テーマ:徒然日記(23454)
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米国のアカデミー賞の受賞式があった。
先んじて日本アカデミー賞なるものがあったが、その冠の命名に昔から 違和感を感じて批判をしてきた私は、米国アカデミー賞での「THE COVE」 の長編ドキュメント賞受賞という知らせを忸怩たる思いで聞いた。 勘違いしないで欲しいのだが、太地町の人々には気の毒だが、 私は「THE COVE」という作品と監督を批判するつもりは無いし賞を与え た米国アカデミー協会を糾弾するつもりも無い。 私が悲しむのは今回の状況が醸しだす「日本と日本映画界の在り様。滑 稽な図式の情けなさ」の方なのだ。 世界各国に米国アカデミー賞の影響を受けて発足した映画祭は数あるが、 何ゆえに日本アカデミー賞なんだろうか? 日本の映画製作配給会社各社が主催するこの賞の発足当時、映画青年で 学生であった私はこのセンスと主体性の無さに愕然とし、批判し、今日 まで釈然としないものを感じ続けてきていた。 今回「日本アカデミー賞」なるものがTVで放送され、それなりに賑わ っていた状況での本家での「THE COVE」の受賞という図式に、 日本映画界だけでなく、日本国そのものへのいじましさ、哀れさ、それ 故の滑稽さを感じたのは私だけなのだろうか? 誰を責めるべき問題では無いだろう事は理解している。 だが、いきなり飼い主に冷や水をぶっ掛けられた犬の姿の情景がイメー ジとして浮かぶ。 本来、日本の映画界はそんな薄っぺらい存在では無いのだが、取巻く状 況が演出するものは馬鹿らしい程の米国映画界への憧憬だ。 のこのこ出て来た鳩山首相の「米国のアカデミー賞を追い抜く賞に・・ ・云々」もタイムリーに「哀れ」を増幅していた。 この上、日本人や日本のマスコミが「THE COVE」受賞に異常に反応した ら恥じの上塗りもいいところで、冷静な対応が望まれる。 太地町の人々も平生と変わらず漁を続ければ良い。 以前、捕鯨の問題で触れたが、そこでは事の善悪より「調査捕鯨」とい う言い訳の姑息さに言及した。今回も急に漁を控えたり、つまらぬ言い 訳をしたりせずに毅然としていて欲しいと思う。 ここまで書いて来て気が付いたのだが、私が長年釈然とせず、何となく 苛立ち、今回の両映画賞を取巻く状況に「日本の哀れ」を感じるのは、 やはり事の善悪では無くて、そこに日本と日本人の「姑息さ」を見てい るからなのかもしれない。 「日本よ、日本人よ、毅然たれ!!」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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