しかし当時、東京の民主党代表事務室で会った鳩山氏の表情は興奮とは程遠かった。 温和な印象の紳士、鳩山氏は落ち着いたトーンではあるものの、日本の帝国主義 による朝鮮(チョソン、1392-1910年)植民支配時代を美化する教科書を作る一部 日本人の歴史観については厳しく叱った。8年が過ぎて首相になった同氏が北東アジア に変化の風を起こすことを期待したい。 民主党代表の鳩山由紀夫氏の事務室があまりにも静かなのは意外だった。森喜朗首相 が率いる自民党政権の人気は果てしない下落を続けていた。ついに自民党の半世紀に わたる長期執権の幕が降り、戦後初めて民主党に政権が変わるのは時間の問題のよう に見えた。2001年3月のことだ。 記者は、政権党の入口に迫った民主党代表の事務室は興奮でときめくはずだと考え、 首相候補の鳩山氏の事務室を訪れた。しかし同氏の事務室は静かで、鳩山氏の印象は より静かだった。記者を待っていたのは温和な印象の紳士だった。インタビューの終始、 同氏は声のトーンを高めず質問に誠実に答えた。同氏は日本による朝鮮植民支配時代 を美化する教科書を作る一部日本人の歴史観を次のように批判した。 「民主党は日本がかつて韓国と中国にやったことに背を向けてはならず、むしろ反省すべき 点は反省する歴史認識を持つのが重要だと考えている」。 そのころ、東京都知事の 石原慎太郎氏が韓国と中国に対する妄言を繰り返していた。鳩山氏は石原氏の頻繁な ナショナリズムに基づく発言に、東京都民も心配しているとした。韓国はそうした人が首相で ないことに慰められるべきかという冗談交じりの質問に、鳩山氏も冗談交じりで答弁した。 「民主党は石原氏のような考え方をする人を警戒する意味でもより奮発する必要がある」。 当時は北朝鮮が2度目の核危機を招く前だ。鳩山氏は2000年6月の南北(韓国・北朝鮮) 首脳会談以後の南北関係に関心を示し、記者に意見を尋ねた。同氏は、日本は北朝鮮・平壌 (ピョンヤン)行きのバスをのがしてはならないと考えつつも、日本人拉致被害者問題がある から、焦ることも急ぐこともない、という考え方だと話した。同氏が話した朝日国交正常化の 条件が気に入った。 「敢えて条件を付けるならば▽南北の平和プロセスの進展▽韓米日3国の連携の緊密化-- が必要だ。もちろん日本人拉致被害者問題とミサイル問題の解決が含まれる」。 当時までも北朝鮮の核ではなくミサイルが日本の安全を威嚇すると認識された時点だった。 在日韓国人に参政権を付与する問題について、鳩山氏はグローバルかつ開かれた考え方を 示した。同氏は日本列島は日本人だけの所有ではないと話した。 「そこに住むすべての人々の 権利や、豊かな暮らしに向けた条件を作ることに積極的でなければいけない。その地域に住む 人々の不便を減らす方向として、地方参政権を与えるのは当然だ」。 鳩山氏は森喜朗首相の人気が落ちた理由について「首相としての器ではない」と簡単に答えた。 森首相は「日本は神の国」という奇怪な発言で、国内外から世論の集中砲火を浴びていた。 鳩山氏は話した。 「日本は神の国という軽率な発言、暴力団とのスキャンダル、経済政策の失政 に、国民の憤怒が爆発したのだ」。 鳩山氏の執権戦略は7月の参院選で勝利した後、衆院解散を求め、衆院選でも勝った後、民主党 政権を発足することだった。民主党は参院選で勝った。しかし自民党は小泉純一郎というカードを 持っていた。小泉氏の登場は自民党の執権を延長し、鳩山首相の登場を8年も遅らせた。 民主党が政権党になれば何が変わるのかという質問に鳩山氏は「血を流すという覚悟から▽行政・ 財政の大胆な構造改革▽公共事業の大幅な見直し--が必要とされる」と述べた。同氏は特に 権力者が介入した不正腐敗の最大の原因とされる中央集権の統治方式を止揚し、政治と経済の 権限を地方に委譲する体制に変えねばならない、と強調した。 記者は99年4月には当時の自由党の党首小沢一郎氏にインタビューした。鳩山氏と小沢氏の スタイルはそれこそ対照的だった。小沢氏は大物のにおいが漂い、声に力を入っていた。 インタビューの場所にも補佐官ら数人とともに堂々と入ってきた。質問に対する答弁も政治的で、 力強かった。私語は一切交わさなかった。 対照的に、鳩山氏はインタビューが終わった後、記者の 日本語を中心に、雑談を交わす余裕を見せた。記者が帰る際にはエレベーター前まで見送ってくれた。 首相になったら早期にインタビューに応じると約束してほしい、という記者の本音交じりのジョークにも 笑いながら「そうしたい」と応えてくれた。 あれから8年後に首相になる鳩山氏は「静かな」スタイルで日本だけでなく北東アジア地域に変化の風 を起こすことに間違いない。自民党政治家のナショナリズムに基づく妄言に食傷気味の我々にとって、 グローバルな考え方を持ち韓国に好感を示す鳩山氏が日本の首相になるのは幸いなことである。 http://japanese.joins.com/upload/images/2009/09/20090901105646-1.jpg http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=119928 http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=119929 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009.09.02 16:07:06
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