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テーマ:サッカーあれこれ(19824)
カテゴリ:愛媛FC:トップ
ホームでのJFL最終戦。J2昇格圏内の2位以内という条件をクリアしている愛媛は、5年間所属したJFLを優勝で飾って卒業したい。そして、来年からのJ2にはずみをつけたい。望月監督の選んだ16人は、GK:羽田、DF:八柄、星野、金守、矢野、MF:濱岡、石丸、井上、赤井、FW:永冨、友近。サブ。GK:島津、DF:加藤、MF:金子、猿田、FW:田中。
試合前には雹混じりの強い雨が降る。試合開始直前に止んだが、気温もグンと下がり、応援する側にとっても、選手にとってもつらい天候。 前半の愛媛は全く良いところがない。今日の相手はデンソー。近年下位に低迷しているが、愛媛にとっては過去なかなか勝てなかった相手。闘志溢れるプレイで愛媛にチャンスを与えない。彼らにも絶対に負けられない事情がある。来シーズンから市民クラブとなる彼らにとって、今日はデンソーという歴史のある名前で戦う最後のゲーム。意地と意地がぶつかりあう。 ハーフタイム。ピッチで練習しているサブの選手に声援が送られる。サブのGKは久々のコールがうれしいのか、何度もサポの方を見る。 後半キックオフ。選手交代はなし。ゲームの終了を待っていたかのようにハーフタイムに降った冷たい雨のため、さらに気温は下がる。立って体を動かしていないと、とても耐えられない。後半2分。ゴール前でズーパーが素早く反転しシュート。ゴール!一番点を取って欲しい人が点を取ってくれた。 先制点で気が楽になったか、愛媛に勢いが出てくる。少ないパスで前線にボールを送る。畳み掛けるような攻撃。応援のボルテージも上がる。攻撃が実ったのは後半14分。永冨がヘッドで2点目。サポゾーンに駆け寄ってくるトミー。 なおも攻撃の手を緩めない愛媛。しかし後半26分。31番GKの羽田が味方と接触し倒れこむ。駆けつけたスタッフは両腕で×サインを出す。ベンチであわただしく着替えを始める選手。そして、4thオフィシャルが31番の交代を告げる。交代で入ってくる選手の背番号は1番。その瞬間、隣にいたWさんが号泣し始める。笑顔で、肩を叩いて、まだ泣くのは早いよと声をかけるが、そういう自分もやけに風景が波打っている。すっかり冷え切った頬を温かいものが伝って落ちる。 その男は愛媛がJFLに参入してからずっと1番を背負っていた。JFL参入時のメンバーで今もプレーしている数少ない選手の一人。大企業の資本力のバックアップを受けた企業チームがリーグの上位を占めていた頃、あくまでもアマチュアの市民クラブとして、必死にJ入りを目指してもがいていた愛媛のゴールを常に守っていた男。今みたいに多くの人が愛媛を応援するようになるずっと前、閑散としたスタジアムにもかかわらず、熱くゴール前を守っていた守護神。その男が久々に出場し、JFLラストゲームのゴールを守る。 ピンチに懐かしいコールが湧き上がる。 セーブ!セーブ!セーブ! 島津! セーブ!セーブ!セーブ! もう駄目。涙が止まらない。 望月監督は今日は友近を代えない。後半途中で田中というのがいつもの定石だが、先制点をあげ、十分に走れているというのもあるだろう。チームをずっと支えたFWとGKがJFL最後の試合でプレイをする。ああ、サッカーの神様は何て粋な演出をするんだ。 そして、試合終了の笛が鳴り、愛媛のJFL時代は終わった。 メインスタンド前で行われるセレモニー。場内に流れるQueenのWe are The Championにあわせ歌うが、皆さびのWe are The Championのところ以外を知らない(笑) 表彰式、写真撮影を終えた選手がバックスタンドに走り寄ってくる。用意していたオレンジの紙テープが舞う。乾杯はもちろんポンジュース。都田でもやったが、今日はエスカレートしポンジュースかけに発展。ダメだよ、糖分入りは。ねちゃねちゃする(笑) 友近はJFL優勝カップにポンジュースを注ぎ、飲み干す。JFLから怒られそうだけど、ちゃんと洗うから許してね。 5年目にしてようやく手にした優勝。そして卒業。素晴らしい感動を与えてくれたチームに、サポの仲間に改めて感謝。そして、Honda FC、デンソーをはじめとしたライバル達に、深い尊敬と感謝をささげます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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