診断をめぐっての研修会
この辺では信頼の厚い小児精神科医の研修会に行った。私が担当している子どもたちの多くもお世話になっている。私自身先生とお会いするのは1年以上ぶり。発達を見てくれる、見られる小児科医は県下でも数少なく、先生のところには新しい患者さんが次々訪れる。超の上に超がつくほど多忙な毎日を送っていることだろう。なぜ先生のところに県下から集まるかと言えば、先生は診察にたっぷり1時間はかける。子どもと遊んで、お母さんと日頃の様子を話して、こんなに丁寧に見てくれる小児科医なんてなかなかいない。ことばの教室から紹介した子どもが予約でいっぱいで診てもらえない…と言っていた。そのことを直接聞けた。診てもらえないわけではなく8ヶ月待ち。やっと病院に行く気になっても半年以上先の予約だと、気持ちにも変化が起きてしまう。実際にそんな例もたくさん見てきた。ある県の某有名病院では、3年待ち。3歳だった子は、就学を迎えてしまう。親にとっても療育に関わる者としても、病院と言うのはひとつの糸口を見つける上で非常に重要な場所だ。研修会の後の質問には、養育に対しての疑問、関わり方の疑問が多かった。もしかしたら、療育機関や保健センター等にちゃんとつながって、適切なアドバイスが受けられる、中間的な場所があれば解決しそうなことも多かった。親たちは常に疑問にぶつかって、誰かに聞きたくて仕方がないのだと思う。中間的な場所。私が保健センター事業としてやっていることばの教室はまさにそういう類のものであるが、絶対的に日数もやっているところも少ない。何といってもこの地域には療育センターとなの付くところがない。全くの発展途上地なのだろう。もっとそのような場所ができ、親たちも選択肢を持て、いつでも相談できるようになったら、先生ももっと楽になるのではないかと思った。現在はその部分も小児科医に求めてしまっている。…発達を診る。一長一短に身につく技術ではない。後半に後継者についての話が出たが、病院に行って診断をするという考え方が浸透してきたのも、ここ最近だそうだ。診断が全てではないが、その子に合わせてやり取りをすれば、伸びるというのが実証さてきたからだと思う。やっと芽が出てきたところなのかも。研修会に出て、益々中間的場所の存在の必要性を感じた。