2012/08/17(金)15:48
『家族収容所』(信田さよ子著)
青森の八戸植物公園にいたリクガメです。
飼育員さんが「どうぞやさしく触ってみてくださーい」と。
甲羅はがっつり硬くて、でも手(足?)の付け根のうろこみたいな部分は、
押すとムニムニしてやわらかかったですよ。なんという見た目とのギャップ!
こんな風に、子どもとカメに触ったり、丘に登ったり、川に入ったり、
カブトムシを捕まえるのは、夫ではなく私です。
こういうの、なんでもやりたがりの私は大好きなのでー。インドアな夫は苦手
逆に、夏休みの宿題の丸つけとか、人生ゲームやパズルは夫の役割です。
じっくり座ってると、私は「キーッ!!」て走り出したくなるので
夫婦ってうまくできてます。適材適所って、まさにこういうこと。
* * *
7月の上京研修でもお世話になった吉田紫磨子インストラクターのご紹介で、
こちらの本を読みました。
【送料無料】家族収容所 [ 信田さよ子 ]
価格:1,680円(税込、送料別)
すごいタイトルですが!内容はそれ以上。
家族って絶対的な血縁のつながりや愛情が強調されるけれど、
その裏にはドロドロしたものがいっぱいある。
でも外に対して閉じられた関係だからこそ、
多少おかしくても当事者はそのことに気づけないという。。
だからDVや虐待は、よほどの事態にならない限り
なかなか明るみに出ないんですね。
子育てのことを中心に、印象に残った文章を引用します。
***** ***** ***** ***** *****
■私の実感は育児なんかハッピーなはずがないじゃない、というものだ。
それは子どもがかわいくないということではない。
核家族でマンションで育児すること、迷いと孤独とに満ち、不自由に満ち、
積んでは崩すといった日々の営みがハッピーなはずがないだろうが、と思う。
それをなぜあえてハッピーなどと言わなきゃならんのか!
■ハッピー育児イデオロギーが育児に疲れた母を抑圧する、
それこそが恐ろしいと思う。
そこに「自分を愛せない母は子どもを愛せない」などという、
アメリカでさんざん使い古された鼻持ちならないことばが濫用される。
そこまでくると育児をハッピーと感じられない女性は、
追い詰められて行き場がなくなるだろう。
■私は虐待の問題にカウンセリングを通してかかわることが多いのだが、
多くの母たちは先に述べたように
「育児が楽しくない」「子どもがかわいくない」と言って悩んでいる。
そこには「育児が楽しくて、子どもがかわいくてたまらない」のでなければ
母親として失格という暗黙のハードルが設定されている。
(中略)それは現実の不平等、不公平を「見ないでおこう」という力が
働いているように思えてならないからだ。
(中略)一方の現実を見なくてすむおまじないが「ハッピー育児」なのだ。
どうしようもないこと、今さら変えられないようなことであれば楽しく生きる、
元気に生きる、そんなママになって生きる、これがハッピーなのだ。
■あなたたちに恨みはありませんか?夫への怒りはありませんか?
オヤジたちに言いたいことはありませんか?
それをちゃんと意識してもらいたい。架空の現実をつくるのはしかたがない。
でもね、その足元に広がる楽しくない育児、苦痛な育児、
ばかばかしいほどの日常の家事の累積をちゃんとみてもらいたい。
恨みをもつのはいいことだ。
ハッピーということばに変換するのではなく、
無変換のまま恨みとしてもっていたほうがいい。
問題はその恨みをどのようにして晴らすか、
どのように処理するかということだろう。
***** ***** ***** ***** *****
「ハッピー」も「イキイキ・キラキラ」も殊更に強調するのは、
信田さんにいわせれば、虚像。
子育て経験のある人なら、
楽しくてよろこびに満ちているだけの子育てなんてある訳ない!と、
きっと思い当たる節があるんじゃないでしょうか?
ない方が…不思議(夫婦ゲンカと同じように)。
よく年長者や子育てが落ちついた先輩母たちが口にする、
「(子どもは)今がいちばんかわいいときよ〜」、
「今がいちばん大変な時期だけど、いずれ楽になるから」
「大変だったけど、この子の可愛さで乗りきれた」
は励ましのようでいて、私はまったく励まされませんでした。
大変さも不満も、「子どものかわいさ」で覆い隠そうとしているから。
「かわいい、しあわせだ、だからがんばれ」っていう、
がんばれないししんどいから困ってるこちらの本音には全く触れず、
表面をなぞることばに、欺瞞を感じるから。
そして、子どもは小学生になったってうんとかわいいし
(おしゃべり達者なので今朝もマジケンカしましたが!)、
学校っていう集団生活に入れば、親のあずかり知らぬ時間が増えて、
小さい時期とは別の心配・不安がある。その先には、思春期も。
一段落なんて、きっとずっとしない…ですよね。
信田さんのいう「恨みを晴らす」は、自分のもつ負の感情にも
きちんと向き合うことだと思います。
子育てのよろこびやしあわせの裏側にある
イライラやままならなさ、誰かを憎んだり妬んだりという
感情から目を逸らさず、あえて目を向けてみる。
それを「なぜ?」「自分はどうしたい?」と考えて、
ことばにして書いたり話したりして表現する、
そして乗り越えていくことじゃないか、と。
しんどいけれど、そうすることで初めて、
いろんな出来事や感情に一つひとつ納得したり、昇華したり、
折り合いをつけながら日々を積み重ねていけるんじゃないでしょうか。
って、私も産後からずーっとその渦中にいます。。。
何度読んでも痛烈で強烈で、
まるでビンタ張られるように感じる本ですが(笑)、
ウソっぽい励ましより、こっちの方がよほど現実的で納得できます。
あえて物事の良い面しか目を向けないような前向きさや、
表面的な励ましは、一時的な励ましたり支えにはなっても
所詮、その場しのぎ。
だからこそ、産後クラスのシェアリングでは、
産後の今こそ「自分のことば」を探して、
表現し合うことを意識していきたいです。
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