秘密の森を開くことばは…
母鹿を探して少年と仔鹿が歩いていますと、西の山の花畑でライオンがぼんやりとしゃがみ込んでいました。「どうかしたのですか?王さま、こんなところにで。」仔鹿が聞きました。「私はすっかり年を取ってしまった、もう、王としての努めを果たすこともできない。大切なものが隠してある秘密の森への扉を開く言葉も忘れてしまった。どうしても思い出せないんだ。もう、私は役立たずだ。」ライオンは元気なくため息をつきました。「ねえ、王さま、昔この森にドラゴンがやって来て恐ろしい炎を吐いて森も動物たちも滅ぼしてしまおうとしたことがあったんでしょう?その時王さまはどうしたのですか?」少年が聞きました。ライオンは少し、目を開いて話しだしました。「ああ、あの時はドラゴンの先回りをして西の山から大きな岩を落としてやった、このたてがみにたっぷり水を含ませていたのでドラゴンの炎もへっちゃらだった。岩にあたったドラゴンをこの牙でがぶりとやって、さっさと追い返してやったさ。」少年と仔鹿はつぎつぎと嘗て、ライオンが森や動物を守った時の話を訪ねました。ライオンは少しづつ元気になり、目をきらきらさせて昔の話をしました。「そう、あれはダークウッドの魔女が息子をさらおうとした時だ…まてよ、そうだ思い出した、秘密の森の扉を開くには息子の名前を3度言うんだった!ルードヴィッヒ、ルードヴィッヒ、ルードヴィッヒ!」花畑の真ん中に大きな扉が現れ、左右に開きました。「ありがとう、お前たちのおかげで秘密の森にまた行くことができる。」秘密の森にはライオンの「勇気」と「尊厳」が隠されていました。よかったら、ポちっと押してくださるとうれしいです