『学生』・・・ある中国人の青年
テーマ指定のバトンが回ってきました。そのテーマは『学生』今日はぼんやりと「思い出の学生」アルバムを開いておりました。(心の中の)最初の学校では日本語を学びながら日本での進学を目指す学生のクラスで教えていた。収入も少ない上に、授業の準備のために寝る時間もない日々。(まるで苦学生)必死でやっていたものの上手くできなくて、多くの学生たちを犠牲にしてきたと思いますそんな中、初めて担当した初級クラスにRさんという中国の地方出身の学生が入ってきました。中国人といっても、上海や北京の学生と違って本当にド田舎からきたんだなぁといういでたち。「こんにちは」「げんきですか?」「がんばってね」・・・とかありきたりの言葉で話しかけるとR青年は初めてナマの日本人と話した緊張で、顔を真っ赤にして直立姿勢で「こ・こ・こんにちはっー」「げ・げ・げんきぃーですっ」「ははははいーっ」と言葉が出ない分、精一杯のひきつった笑顔で答えていた。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そして1年が過ぎ、私はまだ初級クラスを教えていたが、R青年は順調に進級していた。ある日、久しぶりにR青年を見かけたので声をかけてみた。「Rさん、げんきですか?もう中級クラスなんですか。すごいですねー!」すると今ではすっかり垢抜けたRさんは落ち着いたトーンでスラスラと「Umi先生、お久しぶりです。お元気そうですね。 また機会があったら、先生に教えていただきたいです。」といったのです。わ・わ・わたしは本当に驚いた。いつの間にオトナみたいなあいさつできるようになったの?聞けばRさんの両親は彼を日本に留学させるために国で別々に住んで働いているそうで、Rさん自身もアルバイトをしながら学費を補っているということだった。バイト先では言葉の問題もあり、「早くしろ!ばかやろー」「何やってんだ、おまえ!」とか日本人にヒドイ言葉で怒鳴られることも多かったそうだ。Rさんは日本語が話せなかっただけで最初からオトナだったのだろう。将来、大モノになって私のことを「初めての日本語の老師」として思い出してくれるかなぁ何故かRさんの名前がどうしても思い出せないのですが・・・