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カテゴリ:トロントブログリレー
<Film Buff"映画狂" from Toronto>
第一回目にちょこっと紹介した、『Before Sunset』のDVDがカナダでリリースされました。個人的に2004年ベストフィルムです。日本では公開もされていない映画なので、知らない人もいると思いますが、カナダでは、シリーズ一作目の『Before Sunrise』とセットでDVDが販売され、広告とか見てもそこそこの扱いは受けてます。公開時はそうでもなかったみたいですが。Queen Video(トロントのビデオレンタルショップ)でもポスターが張ってました。School of Rockのリチャード・リンクレイターと言えば注目の監督です。それが公開されない日本映画界は寒いという台詞は聞き飽きたと思うのでさっさと作品レビューにうつります。 話は前作『Before Sunrise(邦題:恋人までの距離))の続きで、この前は男女の「日が昇るまで」の物語だったんですが、今度はその二人がパリで偶然再会して、フライトのある「日が沈むまで」の物語です。だからBefore Sunriseというタイトルで、だから一作目の邦題は寒いという話しを初回のブログに書きましたね。 ストーリーもほとんど盛り上がることなく、絡みと言えば、ベッドシーンは愚か、挨拶のキスと肩を寄せ合ったり、ハグぐらいで、ある意味下手なラブストーリー以上に眠たいシナリオです。え、もう終わりとエンディングをむかえるのですが、この終わり方も悪くない。見れば見るほど、時間が経てば経つほど好きになっていきます。音楽で言えば、シンプルでサビのない、それでいて聞いているうちに忘れられなくなるマイナーコードのメロディーの曲です。なので、肩の力を抜いてみて頂きたい。 本編80分ほどがリアルタイムで物語が進み、時間も途切れることなく進んでいきます。まさか80分連続してカメラをまわして撮った訳ではないはずなのに、そうしているように見せる技術もさすがです。主人公2人のドキュメンタリーのような作品で、監督のセンスが光る凄く斬新な映画です。BGMもほとんどありません。というかサントラも出てましたが何がはいってるんだろうというぐらい(前作のがはいってるみたいですが)街の音が自然と聞こえてくるだけで、音楽と言えば、最後のジェリー・デルピーが引き語るとことエンドクレジットぐらいです。しかし、音楽賞あげたいぐらい素晴らしいです。パリを舞台にしているのに、エッフェル塔をこれ見よがしに撮ることもなく、自然な街の風景が映し出されています。役者も主人公2人以外は、何人か登場しますがほとんどエキストラです。ひたすら2人が喋りまくる映画なので、言ってる意味が分からないと面白くないかもしれませんが(英語が分ってラッキーと思う瞬間ですね。)2人の演技も最高で、前回同様印象に残るシーンもいつくかあります。昔からこの監督はそうですが、今回も低予算で作られていて、膨大な予算をかけなくても、やり方次第でいいものはできると証明してくれています。まるでU23のようです。スピルバーグの低予算作品『激突』以来の衝撃作です。ちなみに僕はミニシアター系より爆破シーンやCG満載のハリウッドばりばりの映画大好き派ですが、こんな映画ももっと評価されるようになったらええなと思います。いらないと言われそうですが、2004年度U23映画監督賞、主演男優・女優賞、作品賞、脚本賞、撮影賞、音楽賞、衣装賞等いろいろあげます。多分アカデミー賞には名前も出ないと思いますが。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
May 3, 2005 01:51:01 AM
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