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いくつになってもテレビっ子

いくつになってもテレビっ子

「歌い手」三部作

書籍名:ラプソディ プロフェシィ デステニィ
著者名:エリザベス・ヘイドン
出版社:早川書房

感想:
 三部作、しかもそれぞれ上下二巻で、一冊は500ページ超。もう、楽しめますよ、かなり長い間。
 話はけっこう単純で、男女が出会ったものの戦争と悪霊によって引き裂かれ、悪霊を倒すことを目的にしつついつ再会できるかというもの。恋愛話に勧善懲悪がくっついたようなもの。なんだけど、これが、こんなに長くなるだけのことはある。
私はあんまり恋愛ものは好かないが、この主人公特殊能力はあるし「歌い手」だし長寿だし美人だし、というマイナスファクターにもかかわらず(笑)いい人なんだな。相手役のほうが役不足だ。読んでいるとどうしても「貨幣の表と裏」である、フィルボルグでドラキア人の血をひくアクメドやグルンソルのほうがかわいいもん。
主人公エミリーは、故郷の村祭りで恋人選びの籤の賞品になるのがいやでかくれていたんだけど、そこに見知らぬ男の子サムが現れて、意気投合、契りを結んじゃう。ところがそのあと、再会するまで140年。サムは未来から人為的に運ばれた王家のものだった、というところがプロローグ。
そこから話が始まったときには、ラプソディという売春婦からスタート。しばらく読まないとラプソディがエミリーであることに気づかないし。
暗殺を生業とする醜い大男、軍事に才能のある「怪物」扱いされる大男、という奇妙な三人組が世界を救う「三者」である、というのが一巻のみそ。

最後の方まで来ると時間ネタもあってSFです。
音楽を中心にした言霊使い、という魔法の形態も好みなので長くても楽しい。一応ハイ・ファンタジィに分類されるようだが、私にとってはユーモアファンタジィかも。気楽に読めるし、最後の戦いなんか圧巻です。映像化したらいいだろうになあ。最後のアンウィンとの対決シーンは絶対見物だよ。
この続編も昨年出たそうで、たのしみだなー。


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