ポゼッションサッカーの罠
サッカーの試合において。ボールを失わないということは、極めて重要なことだと思う。自分たちでボールを保持していれば、相手に得点チャンスはない。常に優位に試合を運ぶことができる。そういう意味で、ボールポゼッションを高める、バスサッカーを志向するのは、時代の流れだと思う。 自分たちのボールになったら、パスを繋ぐ。ボールを大切にする。特にディフェンシブサードでは、ボールを失うことは致命的。最終ラインでボールを回して。相手に隙ができれば、勝負のパスを出す。 確かにポゼッションサッカーは、現代のサッカーでは主流。基本的には、間違ってはいない。自分もFCバルセロナやそれをベースとしたスペイン代表のサッカーには魅せられる。ただ。 ただ、ポゼッションサッカーには、ポゼッションサッカーならではの致命的な欠点がある。それは、ボールを大事にし過ぎること。ボールを失わない、ボールを奪われない。そのことに力点を置き過ぎるために、サッカーにとってもっとも大切なことを忘れてしまう。 サッカーにとって、もっとも大切なこと。それは、やはり得点すること。ゴールを奪うこと。でも、ポゼッションサッカーは、時としてそれを忘れがち。得点するために、ゴールを奪うために、ボールを大事にし、パスを繋げているはずなのに。いつしか、ボールを大事にすることが、パスを繋ぐことが目的になってしまう。本来、手段だったものが、いつしか目的とされてしまう。 その結果、どうなるのか。ゴール前まで迫りながら、シュートで終われない。アタッキングサードまで侵入しながら、パスを選択してしまう。大事なのは、無理目でもシュートを打つことなんだけれど。それができない。挙げ句の果てには、カウンター攻撃を食らってしまう。やはり大切なのは、得点すること。そのためには、シュートを打つこと。当たり前のことなんだけれど。それを忘れてはいけない。