作れない」の各節です。結局のところ、自分自身に実力がないと、時間的長いレンジで考えると、浅いレベルのメッキ的なものはすぐに剥がれ落ちてしまうということを指摘しています。 では、どうしたら、効果的に、実力を蓄えることができるのでしょうか。それは、経験曲線の原理を使うことです。これは、ある特定の領域に集中的に経験をつめばその累積時間に応じて、コストが低下するという原理を適応するのです。 そのためには、以下のようにします。 1.最初に選ぶ仕事は、「選択と集中」 2.むやみに転職しない 3.必ず飽きないために新しいチャレンジを 4.累積経験をNo.1に 自分の仕事として選択する領域は、「人気がないもの」×「好きなこと」を選択すべきです。なぜなら、「人気のあるもの」を選択すると、競争が激しく、しかも、新規に参入すると、すでに、経験を積んだ人にいつまでたっても、追いつけません。そして、「好きなこと」でないと長続きしないのです。 この本の副題にもある『「大衆化するビジネス・スキル」では差別化できない!』も、「ハッ」とさせられます。この「大衆化するビジネス・スキル」は、MBAのスキルのことです。 ただ、差別化できないのは確かですが、さっさと習得すべきものでは、あります。その習得の仕方が面白いですね。どうやるのかというと、各分野で一冊、定評のあるテキストを読み、全体像を掴みます。ここで、強調していることは、「読む」ということです。理解するとか、身に付けるわけではありません。全体像の把握と、どこに、何があるのかを掴み取ることだけを行うのです。 そして、実際の仕事で、アウトプットをどんどん行うことにより、身に付けていきます。アウトプットする場合には、いくつかのコツがありまずか、「イメージを働かせて、尻から考える」ことを強調しているように感じました。 尻(最終目的)から考えるために、孤独な時間を作り作戦を練る、最終目的に最適な解を見つけるために過去の自分のこだわりを捨てる、そして、つい、細部にこだわり手段を目的化しないために「こと言でいうと」を考えます。 ビジネスの勉強することに疑問を持ち、本当の実力を身につけたい人に、最適な本です。勉強好きで、つい、「手段」を「目的」にしてしまう私に取っても、本当のビジネス力をつけるのに多くのヒントを得ることができました。 ■■ 今日のエッセンス ■■ ■■ 「人気のないこと」×「好きなこと」に自分の時間を集中する。 ■■ イメージを働かせて、尻(最終目標)から考える。 30歳からの成長戦略~「ほんとうの仕事術」を学ぼう 著者:山本真司、出版社:PHPエディターズ・グループ/PHP研究所 ISBN:4569640346 後悔度:★★★★★ ★★★★★:読まないと絶対後悔する、★★★★:読まないと、とても後悔する、★★★:読まないと、やっぱり後悔する、★★:読まないと、後悔する気がする、★:読まないと、後悔するかな? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[ビジネス書] カテゴリの最新記事
|
|