最近、ここに遊びに来てくれる
武漢、 柔道番長(中ニになっても毛が生えないと悩む男)
の二人はムエタイ、柔道家を目指している。

元々、兄貴体質なとこが僕にはあり
この年代の子達とコミュニケーション
がとれる事が結構うれしい。

ここで僕の格闘技にまつわる馬鹿エピソードを一つ
若き格闘野郎どもに捧げる！
いらないだろうけど…。

僕はヤンキーが好きではない。

なのにヤンキーから特別好かれる。

それは奴らに対して一歩も臆さないからであろう。
そのせいか中学の頃はホントこいつらとよく喧嘩した。

高校を１６歳で中退した僕はパチンコばかりして
遊び歩いていた。
そうなると自然とコイツらと遊ぶ機会がふえる。

僕は死に敏感だったからシンナー、薬に
手を出す奴はとことん叱った。

そんな中から本格的な友情も芽生え３、４年後の話だ。

下町の夏の盆踊りは結構にぎやかで
にぎやかな所には地元のヤンチャ連中が必ず顔をだす。
その例にならって我々もあんず飴をくわえていた。

すると来るは来るは先輩やら後輩やらで
アッという間に数十人である。

にぎやかな盆踊りも終了したとき、ふと目をやると
そこにリングがあるではないか！

暇さえあれば格闘技を観に行っていた俺の目には
太鼓等が片付けられた後の
やぐらがリングに見えたのだ。

そうなると小学三年生からおもちゃの
ボクシンググローブをはめて同級生と
殴り合ってきた血が沸沸と燃えだす。

よくよく回りの連中を見てみると格闘技の道場に
通ってた奴もたくさんいる。
極真空手、柔道、アマレス、サンボ、骨法。
さらに喧嘩好きの不良ども。
スゲェ～じゃん！

ここで頭の中は梶原一騎のあしたのジョーが浮びあがる。
僕の好きなキャラでゴロマキ権藤というのがいる。
これはヤクザ者なのだが、ジョーのライバル
ウルフ金串と喧嘩になり顎の骨を砕いてしまうのだ。

格闘家は喧嘩でも本当に強いのか？

これは面白いじゃねぇかー！

こっからはもう僕はマッチメーカー気分。
各年代の不良ＶＳ格闘家軍団の対戦カードを組んだ。

リングはもちろん、さっきまでオッサンが
太鼓を叩いてたやぐらである。

やぐらの回りを何十人もの馬鹿どもが囲む。
その回りを野次馬が囲む。
それをあきれ顔で見つめる馬鹿どもの彼女達。

男の馬鹿祭りに全ての条件が揃った！

やぐらの上には二十歳にもなったいい大人が
真顔で蹴ったり投げたり極めあっている。

最高に馬鹿な絵づらである！

ビバ下町！

いいぞ下町！！

ホントかぁ？

結果…
白熱の試合が続いていたが警察官がきて終了。

喧嘩でもしてると思った人が通報したらしい。
そりゃそうだよ(笑)

これで懲りない僕はこの年にあった盆踊り全てに
集合をかけ、すっかり石井館長気分になっていた。

そして馬鹿の極めつけは
後楽園ホールで興行をやろうと思ったのだ。

ＳＳＳという素人格闘技集団があると聞き
挑戦状を書いて団体対抗戦をしようと考えた。
ちなみに我々の団体名はＫＫＫだった。
アホか！

しかし会場費を調べると１００万もしたので
アッけなく断念。

結局、地元のしょぼい公民館でこの天下一馬鹿
武道会は行われた。

やったんかい！

この大会で４つも先輩の僕に
何の遠慮もなく倒してくれた奴が
現在プロ修斗ライト級一位の
池田久雄である。

そしてシュートボクシングからデビューした奴もいる。

なかなかＫＫＫもやるのである。

だが…

あの時の後輩に会うと必ず言われるセリフがある

『あの時ほんと嫌だったすよー』

すまん。

嫌だったのか。

いやホントは少しわかってた。

ほんと～に…すまなかったぁ～！！

昔のことを書いてると

なんか反省する事が多い…。

しかし夏は毎年やってくる

武漢、 柔道番長よいつか闘おう！

もちろん

やぐらの上で。