～通過点～ 　　

頭痛や腹痛に始まり、兄が学校に行かれなくなったきっかけは
友人からの嫌がらせ（苛め）だったけど
いろんなことに頑張りすぎてた兄にはそれを乗り越える気力は無かった。

なんで？
どうして？

「弱い」兄に戸惑い、声を荒げた私たち。
辛いのはわかる。
でも、そんなことでくじけてて、この先どうするの？
わかってあげなきゃと思う気持ちと、理解できない本心との間で揺れた。
いろんなことに後ろ向きなって進めなくなった兄をじれったく思い、
「待つ」ことの難しさに苦しんだ。

今やっと少しづつだけど、不登校になってしまう子供たちの心の中や
ありのままの兄を受け入れることができるようになってきたと思う。
みんな同じじゃなくていい。
いろんなことがあって、それでいい。
そして兄の体調不良は回復に向かっている。

家では比較的元気になった。
あの異常に長かったトイレタイムも激減した。
そして家事を頼めばやってくれるし、買い物へも行ってくれる。
ちょっとだけだけど勉強も前向きに考えてくれている。（ような？）

だけど学校に行く気にはならない。

世間で騒がれている苛めによる子供の自殺。。。
「生きてるだけでいい」という想いは本当だけど、
喉元すぎるとアレは？コレは？と多くを望んでいる自分。


昨夕、担任がお便り等を届けてくれて、その中にあったプリント数枚は
高校受験や進路についての内容だった。
数校の高校教師が学校に来てくれて「出張授業体験」があるらしい。
兄はどう思ってるんだろう・・・これからのこと。
脳天気（そうに）にＴＶを見て笑っている兄の横顔を見ながら複雑な心境です。


思い切って兄に聞いてみた。

私：「ね～え・・・この授業だけでも行ってきたら？　なんか面白そうだよ」

兄：「え～　う～ん、でもやっぱり気の合う人が居ないってわかっているあの学校に
　　　行く気になんてなれないよ。
　　　だから適応教室に行ってみようかな、って思うんじゃん」

私：「そっかー・・・でも適応教室ではそういうことはやってくれないし
　　　こういうチャンスを逃すのってもったいないような気がしちゃうんだよねー
　　　そりゃあ嫌な奴となんて！って言うのはわかるけど
　　　じゃあ反対に、そんなヤツの為になんで兄が損しなきゃならないんだ？って
　　　思ったら 母はなんだか悔しい気持ちになっちゃうんだけど～？」

兄：「そうだけど～～～　やっぱり行きたくなーい」



聞く前から兄が「行かない」と答えるのはだいたい予想がついていたのに
それでも聞かずにいられなかった。
それは私が本当の意味で兄のことをわかってあげてないから？

そしてそれができないでいる原因に眼を向けたとき、
どうしようもない憤りがあるのも事実。

なんで兄が。
あの子はノウノウと授業を受けているのに。


ふ～・・・　醜いね、アタシ。


受け入れること、許すこと、認めること、甘えさせること、話し合うこと。

ハードルはちょっぴり低くなったかもしれないけど
まだまだ長いよ、その距離が。

あ～～～