毎度の事とはいえ
ここのところ起きてる間はほとんど
酒場に腰掛けてるといった日々。

来年で俺も33歳。
アル中で野垂れ死んだ父親の歳を越える。
感慨深く妙な感覚だったりする。

まだ血の気の多かった１６歳の頃、本気で己は
天才だと思い立川談志の弟子にでもなろと考えていた。

俺は周りの奴等とは違う種類の才能・人間なんだと思ってた。

大槻ケンジの小説・グミチョコレートパインに出てくる
ようなサブカル系の生意気なガキだった。

映画、小説、音楽、お笑い…

表現活動に飢えていた時期が確実にあった。
それが全てだった。

それからナゼだろうか？

３０歳を過ぎたあたりから突然と全ての表現事が滑稽に
思えてきた。

なぜ甲本ヒロトは年に一度、サラリーマンのように
アルバムを出すのだろう…

芸人は売れた途端にライブ等で芸事をやらなくなり
司会業という電波芸者に落ち着いてしまうんだろう…。

それって昔、小馬鹿にしてたチャゲアスみたいで嫌だなぁ
なんて思ってたんだけど、よくよく考えると
甲本ヒロトも松本人志も表現煩悩から開放された
だけなんだって事に気付いたんだよなぁー。

ようは表現したいという初期衝動って
心の病的な事からの出発ではなかろうかって。

鬱屈した時期を過ごした少年少女達は
認められたいという欲求が満たされた瞬間に完結し
その後は
それを職業として消化していくのではないかと…。

大抵のミュージシャンはファーストやセカンドアルバムに
名曲、代表曲が多かったりする。

枚数重ねてくると明らかにアルバムのために
無理やり搾り出したような曲が多々ある。

あの瞬間がとてもツマラナク思えた。

忌野清志郎のここ何年間のアルバムとか
好きなだけに切なくなるもんなぁ。
食っていかなければならないという巨大な十字架を誰しも
背負わされてるから引退しろ！などという本音も
なかなか言えたもんじゃないしね。
ビバ生活！！ってとこだ。

菊次郎の夏を松本人志が

こーいう映画が撮りたいんだ、と思って撮った映画ではなく
次は何を撮ろうかなってとこからスタートした映画なのでは？
と評していたが、きっと当たっていると思う。

これはどちらが芸術性に優れているという
低次元の話ではない。
そんなものはただの好き嫌いの問題でしかないもん。

この日記は表現活動に挫折し次に進めない者達への
エールのようなものなのかなぁー？
自分で書いててもよぉ～わからんけど
俺の周辺にそんな輩が少なくないし
実体験的にもこれって結構キツかったりしたから。
いつまでも縛りついて邪魔くさい。

売れなくなったミュージシャンがごく普通の
職業についたら落ちぶれたように言われるけど
それは表現というものを買いかぶりすぎなんだよなぁ。
本当は一番不必要だったりするんだもん。

俺は元々からファン体質じゃないから他人が作った
曲を会場で熱狂的に聞いたり応援している人達が不思議
に見えちゃうし。
小説書く才能も大食いの才能も似たようなもんと思ってる。

余計なお世話だが言ってみる。

表現なんてもんは不幸な存在の証明でしかない。
リストカット症候群みたいなものだし、鬱屈した精神の
本能的な開放手段なんだと思う。

あっ、この話は職業にしている表現者の話じゃないからね。

仕事なんか何の職業でもいいから

淡々と生きてる奴が一番いいね。

表現なんて照れくさく、ずうずうしく、カッコ悪いや。

カッコ悪いは何てカッコいいんだろうなんて信じないよ。
あんなもんただの言葉遊びだよ。

表現に呪縛されてる人達

もう必要のなくなった人達

おいしく飯が食えて大好きな異性とセックスして
気持ち良く寝れて気持ち良く起きる。

それができてれば何よりも幸せですよ。

無理して表現なんてする事ないよ。

本当にカッコ悪い事だよ。

その事が

こんな日記を書いてる俺をみればよくわかるもん。