ナスカの地上絵のVR映像による飛行体験
ナスカの地上絵は、どんなものか、その解説を引用します。 「ペルー南海岸の砂漠地帯に800 平方キロメートルもの広さにわたって描かれている巨大な地上絵は、1930 年代にアンデスを越えて飛んだパイロットたちが発見して以来、だれにも解けない人類史上最大の謎とされていました。 パルパと呼ばれる砂漠には、ハチドリ、キツネ、コンドル、フクロウの目をした身長30 メートルの人物や、渦巻き、三角形、台形と、総延長1500 キロメートルに及ぶ無数の直線が、縦横に走り交差しています。 この巨大な絵とラインを作った目的はいまだに完全には解明されていません。 手がかりとなる人間活動の痕跡がほとんど残っていないため、巨大な謎は多くの人々の挑戦を退けてきました。」 ペルー南部海岸の砂漠地帯は極端に乾燥した気候で、ほとんど雨が降らないために、今まで残されてきたのです。 しかし、そのナスカの地にも、地球温暖化の影響で、雨が降るようになってきているそうです。ここにも「温暖化」が影を落としているのですね。 今回、そのナスカの地上絵を巨大スクリーンで体験してきました。 「ナスカでも体験できないナスカ遊覧飛行」というのが、イベントコピーでした。 10 メートル×3 メートル(今回はこれより大きいのかもしれません)の巨大スクリーンに、フマナ平原の地上絵をバーチャルリアリティー(VR映像)で再現するのですが、まるで、セスナ機に乗って、上空から眺めているような感じになります。 10分ぐらいですか、陶酔しました。 まず、バンアメリカンハイウェイを進む描写から映像が始まり、ゆったりと、砂漠地帯へ入っていきます。 そして、ミラドールの高さ13メートルの見晴台の位置から、眼下に「木」と「手」の地上絵を見るところから始まり、高度200メートルの視点から、地上を見ていきます。 地上絵で人気の高い「サル」と「キツネ」そして全長135メートルもある「コンドル」。 「クモ」の長い1本の足は生殖器だそうです。62ヶ所もあるうちの一つ「ラインセンター」を真っ直ぐ行くと、全長90メートルの「ハチドリ」。 そこで着地し、描かれた線をよく見ると、黒っぽい石を取り除き、白っぽい面を露出させたものだということが分かります。でも上から見ないと、何のための白く細い道があるのか分かりません。 やがてセスナは右折し、宇宙人のような「ふくろう男」が目に入ってきます。 しかし、よく見ると、そうした地上絵の線だけでなく、砂漠地帯にそれとは違う線もたくさん走っています。 それは、等間隔の平行線で、車のわだちでした。「温暖化」の前に深刻な「破壊」なのです。サルの地上絵の尾の部分も車のわだちで消されているようです。 「世界遺産であるナスカの地上絵は、自然の風化や、過去に人々が残した車両跡などにより、もとの姿が消えつつあります。」と書いてありましたが、なんとか後世に伝えてほしいと思います。