Unfolding

2010/09/09(木)08:13

働かざるもの、飢えるべからず 小飼 弾

本(118)

 先日某大手ネット書店で購入した、「働かざるもの、飢えるべからず」を改めて読む。 ほんと、この本で書かれているようなことが、政策として実現したらいいのになって思う。 基本的には、国民全てに一定額のお金を無条件に配るベーシック・インカム(BI)と、 その財源として、財産は死んだら全て社会に還元されるという社会相続のお話。 「みんなが必死になってがんばって働きさえばみんなが豊かになる」という時代が、 過去のものになっているのだなということを、著者の丁寧な説明で実感。 p.25~26に著者の、日本の現在の貧困問題についての見方が書かれているので引用 ------- いま、なぜ「貧困」があるのかといったら、「ものが足りないから」ではありません。ものなら十二分にあります。 人体にたとえたら「飢餓」ではなくて「血行不良」です。偏った栄養をとった結果として血栓ができて指が壊死したりしている状態です。そんなときに「もっと食べて栄養をとれ」なんて藪医者でも言いません。うっ血しているところに、「血行をよくしろ」と言うだけの話です。 貧困があるからといっても、金品を出回るようにすればいいのではなく、還流をよくしなくちゃいけません。逆に言えば、還流をよくしさえすれば、血行不良型の貧困は治ります。この本で私は、還流を促すベストな秘策を紹介しようというわけです。 ------- そうそう、今の日本は、景気よかった頃から生産力が落ちてこうなってしまったわけじゃないですものね。 後半では、著者がテーラワーダ仏教のスマナサーラ長老と対談し、 ベーシック・インカムと仏教思想のつながりや親和性についても語り合っています。 「社会相続」には抵抗する層が存在しそうですが、実現すれば今までと全然違う社会が できそうで、魅力的に感じました。 働かざるもの、飢えるべからず。

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