漢字は日本人の教養の尺度

1993年3月5日


すばらしい特徴、方針は変えず (読売が付けたタイトル)


石崎さんは私の教え子であり、彼女の悩みが痛いほど分かった。私は、生徒たちが作ったクラス目標「あいさつをきちんとする」とは別に、自分の教育目標として「返事、漢字、掃除の徹底」を叫んでいる。


漢字は、日本人の教養の尺度とみなしうる。いくら英語ができても日本にいる限りは、日本語がしっかり出来ないと駄目だ。漢字によって日本語の習熟度が知れるだけでなく、広くその教養の度合いをも示す。


日本語の文章は、漢字、ひらがな、カタカナを主流に、時にはアルファベットも入れてできている。いろいろなものを受け入れ得る、すばらしい特徴を持っており、漢字を書くべき箇所にひらがながあると、不自然な気分になる。漢字のおかげで、ひとまとめの単語・文章として把握できる。速読には、漢字は欠かせない。


毎年、生徒たちのクラス目標は変わっても、私の漢字重視の方針はここ当分変わりそうにない。


                      【読売新聞 3月11日掲載】


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