サーチライト
駅のホームで毎朝見かけるあのひと絶対ワタシのコト 視野に入っている綺麗な襟足 それに反する腕の静脈のラインいつかその綺麗な首にワタシが両腕をあずけてそのゴツイ腕がワタシの腰にからんでいくのでもその横顔の頬のシミ夜空に踊るサーチライトになりたいチラッとだけ映し出したいありのままなんていらないの朝になったら眠るから会社のビルのエレベーターで3階で降りるあのひと絶対ワタシのコト 毎朝待っている綺麗な指先 それに反する無粋な薬指の指輪やっぱりその綺麗な指がワタシの髪をかき上げてその無粋な指輪はバスルームでお預けくってるでもその横顔の目尻のホクロ夜空に踊るサーチライトになりたい見えた気がしただけでいいの真正面から見なくていいの左右非対称は美しくないから隣で眠っている7年付き合ったあのひと絶対ワタシのコト この先はって安心してる綺麗な生え際 それに反する無防備な無精髭最後にその綺麗な生え際にワタシがキスをしてその無精な髭でワタシを征服するでもその寝顔のゆるんだ口元夜空に踊るサーチライトになりたいあの人の目が一瞬眩めばいい残像だけ強烈に残して思い出になんて ならなくていいの