顔の筋肉、どうにかなりそう
毎日毎日、くだらない客の話に付き合わされて、愛想笑いまでしなくちゃならないなんて。それが仕事とはいえ、こっちまで気が滅入っちゃう。おかしくもないのに笑うなんて、顔の筋肉、変な感じに使ってるみたい。一緒に働いてる女の子たち、ほとんど話したこともないけど、いつも作り笑いばっかり、本当に笑うことなんてあるのかな。といっても、私だって心から笑うことなんて、最近ずっとない。最近というか、今まで一度だってそんなことあったのかしら。学生の頃から、普通に話をする友達はいても、私、あの子たちと話してるとき、本当に楽しかった?本当の自分でいられた?そう考えると、私、この年齢になってもあまり成長してないのかな。でも、それも仕方がないか。きっと、あの子たちだって、私に本当の姿なんか見せてくれてなかった。向こうがそんなだから、私もそうだったってこと。学校卒業するとすぐに連絡なくなって、今となってはどこで何してるかも知らない。私がこの町で、こんなバイトして、こんな暮らししてるって知ってる人は、ほとんど(いや、1人も?)いない。知られても困るけど。今日も、もうシャワー浴びて寝ちゃおう。明日は何しよう、バイトの時間まで何もすることないな。明日、何食べよう。冷蔵庫に何かあったっけ。買い物に行かなくちゃいけないかな。財布にいくら入ってた?あーもうめんどくさい。帰りに何か買って来ればよかった。