丸誠
今日は丸誠に付いて書こうと思います。この会社は、2年前に買って一度も動かさずに今日まで来ました。一度は1100円を超えた株価も、あれよあれよと700円を割ってしまい、シオシオな感じです。丁度2年前に、簡単にですが同業他社比較をやっています。少し懐かしいですね。まずは定量面です。このセクター、改めて見てみるとかなり安い会社があります。白青舎、東京美装共になかなかの割安さを見せています。どの会社にも共通しているのは、資金回収に時間が掛からず、殆ど資金ショートを起こしそうも無いこと。それなのに、高い流動比率を誇っているところです。無駄に現金を貯め込んでいると言う感じですね。ハリマビステム今回比較した会社の中では、明らかに見劣りします。PERが高く評価されていますが、これは明らかに異常値です。恐らく何か特損を計上する予定なのだと思います。特損が無ければ、PER水準は大体11倍弱くらいになり、それほど高くはありません。が、魅力無いな。白青舎前回の比較でも見ましたが、相変わらずの割安さです。表中のEBITDA倍率や理論株価は保有有価証券を加味していませんので、多少見劣りする数字となっていますが、保有有価証券が13億円程度あり、これを加味すれば理論株価は2割強程度高くなります。東京美装今回初めてこの会社の四季報を読みましたが、かなり安く評価されている会社です。ただ、営業利益率では下位に当たり、PERも高く評価されています。相対的な魅力度は低い感じですね。保有有価証券が50億円程度有り、それを加味すれば、表中の理論株価より3.5割程度高い評価となります。さて、丸誠です。セクター全体に言えることですが、ビルメンテナンス業界は参入障壁が低く、競争が激化しているようです。下記は2月に同社が発表した、業績下方修正の理由です。設備エンジニアリング事業及びマネジメント&サービス事業では新規受注を解約減額が上回り、連結・単体ともに売上高が当初予想を下回る見込みとなりました。また、経常利益・当期純利益につきましても契約金額の減額や工事における受注競争激化により利益率の低下が続き当初予想を大きく下回る見込みとなりました。他の会社も似たような理由で、業績面での苦戦を強いられているようです。要は、競争激化で採算が悪化、また、解約や減額契約が増えていると言う事でしょう。実は私は、ビルメンテナンス業務は顧客のサーチコストが大きく、あまり解約率が高くないのでは無いかと考えてこの業界に投資をしていましたが、どうやらこの考えは間違いだったようです。解約が結構あるようですね。その中でも、丸誠は大規模施設に対し強く、相対比較として営業利益率も高くなっています。この分野では、相応に競争力はあると考えています。資本政策について。丸誠と東京美装は、M&Aを模索しているようです。恐らく、豊富な保有現金の有効利用を考えているのでしょう。が、数字を見る限り、この業界は規模型事業ではありません。理屈で考えても、規模を大きくしてもそれほどシナジー効果があるとは思えず、実は私は同社のM&Aには懐疑的です。で、第三四半期決算を見ると、どうやら保有現金の一部を取り崩して、国債を買っているようです。これもまた???ですよね。元々同社はIPO時からキャッシュリッチでして、ファイナンス的には上場する必要は全くありませんでした。30億円以上のキャッシュを保有している会社がIPOして、確か調達資金は2億円程度だったと記憶しています。で、今になって7億円くらいの国債購入??余剰資金があるなら、自社株買いでもして欲しい。その方が、株主に取ってはよほどプラスになるでしょう。う~ん、買い煽りのつもりが、愚痴っぽくなってきてしまいました(笑)まぁそうは言っても、定量的に安く、キャッシュフローも安定しています。私としては現在株価付近では売る理由が全くなく、当然の様に保有継続方針です。