ちきん★HeaRtS

[洋食・ﾌﾚﾝﾁ] カテゴリの記事

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  猫が嫌い

  20年くらい前の話。車庫の天井から2羽いる文鳥の籠を吊るしておいた、ある日の昼下がり。チュンチュン、と2羽が仲睦まじく首の部分をすり合せているのが何とも微笑ましい。当の飼い主はケツをポリポリ掻きながら煎餅食って部屋でテレビを見ていた。その時、鳥篭のある、車庫の方から尋常ならざる何かの叫び声が聞こえてきた。また野良猫がサカリでもついて喧嘩してんのかな・・・と重い腰をあげて、窓を開けて車庫を見てみると、文鳥の籠の中にモロに猫が入ってた。どうやって籠の入り口を開けたのか、どうやって人の目線よりも更に高い位置までよじ登ったのかは判らないけど、とにかく小さな籠の中で猫が暴れてた。きっと鳥は無事なはずだ、なぜかといえば籠の中に設置してある木箱巣の小さい穴の中に逃げ込めば、いくら猫でも容易に箱を破壊出来ないだろうし、その穴も猫の頭が入る大きさではないことは一目瞭然。そして猫の方も鳥篭という小さな檻の中に入ってしまったからには中から脱出不可能に見えた。今現在起こっている事態の解決法を考えながら靴を履き、表へ出る。籠に近づくと猫が全身の毛を逆立ててシューシュー威嚇してきた。さすがに半野生を生き抜いている野良動物は怖い。さて・・・どうするか・・と、吊るしてある籠を見上げながらその周りをぐるぐる回り、少しづつ間合いを詰めていく少年M君。それにあわせて猫もこちらを見下ろしながら、狭い籠の中を時計の針根のようにくるくる回る。しばらくその様な状況が続いたが、小さな巣箱の中でブルブル怯えているであろう鳥たちがショックで死んでしまったら可哀想、と考えた少年M君は、意を決して籠を車庫の屋根から引っ張るように下ろした。いや、下ろしたというより途中で猫が暴れてチビッた少年M君の手から籠の持ち手が滑って落ちた。ガシャーン、そのショックで籠の下が抜け、猫は猛ダッシュで籠から脱出。数メートル離れたところで此方を振り返り「まふぉぉぉーーーお！」と鳴いた。少年と猫の距離があんまり近いと巣箱を開けたときに中の鳥を横取りされる恐れがあったから、まだそんなに離れていない所で隙を狙っている猫を睨み付けながら更に追いかけ、目視出来ない位置まで猫を追いやる。もう大丈夫だろう、と思ったところで籠の方に戻り木箱を開けた。「･･･････。｣鳥は2羽とも居なかった。よく見ると籠の吊るしてあった真下にも、籠の中にもすごい量の羽が散乱している。2羽の鳥がどうなったかは明らかだった。文鳥の仇を討とう。瞬時にそう思った。その為にエアガンを買った。当時としては結構値段が高い、威力も命中精度も高いものを選んだ。チラシ紙の裏にマジックで的を書いたもので射撃の練習を学校が終わると毎日した。流石に動いている的には当てる自信が無かったけど、止まっている的だと10メートルくらいの距離だったら確実に当たった。精度は練習と共に自然に身についた。次に銃の威力の問題があった。アルミ缶をゼロ距離射撃。プラスチック弾の当たった場所が、ほんの少しだけ凹んだ。駄目だ、これではあのフワフワの毛で覆われた体に当たったとしても、この威力じゃ寸分のダメージをも食らわすことが出来ない。熟考の末、銃の中を分解してバネを強化してみた。再びゼロ距離射撃。ボコ!っという鋭い音と共に弾はアルミ缶を貫通し、尚且つ部屋中を玉が反射した。威力、精度。こうして2つの問題を解決した。しかし猫は動く。動きを止めて、正確に体に弾をあてる、その為には足止めが必要だった。そして考えた末、動きを封じるために庭にヨッチャンイカを目立つ皿に入れて仕掛けた。皿の匂いを嗅いでもいいし、中のものを食べてもいい。とにかくほんの数秒で良いから立ち止まってくれれば目標を射貫く自信があった。その皿が見える部屋の窓を数10センチ開け、そこから銃口を出す。ホフク前進の姿勢で銃を構える。長丁場になったときの事を考え、水と一食のみの食料を持ち、皿付近から片時も目を離さないように目標を待つ。準備は完璧だった。この野良猫は、ほぼ毎日家の庭に来る。サカリの季節になると、どうしようも無いくらいにウルサイ迷惑猫だ。しかしこれは自然の法則だから我慢できるとしても、やはり愛鳥を襲ったところを現在進行形で見てしまったことが、ここまで少年M君を本気にさせた。待つこと数時間。カサ、、カサ･･･自然の力ではない、葉の揺れる音がした。猫が来た。どうやら皿に気づいているようだ。辺りを警戒しながら皿に近づいてくる。その距離約10メートル。が、動いている今はまだ引き金を引くのは早い。そっとトリガーに人差し指をかける。猫は皿に入った罠のヨッチャンイカの匂いを嗅いだ。完全に目標の動きが止まった。････。･･･････。引き金を引くことは出来なかった。（ごめんな、仇討てなかったよ･･･） ==============少年期にこんな出来事があったもんだから、当方は大の猫嫌い。猫が出ているテレビや写真を見ても、可愛いと思ったことも無い。むしろ、過去のこの出来事を思い出して憂鬱さが募る。極めつけは重度の猫アレルギー。猫が存在している場所に行くと、くしゃみと鼻水が止まらなくなる。なんでね、生態系の頂点に君臨する人間様がこんなチビッコい動物に不愉快にされなきゃなならんだよ。もうね、猫ほんと嫌い。ブログでもたまに見るけど、自分のところで飼っている猫をプロフィール写真に使っているウンコ野郎がいますよね。もうね、ほんと糞食らえって言いたい。写真見るだけでくしゃみ出るちゅーねん。だからね、猫飼ってみた。 名前はネオ。名前考えている時に、マトリックスの再放送がやっていたからネオ。♂11ヶ月。超可愛い。猫大好き。毎日くしゃみ200回くらい出るけどね。

  2007.11.22

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  魚のマリネ　【後編･応用】

  さてと始めようか。HPを始めてから初めて見直し無しでUPした前記事。20分くらいで高速で書き上げ、その後予定があったので出かけた。夜中2時ごろ家に帰ってきて、ほろ酔い気分で読み直してみるとﾋﾄﾞｲ･･･　ﾋ　ﾄﾞ　ｽ　ｷﾞ　ﾙいつもﾋﾄﾞｲけど、それにも増して前記事の文章構成がﾋﾄﾞｲ。もう絶対に見直し無しでの強行UPはしないと硬く心に誓った。と、反省はｺｺまでにして「魚のﾏﾘﾈ」に関しての「前編」からの続きである今回の「後編」。なるべく前編とのｲﾝﾀｰﾊﾞﾙを開けないつもりでいたんだけど、時間だけは待ってくれない。「困ります！課長！！」「へへへ、良いじゃないか由美子！」「だ、駄目です！そ、それだけは！！か、課長･･･ﾌﾌﾝ」「まーまーそう言うなって･･」というﾊﾟﾜﾊﾗが行われるくらいに時間が無いのは困る。この場合のｼﾁｭｴｰｼｮﾝは、課長が47歳で由美子は入社したてのOL21歳。由美子は毎日課長に小間使いにされ、仕事という社会の壁に行き詰っていた。あのころは楽しかった･･･数年前の学生時代。季節の風も、少しだけ乾いた匂いのする時間も、私たちを囲むようにゆっくりと流れてくれているようだったあのころ･･･戻りたい。俊子も由美も、薫も一緒だった。････。でも私は今ｺｺにいる。与えられる仕事なんか毎日毎日ｺﾋﾟｰ取りやお茶くみといった雑用ばかり。もう嫌。そんな折、課長から夕食に誘われた。課長のことはﾊｯｷﾘ言って好きではないけど、このころの私はどこか･･･････。････えっと、、まだ聞きたい人いますかね？なんでいっつもこういう風に話が脱線してしまうのか自分でも不思議でならないんですけど、それを自分に問い詰めていたらまた話が脱線しそうなのでもうﾏﾘﾈのことしか書かない事にしますね。えっと、前回に続いての「後編」。あれ、さっきも同じようなこと書いたな、、。今回は応用編ということで、魚をﾏﾘﾈするにあたっての正しい下処理後の調理を書きたいと思います。ﾊﾞｯﾄにｻﾗﾝﾗｯﾌﾟを敷き、その上に満遍なくﾏﾘﾈ塩を撒きます。ﾏﾘﾈをするときの塩の分量は重量%で本当は決まっているんだけど、この辺は殆ど適当。適当と言ったらいい加減に思われるかもしれないけど、適当！ﾃﾍｯ。ﾏﾘﾈ塩は漬物を漬けるときの塩と違い、砂糖やらﾊｰﾌﾞも入っているので食材によってﾏﾘﾈ時間の誤差がかなり出てきます。この辺は本当に正確な分量･時間が掴めない。ということでﾖﾛｼｸ。皮面を下にして魚を置き、その上からも塩を撒きます。撒くというよりは塗ると言ったほうが近いかな。このとき、身の厚いほう（背身）に少し多めのﾏﾘﾈ塩を塗ります。塩が溶けてしまうと、脱水効果が少なくなるので腹身のほうは薄く、背身のほうには多少厚く塗ること。下に敷いたﾗｯﾌﾟでそのまま包んで冷蔵庫に入れ、ﾏﾘﾈします。この厚みの魚で大体約1時間くらい。生のときの身の柔らかさを記憶しておいて、ﾏﾘﾈした後に指で触り芯まで硬くなってればﾏﾘﾈ完了。2時間ほど漬けたらｼｮｯﾊﾟくなるので、20分位ごとに身を触って確認してみたほうが良いかもね。1時間後のﾏﾘﾈ完了の状態。岩塩が溶けて、魚の余計な水分が脱水されてるのが解ります。見やすくするためにﾊﾞｯﾄを傾けているので水分が多く見えるけど、実際はﾁｮｯﾄ。流水で塩と身についた胡椒などを手早く洗い流し、ｷｯﾁﾝﾍﾟｰﾊﾟｰなどで水分をよく拭き取ります。ここで中骨を抜くこと。皮をむく。包丁ではなく、手でﾍﾟﾘっとむけます。ｻｰﾓﾝをﾏﾘﾈする場合は切りやすさから皮付きで保存する場合が多いです。その食材によって後のことまで考えてやると良いね。最初と同じようにﾗｯﾌﾟを敷き、たっぷり目のｵﾘｰﾌﾞｵｲﾙを塗りたくりそのまま冷蔵庫へ。ここで再度1時間ほどｵﾘｰﾌﾞｵｲﾙの香りを移してあげて完成です。簡単でしょ、かかるのは時間だけ。保存は冷蔵庫で2日位かな、使いそうになければｵﾘｰﾌﾞｵｲﾙごと冷凍してもまぁOK。あとは薄く切ってﾚﾓﾝで食べたり、ｵﾘｰﾌﾞｵｲﾙと醤油を混ぜたもので食べたり、ﾙｯｺﾗなんかと食べたり、何かを巻いたり、香草を散らしてﾊﾞﾙｻﾐｺなんかで食べてみたり。ﾏﾘﾈ系は当HPの写真でも何回かあったような･･･もし気が向いたら「洋食･ﾌﾚﾝﾁ」ｶﾃｺﾞﾘーから調べてみるのも良いかもね。あんまり種類無いかもだけど。。ということで、後編を書き上げたらなんだか一仕事終えたようで非常に気分が良い。

  2006.06.28

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  魚のマリネ　【前編･下処理】

  ﾃﾞｨﾅｰのﾌﾙｺｰｽを構成するにあたり、調理法（ﾏﾘﾈや加熱調理、はたまた刺身など）をあまり選ばず幅広く使うことができる食材は作り手にとって非常にありがたい。そして、その食材自体の風味や味が作り手にとって理想とあればその食材の使用頻度も確実に増えていく。そんなわけで当方がﾃﾞｨﾅｰのﾒﾆｭｰを書くときには、以下に紹介する魚を頻繁に使用する。理由は2つ。上にも書いたように食材自身が調理法をあまり選ばず如何なる処理にも耐えられ、理想により近い完成度を誇ってくれること。そしてもう一つはｱﾙｾﾞﾝﾁﾝにある食材の中で、日本との繋がりのある数少ない食材であるということ。ここで一つ、ﾃｰﾌﾞﾙを囲みながら話題ができるでしょ。********先日、当BBSにﾏﾘﾈの詳細を教えてくださいという書き込みがけいさんからあった。ﾏﾘﾈという調理法は、東洋人が食材（食肉、魚）を生で食べる習慣があるということに反して、鮮度の問題や文化の問題でそれが無い（できない又は食べられないｙ食べたくない）西洋の人にとって、あえて塩で〆て後、生で食べられるようにした調理法で殺菌効果や保存の長期化、はたまたﾏﾘﾈ中に他の食材の風味を移してより美味しくできる効果もあり、その方法も年々進化している。当方個人的には調理法の一つとして見た場合「ﾏﾘﾈ」という方法は必ずしも優れているとは思わない。生で食べれるものは生で頂くのが一番美味しいとは思うものの、どこでどう道を間違ってしまったのかﾌﾗﾝｽ料理なんかをｶｼﾞｯてしまった為にこういう技法そ追求せざるをえない状態に。あわわわさて話を戻すと、6月9日のｷﾉｯﾋﾟﾃﾞｨﾅｰでこの魚をｵｰﾄﾞﾌﾞﾙで使用した。個人的にはｶﾙﾊﾟｯﾁｮ方向ではなく、河豚の薄造り風にしたつもりなんだけど、盛り付けがいつもながら原色原色してしまい結局ｶﾙﾊﾟｯﾁｮ方向になってしまったというのは個人的な秘密にしておきたい事柄です。あいあいあい【以下の方法で別の魚を使用する場合、下処理とﾏﾘﾈ時間は若干異なるもののほとんどの魚にこの方法を適用できます。たとえば、「ﾋﾗﾒ｣「ｲｶ｣「ｻｰﾓﾝ｣「ﾎﾀﾃ｣「まぐろ｣「鯛｣･･･等などは同じ方法でOK。】和名「姫ｻﾖﾘ」、ｱﾙｾﾞﾝﾁﾝ名「ﾍﾟﾍﾚｲ」。顔はｷｽで身体はｻﾖﾘという、一昔前に流行った人面犬のような風貌。はじめてみたときはｵｼｯｺﾁﾋﾞｯた。こいつを過去に釣りに行ったときに、餌が生餌の大き目の金魚だったということに2回ﾋﾞﾋﾞる。つまりｺｲﾂは獰猛な肉食であり、日本でﾌﾟｶﾌﾟｶ泳いでいるｻﾖﾘなんかとは全く違う。歯も鋭い。とりあえず鱗を取ってあげて、3枚に卸すところから始めようか。ﾊﾗﾐのところが赤いのは鮮度の関係。ちなみに今日仕入れたｺｲﾂはあまり鮮度は良くなかった。腹骨だけ削ぎとって、皮付きのまま卸すこと。魚をﾏﾘﾈに漬ける場合には下処理皮付きが基本。中骨もﾏﾘﾈ後に抜きます。当方が常時ｽﾄｯｸしているﾏﾘﾈ塩。岩塩1:氷砂糖0.4:白胡椒（荒砕き）0.1:ｵﾚﾝｼﾞ、ﾗｲﾑ、ﾚﾓﾝの皮のすりおろし全体で0.1:ｵﾘｰﾌﾞｵｲﾙ0.3:ﾛｰﾘｴ、ﾀｲﾑ、ﾛｰｽﾞﾏﾘｰ、ﾊﾟｾﾘの茎適量を混ぜて保存。腐らないので一度に5kgほど仕込んで使いたいときにｻｸｯと使う。ｴﾛ本みたいで便利。ﾃﾍｯ☆というわけで、前編終了。前編･後編と2回に分けるつもりなんか無かったんだけど、ここまで書いたまま前に進まず3日くらい放置していたので一回UPしちゃいます。写真は撮ってあるし、文章も頭の中には出来上がっているので、近日中（いつもこんなんばっか･･･）に後編をUPします☆こうご期待。しかし時間が無い･･･ﾌｩ

  2006.06.20

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  きのっぴディナー

  ちくしょう。風邪引いたぜ。今日で込み込み病原菌生活5日目突入だけど、有り難い事に熱は出ていない（と思う）。当方はね、風邪引いたかな？と思っても、体温はまず測らない。というのは、熱を測っても下がるわけでもないし、ましてや測って38℃なんかあろうものならその瞬間から「あ～、もう駄目だぁ」ってなるから。知らないほうが良い事の典型的な例だね、これは。しっかしよぉ･･寒すぎやっちゅうねん、ｱﾙｾﾞﾝﾁﾝ。ちなみに今日の朝の気温は4℃、4℃だよ4℃。今現在ｼﾄｼﾄと雨が降っております。6月、7月が寒さのﾋﾟｰｸだからね、老体に鞭打って何とか来月まで走り抜けなければ。でも寒さがある程度過ぎた8月になったら魔の花粉症の季節がやってくる。あ～嫌だ嫌だ。それは良いとして、昨日お値段高めのﾃﾞｨﾅｰがあった。気温が4℃とは言っても、6月の頭は季節的には真冬ではなく秋の終わりか冬の入り口くらいの時期。だから今、ｱﾙｾﾞﾝﾁﾝはｷﾉｺが美味い。今回のﾃﾞｨﾅｰのﾃｰﾏは【ﾃﾞｻﾞｰﾄ意外全てにｷﾉｺを使った】ｺｰｽ。無論、当方はﾋﾈｸﾚ者なのでそのｷﾉｺをあからさまに表立っては使用していない。そう、それはまるでﾍﾞｯﾄの下に隠している青少年諸君のﾎｯﾄ･ﾊﾞｲﾌﾞﾙ「ﾎﾟﾙﾉ雑誌」のように上手く隠してある。あ、これだとｱﾚか･･自分だけしか知らない微妙な線になってしまうな。もとい、言葉を変えて言うなら「女子校生」の短いｽｶｰﾄとでも言ったほうが良いだろうか、「おﾊﾟﾝﾂが見えるくらいまでｷﾞﾘｷﾞﾘみ短くするけど、ｵﾔｼﾞには見られたくない。でもｶｯｺいい男にならﾁｮｯﾄくらい良いかも☆」という、あぁ、何ていい例えをしたのだ。我ながら我に惚れそうだ。つまり何が言いたいのかというと、ｵﾊﾟﾝﾂ･･じゃなくて「ｷﾉｺ」を「見せたいけど見せたくない」という位置に持ってきたかったのだ。解るかな、この微妙なﾆｭｱﾝｽが。もうちょっと噛み砕いて説明すると、お客さんがｺｰｽを食べ終えてから「ｺｰｽに全部ｷﾉｺが使われていたね」なんて言葉を当方がかけられたとしたら、ｺﾚは当方の負け。つまり、おﾊﾟﾝちゅ丸見えだったって事になる。負けというか「上手では無かった」というほうが近いかな。「全ての皿にｷﾉｺを使った」という、自分の仕掛けた罠がﾊﾞﾚないように、それでいて「ｷﾉｺ」がｻﾌﾞ的要要素でもなく、ﾒｲﾝでも無いように如何に中間的な位置に持ってこれるかが今回のﾃｰﾏ。え？なんでいつもこんな事するのかって？仕事＝遊び　だからさ。今日びﾋﾟﾘﾋﾟﾘﾑｰﾄﾞの仕事仕事職場なんかｸｿ食らえだ。ということで、例のごとくまた半分以上の皿の写真を撮り忘れたっていうｵﾁもあるんだけど、これに関してはもう何時もの事だから突っ込みは無しの方向でお願いしますね☆　　　　-----◇-----●姫ｻﾖﾘの軽いﾏﾘﾈ　ｷｳｲのﾋﾞﾈｶﾞｰｿｰｽとｴﾈﾙﾄﾞｿｰｽｻﾖﾘを3枚に卸し、荒塩･砂糖･ﾗｲﾑ、ｵﾚﾝｼﾞ、ﾚﾓﾝの皮･ﾛｰﾘｴ･白胡椒･ｵﾘｰﾌﾞｵｲﾙを混ぜたもので2時間ﾏﾘﾈ。後、ｵﾘｰﾌﾞｵｲﾙで1時間漬け込んだ後、皮を剥き、薄くｽﾗｲｽ。ｷｳｲのｿｰｽは、ｷｳｲの皮を剥き白ﾜｲﾝﾋﾞﾈｶﾞｰとｸﾞﾗﾆｭｰ糖少々、ｵﾘｰﾌﾞｵｲﾙで作成。ｴﾈﾙﾄﾞｿｰｽのｴﾈﾙﾄﾞとはﾃﾞｨﾙのことで、微塵切りにしてからｵﾘｰﾌﾞｵｲﾙで半日漬け込んだものを使う。ﾊｰﾌﾞ野菜はﾙｯｺﾗ、ﾊﾞｼﾞﾙ、ｳｲｷｮｳ、ｸﾚｿﾝ。ﾄﾏﾄとｲｶ墨ﾊﾟｽﾀを高温で揚げたもの、網笠茸のﾌﾗｲを飾る。　　　　-----◇-----●ﾘｰ･ﾄﾞ･ｳﾞｫｰのﾎﾟﾜﾚ　ﾄﾘｭﾌｿｰｽﾘｰ･ﾄﾞ･ｳﾞｫｰはﾌﾗﾝｽ語だけど、ｽﾍﾟｲﾝ語ではﾓｼｪﾊと呼ばれる。これは内臓肉に属すもので一般には胸腺と言われる部分だけど、判りやすく言えば喉肉と呼ばれている。ﾓｼｪﾊは6時間煮込んだ後、重しをして水分を抜き、整形し、小麦粉をつけてｵﾘｰﾌﾞｵｲﾙでｿﾃｰする。ｵｰﾌﾞﾝで火をいれ、大根のｺﾝｿﾒ煮の上に乗せｿｰｽをかける。ｿｰｽはﾏﾃﾞﾗ酒とﾎﾟﾙﾄ酒の赤を半々で煮詰め、ﾌｫﾝﾄﾞｳﾞｫｰを足してｵﾘｰﾌﾞｵｲﾙでつなぐ。使ったｷﾉｺはﾄﾘｭﾌ。　　　　-----◇-----●ｼｬﾝﾋﾟﾆｮﾝのﾎﾟﾀｰｼﾞｭ　ﾎﾟｰﾁｴｯｸﾞ添え個人的にｼｬﾝﾋﾟﾆｮﾝのﾎﾟﾀｰｼﾞｭが好きである当方は、自分の朝飯の分まで一緒に仕込んでしまう。盛り付けもｼﾝﾌﾟﾙながら、入っているものも至ってｼﾝﾌﾟﾙで、ｵﾆｵﾝ、ｼｬﾝﾋﾟ、ﾊﾞﾀｰ、ｸﾘｰﾑ、ﾐﾙｸの5種類だけで作成。ｷﾉｺ全般と比較的相性の良い、葱を浮き身に使った。　　　　-----◇-----●ﾋﾗﾒのﾑﾆｴﾙとｶﾘﾌﾗﾜｰのｸﾞﾗﾀﾝ　ﾐﾙﾌｨﾕ仕立て　ｿｰｽ･ﾌﾞｰﾙﾉﾜｾﾞｯﾄﾋﾗﾒは皮付きのまま小麦粉をまぶしてﾊﾞﾀｰでｿﾃｰする。一人前5cm角×35g×2でｶﾘﾌﾗﾜｰのｸﾞﾗﾀﾝと交互に積み重ねる。付け合せはｽﾞｯｷｰﾆ、赤ﾋﾟｰﾏﾝ、ﾌﾞﾛｯｺﾘｰ、牛蒡のﾌﾗｲ、ｴﾘﾝｷﾞ茸とﾎﾟﾙﾁｰﾆ茸の生ﾊﾑ巻きｿﾃｰ。盛り付けに動きを持たせるために面白い形に焼いたﾊﾟｲを飾ってみた。ｿｰｽは焦がしﾊﾞﾀｰのｿｰｽで、ﾊﾞﾀｰを焦がした後、ﾚﾓﾝ汁で酸味を持たせ、ﾃﾞﾐｸﾞﾗｽｿｰｽを適量加える。ｸﾗｼｯｸなｿｰｽ。　　　　-----◇-----●抹茶とﾎﾜｲﾄﾁｮｺﾚｰﾄの小菓子　季節のﾌﾙｰﾂとｼﾞｪﾗｰﾄﾞはい、撮り忘れました。抹茶は何気にｱﾙｾﾞﾝﾁﾝ人にも簡単に受け入れられます。というのも、ｱﾙｾﾞﾝﾁﾝでは昔からﾏﾃ茶と呼ばれるお茶を飲む習慣があるからでしょうか、日本茶なども抵抗なく飲む傾向にありますが、なにぶん高価なのであまり常用はされていないみたいですね。抹茶とﾎﾜｲﾄﾁｮｺﾚｰﾄは相性が抜群にﾖﾛｼｲので、これを組み合わせて日本風のﾃﾞｻﾞｰﾄを作りました。

  2006.06.09

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  魚♪魚♪魚～～ｻｶﾅ～を食べ～ると～（古）

  しつこく何回か書いていますが、ｱﾙｾﾞﾝﾁﾝは魚介類があまりﾖﾛｼｸﾅｲ。でも、ﾖﾛｼｸﾅｲからと言って普段の営業で使わないわけにいかないのは承知の通りです。普段ｺｰｽﾒﾆｭｰを考える時も、最後までいつも決まって「魚料理」のﾊﾟｽﾞﾙだけが中々ﾊﾏらない。そんな当方の気苦労も知らず、本日こんな挑戦状が･･･「ﾃﾞｻﾞｰﾄ以外の全ての皿に魚介類と野菜を盛り付けてﾒﾆｭｰを構成してください。ただし、ﾊｰﾌﾞ等の調味料はお任せします。ちなみにｸﾘｰﾑ、ﾊﾞﾀｰ関係の動物性のものは使用可能」はえ???　なんだと??　聞こえませんよ、そんな言葉。以前こんなﾒﾆｭｰをやったことがありますが、→【肉を使っちゃﾀﾞﾒなﾃﾞｨﾅｰ】この時よりも使える食材は限られてくる。まず、上記の挑戦状からは魚介と野菜が前面に出ていなければいけない事が読み取れる。次に中途半端にもﾊﾞﾀｰ、ｸﾘｰﾑなどの動物性加工品は使用OK。でもたぶん、加工してあったとしてもﾌﾞｲﾖﾝ（鶏のﾀﾞｼ）、ﾌｫﾝﾄﾞｳﾞｫｰ（仔牛のﾀﾞｼ）なんかはﾀﾞﾒっぽい。つーか、たまーにならこういうのも楽しいんだけど、この前やったばっかじゃん。。困ったなぁ･･･どうしよう、ｱﾚにしようかな、ｺﾚにしようかな･･･と数時間考えに考え、自分のﾎﾞｷｬﾌﾞﾗﾘｰの少なさを呪いながら「う～～ん、う～～～～～ん」と唸り、「ﾊｯ!!」っと気付いたらﾎﾟﾙﾉ雑誌見ててちょっとﾁﾋﾞｯた。**************●ｻｰﾓﾝとｱﾝ肝　野菜のﾃﾘｰﾇ　ﾓｻﾞｲｸ仕立て　3種のﾋﾞﾈｶﾞｰｿｰｽﾓｻﾞｲｸと言ったら世の健康優良青少年たちの敵、あのﾓｻﾞｲｸの事です。って、この事自体は料理に関係無いので詳しく書くのは止めときましょう。ｱﾝ肝は缶詰のものを使用、湯通しして油脂分を出来るだけ取り除き、ｻｰﾓﾝは一晩ﾏﾘﾈしてから軽くﾀﾀｷにして余分な油脂分を落としてあります。油脂分を取るのは、ｾﾞﾗﾁﾝが固まり難くなるため。野菜は全てﾎﾞｲﾙし、完全に火を入れて水分をよく切って材料を色よくﾃﾘｰﾇ型に詰め、魚のﾀﾞｼで取ったｾﾞﾗﾁﾝを流して一晩固めます。　　　　-----◇-----●ｱﾜﾋﾞの香草ﾊﾟﾝ粉焼き　ﾌﾞﾙｷﾞﾆｮﾝ風ｱﾜﾋﾞと言っても、ｱﾜﾋﾞではない。ﾁﾘ産のﾛｺ貝と呼ばれる、日本の回転寿司でも馴染みの深いあの偽ｱﾜﾋﾞ。ちなみに「ﾛｺ」とは「馬鹿」の意味でもある。直訳すると「ﾊﾞｶ貝」になるけど、当方たちが知っているあのﾊﾞｶ貝とは勿論別物。ｱﾜﾋﾞは大根で柔らかくなるまで蒸し、ｼｬﾝﾋﾟﾆｮﾝとﾋﾖｺ豆と一緒にｸﾘｰﾑで煮る。松の実を混ぜて香草ﾊﾟﾝ粉を振り、ｵｰﾌﾞﾝ。ﾊﾟﾌﾟﾘｶを振りかけたﾊﾟｲを添える。　　　　-----◇-----●ﾋﾞｽｸ甲殻類のｽｰﾌﾟ。海老の味噌の甘味と香りを前面に出し、ｵﾆｵﾝ、ｾﾛﾘ、人参、ﾀﾗｺﾞﾝ等で臭みを消して小麦粉とﾊﾞﾀｰで繋げたｽｰﾌﾟ。今日び、ﾋﾞｽｸなんか古すぎて流行らないんだけど、どうしても作りたくなったから作ったという完全自己満ｽｰﾌﾟでもある。青いのはﾀﾗｺﾞﾝとﾊﾟｾﾘのﾋﾟｭｰﾚ、真ん中のは海老のﾘﾎﾞﾝ。　　　　-----◇-----●平目のﾎﾟﾜﾚと天婦羅　ﾄﾏﾄ入りﾌﾞｰﾙﾌﾞﾗﾝｿｰｽ　ﾄﾘｭﾌ添えｷﾞﾗｷﾞﾗの原色、派手目な盛り付けで疲れた目を少しだけ癒すために自然っぽい色で盛り付けた。いやｽｲﾏｾﾝ、野菜を最初のほうでかなり使ったので、色野菜がｺｺまで回らなかったってのが正直な話です。夏から秋にかけて、現在色野菜が出回ってない。。こういうとき、日本だったらなぁ･･って思う。ｱﾙｾﾞﾝﾁﾝのﾊﾞﾀｰは、やけに黄色いのでﾌﾞｰﾙﾌﾞﾗﾝ（ﾊﾞﾀｰの白いｿｰｽ）が白くならない･･･白ﾜｲﾝ4本と白ﾜｲﾝﾋﾞﾈｶﾞｰ1本、白粒胡椒、ﾊｰﾌﾞを焦がさないように50ccまで煮詰め（ﾚﾃﾞｨｰﾕ）、これをﾊﾞﾀｰで繋ぐｵｰｿﾄﾞｯｸｽなﾊﾞﾀｰｿｰｽ。ちなみにこの煮詰めたものをそのまま舐めると舌が焼ける。付け合せはﾓｯﾂｧﾚﾗ入りﾏｯｼｭﾎﾟﾃﾄ、ｶﾘﾌﾗﾜｰ、ﾌﾞﾛｯｺﾘｰ、ﾍﾟﾃｨｵﾆｵﾝ、ﾀｲﾑ、ﾄﾘｭﾌ。　　　　-----◇-----●ﾃﾞｻﾞｰﾄ　例のごとく写真撮り忘れ。。*******************まだ21時過ぎだけど、なんだかﾊﾞｯﾃﾘｰ切れ。今日はもう寝よう、、、でも、その前にﾎﾟﾙﾉ･･･ﾎﾟﾙﾉ。。←こっちの方は元気★

  2006.04.12

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  ●メイン食材をなるべく見せないようにしたディナー

  ちきん☆ﾊｰﾄMです、皆さんｺﾝﾊﾞﾝﾆｬ。どっかの局のｱﾅｳﾝｻｰが真面目な顔して「夜8時のﾆｭｰｽです。皆さんｺﾝﾊﾞﾝﾆｬ☆」と言ったときにはかなり爆笑しましたが、そういうのは真面目な人がやればやるほど味が出る。当方がやっても別に面白くも何ともないね。さて、今回のﾃﾞｨﾅｰ。ﾃｰﾏは「神隠し」。当方は料理を作る時に必ず自分なりにﾃｰﾏをもってやるようにしています。神隠しとは言っても、ﾒﾆｭｰに主要な材料名が書いてあるので完全には隠せはしないんですが、目の前に料理が運ばれてきて、ﾅｲﾌとﾌｫｰｸを使って料理を解体していく段階で「へぇ、やるじゃねーの」「なるほどね～」と思われたい。完全な自己満足の世界ですが、何をやるのにも自己満足って大事なように思う。まず一番最初に自分が納得してなきゃいけないからね。今回のお客さんは全員日本人。ここからちょっと愚痴ﾓｰﾄﾞ。ﾒﾆｭｰを通された時に「全員舌の肥えている方たちばかりですので････云々かんぬん」と言われた。ﾅﾒるなよ。これはつまり当方に向かって「手を抜くな」と言っているのと同じ。いつもよりも美味しくしてください、若しくは、いつもよりも良いものを出してください、と聞こえる。当方は来るお客さんに対し、出す料理に"差"をつけたことも無いし、増して舌の肥えた連中でも肥えてない連中でも味付け、その他は全く同じだし、それを言われたところで何も変わらない。いや、むしろ悪くなるかな。ははは　　←差全く、これだからｼｬﾊﾞを知らない人間は困る。さて、あんまりｸﾞﾁｸﾞﾁ言っても始まらないので早速本日のﾃﾞｨﾅｰの紹介。*****************●ﾗﾝｸﾞｽﾃｨｰﾇ（ｽｶﾝﾋﾟ）と野菜のﾏﾘﾈとｶﾂｵのﾃｨｴﾄﾞ　ﾊｰﾌﾞとﾋﾞﾈｸﾞﾚｯﾄｿｰｽﾗﾝｸﾞｽﾃｨｰﾇは軽くﾎﾞｲﾙした後、ﾏﾙｻﾗ酒とｵﾘｰﾌﾞｵｲﾙと白ﾜｲﾝﾋﾞﾈｶﾞｰで3時間ほどﾏﾘﾈ、その後角にｶｯﾄ。ｵﾆｵﾝ、ﾋﾟｰﾏﾝ赤･黄･緑、ｳｲｷｮｳを角にｶｯﾄ後ﾎﾞｲﾙして、ﾗﾝｸﾞｽﾃｨｰﾇと和える。ｾﾙｸﾙ（丸型）に詰めｺﾝｿﾒｾﾞﾘｰをかけて冷蔵庫へ。ｶﾂｵはｵﾘｰﾌﾞｵｲﾙとﾆﾝﾆｸで周りだけをｻｯと強めのｿﾃｰする。後、生ﾆﾝﾆｸのｽﾗｲｽとｵﾘｰﾌﾞｵｲﾙ、少量の鷹の爪と共に5分だけﾏﾘﾈし、荒熱を取りながら余熱で加熱されたところと生のところの境目をある程度なくす。見づらいけど右下に隠れてる。ﾒﾆｭに書いてあるﾃｨｴﾄﾞってのは、ﾌﾗﾝｽ語で「生暖かい」という意味。もちろんこのｶﾂｵは生暖かい。　　　　-----◇-----●白菜に包んだﾍﾟﾍﾚｲとｽﾞﾜｲ蟹　甲殻風味のﾉｲﾘｰｿｰｽﾍﾟﾍﾚｲとは日本名で「姫ｻﾖﾘ」と呼ばれている高級魚。日本ではあまりﾒｼﾞｬｰではないけど、この魚は本当に美味しい。白身で癖が無く、ｼｯﾄﾘしていて若干の甘味がある。そんなﾍﾟﾍﾚｲの上品な香りを邪魔しないように調理するのが結構ﾑｽﾞｲ。当方はｺｰｽでこの魚を結構使用してますが、今回はｽﾞﾜｲ蟹の甘味とﾍﾟﾍﾚｲの旨みを白菜で封じ込めました。ｱﾝﾀﾞｰにﾎｳﾚﾝ草とﾄｯﾌﾟに人参のﾌﾘｯﾄ、ｿｰｽはｴｼｬﾛｯﾄをこれでもか！と使用したﾉｲﾘｰ酒のｿｰｽ。作り方はｺﾚのﾉｲﾘｰ酒ﾊﾞｰｼﾞｮﾝ。ただﾘﾝｸ先で魚のﾀﾞｼを使用しているのに対し、このｿｰｽはｽﾞﾜｲをﾎﾞｲﾙしたときの煮汁を煮詰めて使用。　　　　-----◇-----●ﾘﾌﾞﾛｰｽの網焼き　ﾊﾟｰﾄﾌｧﾙｼ　温野菜とﾎﾟﾙﾄ酒のｿｰｽｱｯﾌﾟで撮ったら肉が超巨大に見えるけど、その奥に写っている肉を見るとそんなに大きくは無い。ﾘﾌﾞﾛｰｽとは牛の肩らへんの背肉のことで、一般にはあまり人気がない。ｻｰﾛｲﾝよりも味が濃厚で、ﾌｨﾚよりも若干肉質が硬い。値段は日本だとｻｰﾛｲﾝよりも若干安いくらいかな。この肉のｽｼﾞと脂身を取り除き、網焼き後ﾊﾟｰﾄ生地で包む。肉はかなり低温にしておかないと周りの生地に火が入る時点で肉にも火が入るので、ﾁﾙﾄﾞから出した直前に焼くようにする。付け合せ野菜はｶﾎﾞﾁｬ、大根のｺﾝｿﾒ煮、人参、ﾌﾞﾛｯｺﾘｰ、ﾁｺﾘのﾌﾞﾚｾﾞ。ｿｰｽは生地の食感を殺さないために別添え。　　　　-----◇-----●ｲﾁｺﾞのﾐﾙﾌｨﾕとﾄﾞﾙｾ･ﾄﾞ･ﾚﾁｪのｼﾞｪﾗｰﾄ　季節のﾌﾙｰﾂを添えて一般に人気の高いﾐﾙﾌｨﾕ。ﾊﾟｲ+ｲﾁｺﾞｼﾞｬﾑ＋ｱｰﾓﾝﾄﾞﾊﾞﾀｰとｶｽﾀｰﾄﾞｸﾘｰﾑを混ぜたもの+ｲﾁｺﾞのｽﾗｲｽ+生ｸﾘｰﾑ＋ｲﾁｺﾞｼﾞｬﾑ＋ﾊﾟｲ　の構成。本当はﾊﾟｲを3枚は使いたかったんだけど、ﾐﾙﾌｨﾕはﾅｲﾌとﾌｫｰｸでは非常に食べにくいので、幅の狭い小さめのﾊﾟｲ2枚の構成に。ﾌﾙｰﾂはﾌﾟﾗﾑ、ﾒﾛﾝ、ｵﾚﾝｼﾞ、ｸﾞﾚｰﾌﾟﾌﾙｰﾂ、ｷｳｲ。ｼﾞｪﾗｰﾄはﾄﾞﾙｾ･ﾄﾞ･ﾚﾁｪと呼ばれる、ｷｬﾗﾒﾙをﾎﾟﾏｰﾄﾞ状にしたようなｼﾞｬﾑのことで、これを通常ﾊﾞﾆﾗｱｲｽの作り方でｱｲｽｸﾘｰﾏｰ。今回は少量のﾁｮｺﾚｰﾄﾁｯﾌﾟを混ぜ込みました。***************このｺｰｽで、本当はｽｰﾌﾟとｸﾞﾗﾆﾃがあったんだけどまた写真撮り忘れた。このﾃﾞｨﾅｰが終わって直ぐに友人から電話がきて「飲みに行きますか！」と言われ、朝方4時まで飲み続け、ﾍﾞﾛﾝﾍﾞﾛﾝに酔っ払った。最後のほうは店で爆睡をかまし、家に着いたのが朝の6時くらいだったかな。で、その30分後仕事。まだ昨日のｱﾙｺｰﾙが抜けてないけど、今日はいつもよりいい仕事が出来た☆ﾃﾍｯ

  2006.04.06

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  肉を使っちゃダメなディナー

  ｱﾙｾﾞﾝﾁﾝの葡萄酒紹介の続きでしたが、先日開催されたﾃﾞｨﾅｰの写真を先にｱｯﾌﾟします。っていうか、ｱﾙｾﾞﾝﾁﾝの白ﾜｲﾝ紹介記事を書いていたら2回も狙ったようにPCがﾌﾘｰｽﾞしやがって、その2回ともﾌﾟﾙﾌﾟﾙ震える指で電源ﾎﾞﾀﾝを押して涙を飲みながら強制終了、、という、面白い事が1日に2回も起きましてですね。長文戦士でなくともBlog系のﾃｷｽﾄを書いていたら誰もが一度は経験した事があるかもしれない「あ～うぜぇ･･ﾏｼﾞかよ」と、これ以上の言葉が見つからないような脱帽感と倦怠感をつい数日前にﾀﾞﾌﾞﾙｺﾝﾎﾞで襲われたMです、こんばんは。というわけで、同じ事を何度も何度も書くのってのは本当に馬鹿らしいですね。ﾃﾞｼﾞｶﾒに続いてPCまで調子が悪くなってきたという事は、次は･･･俺か??でもｱﾚか、基本的な脳みその容量は3ﾊﾞｲﾄくらいしか無いから常時ﾌﾘｰｽﾞしている状態である事には変わりないんだけど。ちなみに今も当方の脳みそは「深刻なｴﾗｰ」が発生していますが、そんなことは気にせずに進めていきます。で、何だっけ、えっと･･･そうそうﾃﾞｨﾅｰの話ね。今回はまた写真を何枚か撮り忘れたんだけど、殆ど変わりの無い同様の食事をﾙﾊﾟﾝ氏も食べています。だから味の件はｺﾒﾝﾄでﾙﾊﾟﾝ氏にしてもらうことにして、いつもの「寸止めPUB」のような盛り付けを見て、皆さんには味を想像して頂きたいと思います。あ、そうそう、今回のﾃﾞｨﾅｰは何か色んな制限付きだったんですよ。まず、鳥、豚、羊、牛肉が×で魚も白身の魚のみ。でもﾐﾙｸやｸﾘｰﾑ、ﾊﾞﾀｰはOKという、宗教絡みの食事。宗教が絡んだもの、例えばｲｽﾗﾑ系は豚肉を禁じられてるとか、こういう食事を出す時のﾎﾟｲﾝﾄは「危ない橋は渡らない事」。つまり「ｳｻｷﾞなら使ってもいいかな～」とか「ｲﾉｼｼなら平気なんじゃﾈｰの？」などというｽﾚｽﾚの落ちそうな橋は最初から渡らないようにする。肉が食べられないならば、お客さんの方からよっぽどの指定がない限り「食肉」という自分で持っている料理ｽｷﾙを消去してﾒﾆｭｰを組み立てる事が先決だと思っています。だから今回は肉無しの野菜と粉系、魚で組み立てたﾒﾆｭーです。当方がｺｰｽを作る時は季節の野菜をふんだんに使用する事をなるべく心がけています。だから使った野菜の種類もこの4品で50種類くらいにはなったかな。でもぶっちゃけ、何入れたかなんて細かい事まで覚えてないけどね☆━━━━━━━━━━━━━━●ｱﾝﾁｮﾋﾞとｴﾒﾝﾀｰﾙﾁｰｽﾞのｽﾊﾟｹﾞｯﾃｨｰﾆ　ﾙｯｺﾗとﾊﾞｼﾞﾙ、ｵﾘｰﾌﾞを添えてｵｰﾄﾞﾌﾞﾙにﾊﾟｽﾀを持ってくるという、奇抜なｽﾀｰﾀｰを試してみました。もちろん温製でなはく冷製のｻﾗﾀﾞ系。ﾙｯｺﾗとﾊﾞｼﾞﾙって何気に一緒に食べると美味しいんですよ、一緒に口に入れた瞬間にﾊﾞｼﾞﾙの野性的な味が真っ先に来て、それが過ぎるとずーっとﾙｯｺﾗの味になる。当方の味覚には、ﾙｯｺﾗのほうが味の主張が強いように感じられます。塩はﾑｰﾝｿﾙﾄを使用、後味にまろやかな甘味があります。そこに複雑に絡み合うｱﾝﾁｮﾋﾞの強いｱﾐﾉ酸の旨味とｴﾒﾝﾀｰﾙの丸い芳香な香り、そして味を引き締める為に入れたﾆﾝﾆｸﾁｯﾌﾟ。複雑でいて、1つに纏まった一品です。●ｴｽｶﾙｺﾞと海の幸の煮込み　ﾛｼｱ風これもｵｰﾄﾞﾌﾞﾙ。お客さんに「あれ？ｽｰﾌﾟか？」と思わせておいて、実は少し濃度の強い煮込みだったりする。上に被せたのはﾋﾟﾛｼｷをｲﾒｰｼﾞしたﾊﾞﾀｰﾊﾟﾝで、旨味を封じ込めて上からﾊﾟﾘﾊﾟﾘと割りながら食べる。中にはｱﾜﾋﾞ、ﾎﾀﾃ、海老、ﾑｰﾙ、ｴｽｶﾙｺﾞが入っていて、ｴｽｶﾙｺﾞだけが海のものではないけども、これが適度な苦味があってｸﾘｰﾑで纏めた全体的にｺｯﾃﾘした味を程よく逃がしてくれる。焼き上がりにﾊﾟﾝの表面に刷毛でﾊﾞﾀｰを塗って提供。●季節野菜の3種類の冷製ｽｰﾌﾟ（ｱﾎﾞｶﾞﾄﾞ･ｶﾞｽﾊﾟｯﾁｮ･ﾎﾟﾃｨﾛﾝ（ｶﾎﾞﾁｬ））全員ｱﾙｾﾞﾝﾁﾝ人ではなかったので、日本風を入れようと思って盛り付けだけやってみた。もう少し背が低いｶｯﾌﾟのほうが良かったんだけど、数が足りなかったのでその辺は妥協。全て一口で飲めるほどの量にして、前に食べたｸﾘｰﾑ系の煮込みと味が同系統にならないように気をつける。中にｶﾞｽﾊﾟｯﾁｮを入れたのは、口の中で酸味を補うため。●姫ｻﾖﾘの白ﾜｲﾝ蒸し　ｶﾅﾀﾞ米と野菜のﾌﾘｯﾄ　2色のｿｰｽ姫ｻﾖﾘとは、ｱﾙｾﾞﾝﾁﾝ名で「PEJELEY（ﾍﾟﾍﾚｲ）」という魚のことで、日本では結構な高級魚とされている。白身で癖が無く、味はｷｽに近いけどもう少しﾊﾟﾜｰがある。筒状に巻いて白ﾜｲﾝで蒸した後、真ん中にｶﾅﾀﾞ米を詰める。ｶﾅﾀﾞ米は一晩水で戻したものをｱﾙｶﾘ水で炊き上げたものに、ｵﾆｵﾝ、ﾆﾝﾆｸ、ﾄﾏﾄで味付け。ｿｰｽは白ﾜｲﾝのｿｰｽと、甲殻のｿｰｽ。野菜はﾅｽの皮のﾌﾗｲと人参のﾌﾗｲ。●ﾌﾞﾛｯｺﾘｰとｶﾘﾌﾗﾜｰの胡桃ｻﾗﾀﾞ写真撮り忘れ。茹でたﾌﾞﾛｯｺﾘｰとｶﾘﾌﾗﾜｰを良く水を切ってから塩ｺｼｮｳ、後ｵﾘｰﾌﾞｵｲﾙとｸﾙﾐｵｲﾙ、ﾋﾟｰﾅｯﾂｵｲﾙ、砕いた胡桃、ｼｪﾘｰ酒ﾋﾞﾈｶﾞｰで味付ける。時期的に甘くて美味しいﾌﾞﾛｯｺﾘｰの味を邪魔しないように、味付けはかなり薄味。●生ﾁｮｺﾚｰﾄの小菓子とﾌﾗﾝﾎﾞﾜｰｽﾞのｱｲｽｸﾘｰﾑ写真撮り忘れ。これは本当に撮っておきたかった。もうね、ｺｰｽの最後の方になると「あ～ｺﾚ出したら18時間労働が報われる･･･」なんて思って、一生懸命やりすぎて忘れちゃうんだよな、、ﾁｮｺﾚｰﾄはﾍﾞﾙｷﾞｰ産の最高級ｸｰﾍﾞﾙﾁｭｰﾙを使用し････写真が無いからあんまり覚えてない。ﾙﾊﾟﾝ氏はｳﾏｲｳﾏｲって言って食べてたな。━━━━━━━━━━━━━━最初の方にもﾁｮﾛｯと書いたけど、当方は味付けに何を入れたか覚えてないって事が殆ど。料理ｯつーもんはその時の閃きとﾆｭｱﾝｽで作っている為、直ぐに忘れてしまうのが当方のｺｰｽ料理。ﾃﾞｻﾞｰﾄの砂糖とかｾﾞﾗﾁﾝの分量とか量らないしね。これを適当と呼ぶか、それとも･･･この辺りは中々理解されにくいというか、意見が2つに分かれるところなんだけど、個人的にはそれに対しての結果が自分では出ていると思っているので、それはそれで良いんじゃないかな、と。もちろん原価などの計算は細かくやっているけど、同じものを作れと言われたら全然問題なし。問題なしというか、更にｱｯﾌﾟｸﾞﾚｰﾄﾞしたものを作れるようになる。基本は嫌というほどやってきたので、初めて作るものなんかこの年になったら殆どないけど、応用で無限に広がりますね、香りと味付けなんかは。料理は愛情！なんて叫んでた人が昔居ましたが、そんな事を言っているようではﾏﾀﾞﾏﾀﾞ甘い。「空腹が世界中で最上の調味料」とも言われる様に、料理に人間の持っている感情系の精神論は必要ない。世界各地に上等なｽﾊﾟｲｽや食通を唸らせるほどの食材はあれども、「あ～腹減った～」これが「衣食住」の中の「食」の万国共通基本形。でも、満たす事ができても、減らす事が出来ないのが料理人のﾈｯｸっちゃーﾈｯｸなのかな。

  2006.02.10

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  久々のﾃﾞｨﾅｰ写真

  今日、久々に料理の写真でも載せようかな、、なんて思って安いﾃﾞｨﾅｰだったけど写真を撮ってみた。ﾀﾞﾌﾞﾙｵｰﾄﾞﾌﾞﾙ→ｽｰﾌﾟ→肉･ｻﾗﾀﾞ→ﾃﾞｻﾞｰﾄの流れで、ﾌﾙに比較的近いﾊｰﾌｺｰｽ。*********●小海老とｶﾆ身の完熟ﾄﾏﾄ詰め　ｺﾗｲﾕ入り冷製ｱﾒﾘｶﾝｿｰｽｶﾆのほぐし身と海老の端っこを細かく刻んだものと、ｶﾆ味噌、ﾏﾖﾈｰｽﾞ、ｶｴﾝﾍﾟｯﾊﾟｰ、ﾃﾞｨﾙ、ｴｼｬﾛｯﾄの微塵切りを和えて、くり抜いて湯剥き後ｵﾘｰﾌﾞｵｲﾙで軽くﾏﾘﾈしたﾄﾏﾄに詰める。ｲﾒｰｼﾞは篭。もっと立体的に高さを出して、花火のように糸きり唐辛子を枝垂れさせたんだけど、写真には写らなかった。●自家製ﾘｺｯﾀﾁｰｽﾞとｴﾒﾝﾀｰﾙﾁｰｽﾞのﾗｳﾞｨｵﾘ　ﾎﾟﾙﾁｰﾆ茸の香りでﾗｳﾞｨｵﾘ用の生地はﾊﾟﾌﾟﾘｶで赤くした。それをﾘｺｯﾀﾁｰｽﾞとｴﾒﾝﾀｰﾙﾁｰｽﾞ、ﾍﾞｰｺﾝ、ｳｲｷｮｳの微塵切りで包み、茹でる。ｿｰｽはｸﾘｰﾑ台で、結構重くした。ｴｼｬﾛｯﾄ、ﾆﾝﾆｸをﾊﾞﾀｰで炒めてｼｬﾝﾋﾟﾆｮﾝとﾎﾟﾙﾁｰﾆを加えてﾌｫﾝﾄﾞｳﾞｫｰを入れて煮詰め、ｸﾘｰﾑを足す。上に乗っているのはｲﾓのｵﾘｰﾌﾞｵｲﾙﾌﾗｲとｳｲｷｮｳ。●ｳﾞｨｼｿﾜｰｽﾞとｸｰﾘ･ﾄﾞ･ﾄﾏﾄｳﾞｨｼｿﾜｰｽﾞ（ﾎﾟﾛ葱とｼﾞｬｶﾞｲﾓの冷製ｽｰﾌﾟ）はｸﾞﾗｽを傾けたら流れてしまうくらいにｷﾞﾘｷﾞﾘのｾﾞﾗﾁﾝでつなげてある。その上にﾄﾏﾄｿｰｽを若干煮詰めて、裏ごしを4回したものを薄く張る。紅白で綺麗だけど、ﾄﾏﾄの味を濃くするとｳﾞｨｿﾜの香りを消してしまうので、量には気をつける。ｵﾘｰﾌﾞｵｲﾙを少量垂らし、後ﾚﾓﾝﾄﾏﾄとﾊﾞｼﾞﾙを飾る。●ｸｽｸｽとﾙｯｺﾗのｻﾗﾀﾞｸｽｸｽはｱﾙｶﾘ水とｵﾘｰﾌﾞｵｲﾙで柔らかくなるまで炊く。後冷やして、3色のﾋﾟｰﾏﾝと合わせてｾﾙｸﾙで抜く。上にﾙｯｺﾗ、ﾄﾚｳﾞｨｽ、ｴﾝﾀﾞｲﾌﾞ、ﾗﾃﾞｨﾁｪｯﾀのちぎった物を軽く塩ｺｼｮｳとｵﾘｰﾌﾞｵｲﾙ、ｼｪﾘｰ酒ﾋﾞﾈｶﾞｰで和えて乗せる。ﾊﾟﾗﾊﾟﾗとｵﾆｵﾝのﾌﾗｲを散らす。●牛ﾌｨﾚの塩釜焼きとﾛｾﾞに仕上げた網焼き　ﾊｰﾌﾞ塩そ添えて全く違なった種類の調理をした肉を一皿に纏めてみました。岩塩焼きは、ぶっちゃけ蒸し料理。火加減が難しく、低温でｼﾞｯｸﾘ焼く。網焼きは普通のｸﾞﾘﾙ。美味い肉はやっぱこの食べ方が一番合っているように思う。ｿｰｽは肉の味を邪魔しないように、肉汁を軽く煮詰めたものと、醤油を足して少しだけかけた。ﾊｰﾌﾞ塩は、ﾗｲﾑ、ﾚﾓﾝ、ｵﾚﾝｼﾞ等の柑橘類と、ﾑｰﾝｿﾙﾄ、海草入りの塩など20種類ほどの材料を混ぜて作った。お好みでかけて食べてもらう。付け合せ野菜は、ｶﾎﾞﾁｬ、ｱｽﾊﾟﾗ、ﾌﾞﾛｯｺﾘｰ、人参、ﾎﾟﾛ葱の芯、蕪。手前側が網焼きのほうで、ﾆﾝﾆｸﾁｯﾌﾟと長ﾈｷﾞの薄切りを飾った。ちょっとﾎｯﾄなﾀﾀｷっぽいかも。●3種類のﾗﾑ酒を使って焼いたﾍﾞｰｸﾄﾞﾁｰｽﾞｹｰｷとｵﾚﾝｼﾞ風味のﾊﾟｰﾄ大人の味にした。ｵﾚﾝｼﾞ皮と、ﾗﾑ酒に1週間浸けた白ﾚｰｽﾞﾝがｹｰｷの下のほうに忍ばせてある。ﾊﾟｰﾄは単に小麦粉とｵﾚﾝｼﾞｼﾞｭｰｽを混ぜて、ｵﾚﾝｼﾞﾋﾟｰﾙを加えて焼いたもの。立体的で良いけど、ｺﾚも全体像が良く写ってませんね。手前右側は、同じくﾗﾑと黒ﾚｰｽﾞﾝのｱｲｽｸﾘｰﾑで、少しだけ柑橘の風味もつけてある。ﾌﾙｰﾂはｱﾒﾘｶﾝﾁｪﾘｰ、ﾒﾛﾝ、ﾊﾟｲﾝ、ﾌﾟﾗﾑ、苺。ちょっと気がついたんだけど、ｶﾒﾗに多言語が内蔵されているものがあるじゃないですか。当方のｶﾒﾗもｽﾍﾟｲﾝ語が最初から入っているんですが、こっちで買っても日本語がﾃﾞﾌｫﾙﾄで内蔵されているんでしょうか･･･ｶﾒﾗ買わなきゃな･･･明らかに写る色にﾊﾞﾗつきがありますよね。。あんまり美味しそうじゃないし。

  2006.01.28

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  コース全部にトマトを使って遊んでみた。

  番組の途中ですが取り急ぎﾃﾞｨﾅｰの写真をｱｯﾌﾟ。今回はお客さんに「ｺｰｽ全部にﾄﾏﾄを使用」という罠を張りました。それに気づかれれば罠は失敗、気づかれなければｼﾃﾔｯﾀﾘ･･ｸﾞﾍﾍ･･結果から言うと、最後の料理説明の時に当方がその旨をつげると驚いていた人が沢山いましたね。なので満足です。作り手は遊びながら、食べる人も遊びながら、そして一緒に心地よい駆け引きを楽しむ。これ最高。今回、かみゆいさんに「ﾍﾙｼｰﾀﾞｲｴｯﾄﾌﾚﾝﾁ」のﾒﾆｭｰを考える事を約束していたので一緒に作っちゃいました。お客さんは女性も多かったので大変喜んで帰っていかれましたよ。何処をﾍﾙｼｰにしたかというと、動物性油脂（ﾍﾞｰｺﾝ、ﾊﾟﾙﾐｼﾞｬｰﾉﾚｼﾞｬｰﾉ、ﾏｽｶﾙﾎﾟｰﾈ、その他少量）を極限まで抑え油脂分はｻﾗﾀﾞ油とｵﾘｰﾌﾞｵｲﾙ、ﾌﾞﾄﾞｳｵｲﾙ、ｸﾙﾐｵｲﾙ、ﾋﾟｰﾅｯﾂｵｲﾙを使いました。小麦粉もﾃﾞｻﾞｰﾄに少量、ｸﾘｰﾑもﾃﾞｻﾞｰﾄに少量、ﾊﾞﾀｰは一切使用してません。全体的に野菜とﾊｰﾌﾞを多用して食べ応えを持たせつつ、ﾋﾞﾈｶﾞｰを数種類使ってｲﾝﾊﾟｸﾄにも意識しました。ちなみに使ったﾋﾞﾈｶﾞｰは赤ﾜｲﾝﾋﾞﾈｶﾞｰ、白ﾜｲﾝﾋﾞﾈｶﾞｰ、ﾓﾙﾄﾋﾞﾈｶﾞｰ、ﾌﾞﾙｰﾍﾞﾘｰﾋﾞﾈｶﾞｰ、ﾌﾗﾝﾎﾞﾜｰｽﾞﾋﾞﾈｶﾞｰの5種類。今回写真の撮り方も変えてみました。前よりは少しはいい感じかな。時間が無いので早々料理説明とﾒﾆｭｰ説明をば。**********【ｱﾙｾﾞﾝﾁﾝ桜海老のﾀﾙﾀﾙ 完熟ﾄﾏﾄ詰め ﾄﾏﾄのｺﾝｿﾒとﾊﾞｼﾞﾙのｿｰｽ】ﾄｯﾌﾟにも貼ってありますけど、これは別角度から撮ったもの。海老をﾎﾞｲﾙし、細かく刻んで卵無しﾏﾖﾈｰｽﾞと塩ｺｼｮｳ、ﾃﾞｨﾙ、ｵﾆｵﾝの微塵、ﾌﾞﾙﾍﾞｰﾘ-ﾋﾞﾈｶﾞｰで和えてﾄﾏﾄに詰める。ﾄﾏﾄの中はﾍﾟｰﾊﾟｰﾀｵﾙで一晩水分を出してそれを漉して弱めのｾﾞﾗﾁﾝで固めてﾄﾏﾄ本体上に覆い被せる。ﾗﾃﾞｨｯｼｭの千切りとｷｬﾋﾞｱを飾り、ﾊﾞｼﾞﾙｿｰｽ（ﾌﾞﾄﾞｳｵｲﾙとｵﾘｰﾌﾞｵｲﾙ、ﾊﾞｼﾞﾙ、ｸﾙﾐ、ｱﾝﾁｮﾋﾞ、ﾆﾝﾆｸをﾐｷｻｰ）を垂らす。ﾄﾏﾄの下に胡瓜の半月薄切り、周りの3色はﾊﾟﾌﾟﾘｶ。激ｳﾏ。***********【ｶﾞｽﾊﾟﾁｮ】湯剥きしたﾄﾏﾄ2個、ｾﾛﾘ1本、胡瓜2本、赤ﾊﾟﾌﾟﾘｶ1/2個分（皮を焼いて剥く）、ﾆﾝﾆｸ1片、松の実20粒を適度にｶｯﾄして塩ｺｼｮｳし白ﾜｲﾝﾋﾞﾈｶﾞｰを40cc入れ全体に馴染ませて一晩ﾏﾘﾈする。後、ｺﾝｿﾒ100ccとｵﾘｰﾌﾞｵｲﾙ50cc、ﾌﾗﾝﾎﾞﾜｰｽﾞﾋﾞﾈｶﾞｰ少量を加えﾐｷｻｰにかける。漉さない。飾りに松の実、ｼﾌﾞﾚｯﾄ、ｵﾘｰﾌﾞｵｲﾙ。激ｳﾏ。***********【ｱﾏﾀﾞｲのﾍﾞｰｺﾝ巻きｸﾞﾘﾙ ﾊﾟﾙﾐｼﾞｬｰﾉﾚｼﾞｬｰﾉのﾘｿﾞｯﾄ添え 牡蠣とｱﾝﾁｮﾋﾞのｿｰｽ】ｱﾏﾀﾞｲは1人前40g。薄いﾍﾞｰｺﾝで巻いて軽く網焼きにしてｵｰﾌﾞﾝで火を入れる。ﾊﾟﾙﾐｼﾞｬｰﾉﾁｰｽﾞ、ｵﾘｰﾌﾞｵｲﾙ、ﾆﾝﾆｸ、水でﾘｿﾞｯﾄを作り、ｱﾝﾀﾞｰに敷く。上にｾﾐﾄﾞﾗｲﾄﾏﾄを乗せ、ｱｽﾊﾟﾗ、糸きり唐辛子、ｲﾀﾘｱﾝﾊﾟｾﾘを飾る。ｿｰｽ･･牡蠣を白ﾜｲﾝで火を強めにいれ、ﾋﾞﾗﾋﾞﾗを取り除き裏ごし。茹でた汁を1/10まで煮詰めてﾎｲｯﾊﾟｰで攪拌しながらｵﾘｰﾌﾞｵｲﾙ、ﾋﾟｰﾅｯﾂｵｲﾙを加えていく。ｺｸが出たら牡蠣の裏ごしたもの、ｱﾝﾁｮﾋﾞの微塵切りにしたものを加えてﾓﾙﾄﾋﾞﾈｶﾞｰを少量垂らし完成。激ｳﾏ。ｱﾏﾀﾞｲは淡白なので少量の油脂をﾍﾞｰｺﾝで補っています。**********【ﾗﾑ香草ﾊﾟﾝ粉焼き ｼﾞｭのｿｰｽ 温野菜添え】本当は骨付きで買ってきたんですが、どうも気に食わなかったので骨は取り除いてﾛｰﾙにして調理しました。筋と皮を綺麗に取り除き、ﾛｰﾙの中心にﾀｲﾑの葉を散りばめてﾀｺ糸で縛り焼く。糸を外して卵黄1:ｳｽﾀｰｿｰｽ1:ﾌﾚﾝﾁﾏｽﾀｰﾄﾞ1を混ぜたものを回りに塗って、ﾊﾟﾝ粉、ﾊﾟｾﾘ、ﾆﾝﾆｸをﾌｰﾄﾞﾌﾟﾛｾｯｻｰにかけたものを周りにつける。ｵｰﾌﾞﾝ160度でじんわり火を入れてﾊﾟﾝ粉が狐色になったら完成。時間を置いてｶｯﾄする。ｿｰｽ･･･骨と筋をこんがり焼いてﾎﾟﾙﾄ酒、赤ﾜｲﾝ、赤ﾜｲﾝﾋﾞﾈｶﾞｰ、ﾆﾝﾆｸ、ｵﾆｵﾝ、人参、ｾﾛﾘ、ﾀｲﾑと共に2時間煮出し、漉す。ｼｬﾝﾋﾟﾆｮﾝを軽く炒めてその出汁を入れ、更に1/5まで煮詰めてｵﾘｰﾌﾞｵｲﾙでつなげて塩ｺｼｮｳ。激ｳﾏ。付け合せにﾏｯｼｭﾎﾟﾃﾄ、ｶﾎﾞﾁｬのｸﾞﾘﾙ、ｻﾂﾏｲﾓのｻﾌﾗﾝ煮、ﾁｪﾘｰﾄﾏﾄ、ﾌﾞﾛｯｺﾘｰ、ｶﾘﾌﾗﾜｰ、人参、ｶﾌﾞ、飾りはﾀｲﾑの葉。ﾗﾑはﾆﾝﾆｸを多用し臭みを消す事がｾｵﾘｰとなっていますが、現存するﾗﾑは質も向上しておりその必要ももはや無くなって来てます。ただし、USﾗﾑ、ｵｰｽﾄﾗﾑには一部質の悪いものがありますね。ｱﾙｾﾞﾝﾁﾝのﾗﾑは最高に美味しく、食肉の中ではかなり高級な部類です。***********【抹茶のﾑｰｽとこしあん 爽やかなﾁｪﾘｰのﾋﾟｭﾚを添えて】抹茶のﾑｰｽ（ﾃｨﾗﾐｽ風）はﾌﾘｰﾍﾟｰｼﾞの抹茶のﾃｨﾗﾐｽの欄にﾙｾｯﾄあり。あれと同じものです。ﾁｪﾘｰﾋﾟｭｰﾚは缶詰とｱﾒﾘｶﾝﾁｪﾘｰ、砂糖、ﾄﾏﾄ、ﾁｪﾘｰﾘｷｭｰﾙ、赤ﾜｲﾝﾋﾞﾈｶﾞｰ、ﾚﾓﾝ汁、ｼﾅﾓﾝと共に煮詰めて濃度を出したもの。甘さは控えめ。ﾌﾙｰﾂはｲﾁｺﾞ、ｸﾞﾚｰﾌﾟﾌﾙｰﾂ、ｵﾚﾝｼﾞ、ｷｳｲ、ﾏﾝｺﾞｰ、ﾚｯﾄﾞﾒﾛﾝ。飾りにﾐﾝﾄとﾁｮｺ棒。ｿｰｽはｱﾝｸﾞﾚｰｽﾞとｲﾁｺﾞの2色。激ｳﾏ。***********今回ｶﾒﾗを全て縦に構えてみました。ﾊﾞｯｸとかに扉とか色んなものが一緒に写りこんでしまうのは、仕事中に無理やり撮っているのでご理解下さい。そういえばﾙﾊﾟﾝ氏が以前当方の作ったｺｰｽを食べた時に、「M氏、ﾄﾏﾄ好きでしょ」と一発で罠を見破ったのにはﾋﾞｯｸﾘした。そう、ﾄﾏﾄの赤が大好きなんですよ、優しい色で。

  2005.10.09

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  本日のディナー　～近代から古典へ

  【ﾊﾞﾘﾛｰﾁｪ産ｻｰﾓﾝの自家冷燻煙 ﾛﾐﾛﾐ ｱﾝﾃﾞｨｰﾌﾞ風 ｻﾗﾀﾞ仕立て】ﾛﾐﾛﾐとはﾊﾜｲのかつてのﾛﾐﾛﾐ大王の事。軽く燻製にしたｻｰﾓﾝを拍子木切りにｶｯﾄ（ﾊﾞﾄﾈ）し、長ﾈｷﾞ、ｵﾆｵﾝ、ｴｼｬﾛｯﾄの微塵切りとﾄﾏﾄのﾀﾞｲｽ切りを加え、ﾌﾚﾝﾁﾄﾞﾚｯｼﾝｸﾞ、醤油とｸﾙﾐｵｲﾙで和える。ｻﾗﾀﾞにはﾀﾝﾎﾟﾎﾟの葉、ﾙｯｺﾗ、ﾗﾃﾞｨﾁｪｯﾀ、ﾐｽﾞﾅ、ﾄﾚﾋﾞｽ、ｴﾝﾀﾞｲﾌﾞ、ﾁｺﾚﾌﾘｰｾﾞ。飾りに糸切り唐辛子、ﾏﾘﾈした生ﾓｯﾂｧﾚﾗ、松の実、ﾃﾞｨﾙ。ﾄﾞﾚｯｼﾝｸﾞはｴｼｬﾛｯﾄと白ﾜｲﾝﾋﾞﾈｶﾞｰ、ｴｷｽﾄﾗﾊﾞｰｼﾞﾝ、醤油を混ぜたもの。なんかやたらとﾋﾟﾝｸに写っててｷﾓﾁﾜﾙｲ･･･***************【じゅんさいとｺﾝｿﾒｼﾞｭﾚ入り ｳﾞｨｼｿﾜｰｽﾞｽｰﾌﾟ】 余計なものは一切入れずに作成。ﾎﾟﾛ葱をｵﾘｰﾌﾞｵｲﾙで炒め、ｱﾙｶﾘ水を足し、ﾒｰｸｲﾝを入れて火が通ったらﾐｷｻｰ。仕上げにｸﾘｰﾑとﾐﾙｸ。じゅんさいとｺﾝｿﾒｾﾞﾘｰを浮かせてｼﾌﾞﾚｯﾄを飾る。 ***************【姫ｻﾖﾘのｳﾞｧﾌﾟｰﾙ ｶﾆみそ入りｻﾊﾞｲﾖﾝのｸﾞﾗﾁﾈ ｱﾒﾘｶﾝｿｰｽ】姫ｻﾖﾘの半身にｶﾆ身を詰めてﾗｯﾌﾟで包む。13分蒸し、火が通ったらｶﾆみそを入れたｻﾊﾞｲﾖﾝをかけてｵｰﾌﾞﾝへ（卵黄1個、ｸﾘｰﾑ20cc、ｶﾆみそ20gを湯銭で濃度が出るまでﾎｲｯﾌﾟ）。色がついたら完成。ｱﾝﾀﾞｰにﾚﾝｽﾞ豆を敷き、魚を乗せてｸﾞﾘ-ﾝｱｽﾊﾟﾗ、ﾊﾟﾌﾟﾘｶ、ｶﾘﾌﾗﾜｰを飾り、人参千切りとﾅｽの千切りの揚げた物を乗せる。ﾄｯﾌﾟにｲﾀﾘｱﾝﾊﾟｾﾘ。***************【牛ﾌｨﾚのｽﾄﾛｶﾞﾉﾌ 温野菜添え 赤ﾜｲﾝﾋﾞﾈｶﾞｰの香り】牛ﾌｨﾚは1人前にｶｯﾄしﾊﾟﾌﾟﾘｶと強力粉を同割りにしたもので焼き色を付ける。ｿｰｽはｼｬﾝﾋﾟﾆｮﾝをﾊﾞﾀｰで炒め、赤ﾜｲﾝ、赤ﾜｲﾝﾋﾞﾈｶﾞｰを加えて煮詰め、ﾌｫﾝﾄﾞｳﾞｫ-で仕上げる。ｶﾞﾛﾆﾁｭｰﾙはｼﾞﾛ-ﾙ茸のﾋﾟﾗﾌと絹さや、ﾍﾟﾁﾄﾏﾄ、ｶﾌﾞ、ﾌﾞﾛｯｺﾘｰ、人参。 ***************【ﾏｽｶﾙﾎﾟｰﾈ入りﾚｱﾁｰｽﾞｹｰｷと季節のﾌﾙｰﾂ】もう一個のｵｰﾄﾞﾌﾞﾙ、ﾃﾞｻﾞｰﾄ、共に写真撮り忘れ･･･ｼｬｰﾍﾞｯﾄも撮り忘れ、、無念。。***************今回はｵｰﾄﾞﾌﾞﾙに近代ﾌﾚﾝﾁ、そしてｺｰｽが終盤に差し掛かるにつれ古典ﾌﾚﾝﾁに移行していくという遊びを入れてみました。でも、いつになったら全部の写真を撮り忘れずにｱｯﾌﾟできる日が来るのでしょうか。。仕事中はあまりにも集中しているためどうしても忘れてしまう。。今度は手のひらに「写真」と書いて挑みたいと思います。

  2005.10.01

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  魚メインのハーフコース

  ◆生ﾓｯﾂｧﾚﾗとｴﾝﾄﾚﾘｵｽ産ｻｰﾓﾝの軽いﾏﾘﾈ　ﾐﾙﾌｨﾕ仕立て　ﾌﾞﾙｰﾍﾞﾘｰﾋﾞﾈｶﾞｰとﾀｲﾑの香りで◆ﾋﾒｼﾞのﾎﾟﾜﾚとｶﾆ身のﾊﾟｰﾄﾌｨﾛｰ包み揚げ　旬の野菜とｴｽﾄﾗｺﾞﾝ風味のｱﾒﾘｶﾝｿｰｽ何だかﾋﾟﾝﾎﾞｹしててかなりﾑｶつく･･･◆ｻﾊﾞｲﾖﾝｿｰｽで軽くｸﾞﾗﾁﾈしたﾋﾟｽﾀﾁｵﾅｯﾂ入りｵﾚﾝｼﾞﾑｰｽのｸﾚｰﾌﾟ包み　季節のﾌﾙｰﾂとﾗﾑ酒を効かしたﾁｮｺﾚｰﾄｱｲｽ添えｵｰﾄﾞﾌﾞﾙと魚の間にﾊﾟｲ包み焼きのｺﾝｿﾒｽｰﾌﾟを入れたんですが、不覚にも写真撮り忘れました。今日は料理の題名と写真だけ取り急ぎｱｯﾌﾟ。使用した野菜等、写真の横に後日書きます。

  2005.09.17

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  ﾊﾞﾆｰちゃんを喰らう★

  ﾌﾗﾝｽ料理の肉料理を食べるとしたら何の肉思い浮かべます？ほうほう･･そうですね、一般的に考えてまず真っ先に来るのは「牛肉」ですよね。日本は牛肉文化が大変優れているし、今日では様々なﾌﾞﾗﾝﾄﾞが出回り、美味しく柔らかくという研究に余念が無い。何より日本人は牛が大好きです。その次は？羊、鴨、鹿、仔牛、七面鳥、少し崩して豚････パッと頭に浮かぶのはこんなもんでしょうか。しかし、ﾌﾗﾝｽではﾎﾟﾋﾟｭﾗｰでも日本ではあまり人気の無い肉料理もあります。それはﾊﾞﾆｰちゃん。いや･･･もとい「兎（ｳｻちゃん）」。家に帰ってきて「ただいま～」ってﾊｲﾚｸﾞのﾊﾞﾆｰちゃんが出迎えてくれたら、当方はもうそこでﾁﾝｺ出します、、いや、まるでｳｻｷﾞを狩るﾋﾟｭｰﾏのような状態になります。「逃がさんぞ、ﾊﾞﾆｰちゃん」こんな状態ですかね。両手を前に出してﾓﾐﾓﾐしながらまずｵｯﾊﾟｲからﾊﾟｯｸﾝﾁｮと･･･おっとこれから先は当方の完全なﾌﾟﾗｲﾍﾞｰﾄな部分ですので書きませんよ。って馬鹿みたいな事を言ってるからﾀﾞﾒなんすよ。気を取り直して、先日の話ですがｻﾒさんから>>「ﾊﾟﾛﾝﾎﾞｽﾃｰｷ」ってﾓﾉを知ってますか？と質問されまして、昔勉強した時のまま記憶のかなり深層部分にあったものの、暫く思い出せず、かなり考えました。「PALOMBO（ﾊﾟﾛﾝﾎﾞ）」とはｻﾒさん曰く、小型のｻﾒの事を指すらしいです。日々自分にｻﾒの知識が付いていく事を気持ちよく思いますが、それは置いといて今日は同じｱﾝﾓﾆｱ臭を持つ"と誤解されている"ﾊﾞﾆｰちゃんの調理を紹介。この食材はですね、日本でも未だに「ｱﾝﾓﾆｱ臭い」若しくは「獣臭い」と誤解を受けている食材なんですよ。卸す時に「胆のう」さえ潰さなければ全然平気なんですが、他人に聞いた時に受けたｲﾝﾊﾟｸﾄの強烈さ「ｱﾝﾓﾆｱ臭い」という情報から消費者は中々抜け出せず、誤った誤解を未だに受けている可哀相な食材です。ここでｻﾒとｳｻｷﾞをｺﾞｯﾁｬに考えてしまうのもｱﾚですが、立場的にはかなり似ている。あくまでも置かれた位置的な考えです。日本で食材的に見たらｳｻﾁｬﾝもｻﾒもﾎﾟﾋﾟｭﾗｰというよりも、ﾏｲﾅｰ系でしょうね。何かと共通項が多いと思います。つーかｳｻちゃん食べた事ある方のほうが少ないんじゃないですかね。ｻﾒも同じ。んでも食べてみると、これが奥さん、「超美味いんですよ」って当方はｳｻｷﾞ屋ではないので宣伝なんかしませんが、調理法を的確にしてやるとこれがﾎﾝﾄに美味い。もう抱かれたい、いや大好き。ｳｻﾁｬﾝ話は変わりますが、日本でｳｻﾁｬﾝを食肉用に安定して提供している県は秋田が有名です。この秋田産のｳｻｷﾞは美味いですよ。ﾏﾙﾏﾙ太っていて、ﾌﾗﾝｽ産のものよりも肉質が柔らかく味も濃いです。そんな秋田県産のｳｻﾁｬﾝも最近は需要が伸びているみたいですね、ﾌﾚﾝﾁ料理人としては喜ばしい事です。ﾌﾗﾝｽ料理とｳｻﾁｬﾝはある意味で切っても切れない食材の一つですから。そんなｳｻﾁｬﾝが最近になってｱﾙｾﾞﾝﾁﾝにも出回ってきました。んで早速調理してみます。ｳｻちゃんを卸すなんてかなり久々でちょっと興奮しました。丸の状態では皆さんのｳｻﾁｬﾝに対するｲﾒｰｼﾞが損なわれますのでﾊﾞﾗした状態から発進です。ﾆﾝﾆｸ4片と出汁用の骨の部分をﾌﾗｲﾊﾟﾝでｷﾂﾈ色を通り越すくらいに色つけます。普段はｵｰﾌﾞﾝで焼くんですが、作ったのが4人前の少量だったのでﾌﾗｲﾊﾟﾝで対応。背骨、足の肉を除いたもの、ﾓﾓの骨、ｱﾊﾞﾗ骨です。ｵﾘｰﾌﾞｵｲﾙ少量よく色がついたら玉ねぎ2個、人参2本、ｾﾛﾘ1本を小さめにｶｯﾄしたものを加えて更に炒めます。ｵﾆｵﾝに甘みが出たら鍋へ入れ、ﾊﾟｾﾘの茎、ﾀｲﾑ、ﾛｰｽﾞﾏﾘｰ適量、水8ﾘｯﾄﾙと共に沸かします。【A鍋】これがﾓﾓの部分と背肉。背肉のほうは真ん中にﾚﾊﾞｰとﾀｲﾑを詰めてﾀｺ糸で縛ってあります。塩・白ｺｼｮｳﾆﾝﾆｸ4片をﾊｰﾌにｶｯﾄし、ｵﾘｰﾌﾞｵｲﾙに香りを移します。ここではﾆﾝﾆｸの香りをつけるというよりも、あくまでｳｻﾁｬﾝの野生の匂いを誤魔化す役目で使用。　途中でﾊﾞﾀｰを加え、油をかけながら少し強めに色が付くように両面をｺﾝｶﾞﾘ焼きます。火は通さなくていいですが火力は中火で。焼きあがった後に赤ﾜｲﾝﾋﾞﾈｶﾞｰを入れてﾌﾗｲﾊﾟﾝにこびり付いた旨味を綺麗に取り、別の鍋に取っておきます。【B鍋】荒熱を取って真空調理。先ほどの【A鍋】出汁（まだ未完成）を少量だけ入れて真空に。火の入り加減が違うのでﾓﾓと背肉は分けて真空します。湯煎80度、ﾓﾓ45分、背肉35分。最初の【A鍋】です。出汁の水分が1/3ほどに煮詰まったら裏ごしして、鍋を変えて更に煮詰めます。最初に入れた8ﾘｯﾄﾙの水が最終的に1ﾘｯﾄﾙほどでｳｻﾁｬﾝの出汁完成です。こちら赤ﾜｲﾝﾋﾞﾈｶﾞｰでﾃﾞｸﾞﾗｯｾした【B鍋】です。ここでは味のｲﾝﾊﾟｸﾄにﾏｽﾀｰﾄﾞﾃﾞｨｼﾞｮﾝ（粒ﾏｽﾀｰﾄﾞ）を小匙で2杯ほど加えました。舐めてみて甘みが足りなければ多少煮詰めます（ﾋﾞﾈｶﾞｰは煮詰めると甘みが出る）【B鍋】です。ﾋﾞﾈｶﾞｰの甘みが出たら【A鍋】で出来たｳｻﾁｬﾝの出汁を300ccほど加えて沸かしながらﾊﾞﾀｰを入れます。味を見て塩を加えます。***************************完成。80度で火を入れたｳｻﾁｬﾝはｼｯﾄﾘ柔らかく、真空にしたので香りも逃げていない。付け合せはﾌﾞﾛｯｺﾘｰ、ｶﾘﾌﾗﾜｰ、ﾅｽﾌﾘｯﾄ、人参ｸﾞﾗｯｾ、ｶﾞﾚｯﾄﾎﾟﾃﾄ、ﾛｰｽﾞﾏﾘｰﾌﾘｯﾄ、ﾀｲﾑﾌﾘｯﾄです。上の黒いのはﾅｽの皮を素揚げにしたもの。手前にかかっている緑色のｿｰｽはﾊﾟｾﾘの微塵切りをｵﾘｰﾌﾞｵｲﾙで揚げたものです。ｳｻｷﾞの肉は比較的に淡白なので付け合せ野菜はﾌﾘｯﾄ系がいいでしょう。ﾌﾗﾝｽではｳｻｷﾞの頭を半分に割ってｽﾌﾟｰﾝで脳味噌まで食べるのが一般的です。しかし今日はｳｻｷﾞを初めて食べる方も居たので今回は出汁に使いました。明日はﾊﾟﾛﾝﾎﾞｽﾃｰｷの詳細　お楽しみに

  2005.08.03

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  牛ﾀﾝ♪牛ﾀﾝ♪牛ﾀﾝﾀﾝ♪～【牛ﾀﾝ煮込み】

  こんばんは　じゃみえせMです。若いとき仲のいい連中と居酒屋でﾜｲﾜｲ呑んでいると「牛ﾀﾝｹﾞｰﾑ」とか「山手線ｹﾞｰﾑ」、「高島忠夫ｹﾞｰﾑ」とか色々やった覚えがありますが、ﾙｰﾙなんかもう全然覚えてません。しかし当方はその手のｹﾞｰﾑがやたらと弱かったと言う事はﾊｯｷﾘと覚えています。ちなみに今日の題名の「牛ﾀﾝ♪牛ﾀﾝ♪牛ﾀﾝﾀﾝ♪」とは上記「牛ﾀﾝｹﾞｰﾑ」の一節。掛け声と共に何をやるんだったか･･･もしかして結構ﾛｰｶﾙかも。。今の世代って酒飲みながらこういうｹﾞｰﾑやるのかなぁ。居酒屋には何年も行ってないので若い連中の酒の呑み方が全然判らん。いずれにしても罰ｹﾞｰﾑは「一気飲み」って言うのだけは今も昔も変わらないんだろうけど。*************さてそんな酒を呑んだときのｹﾞｰﾑとは全く関係無いですが今日は【牛ﾀﾝ煮こみ】の紹介。煮込み=Ragout（ﾗｸﾞー）という調理法はﾀｯﾌﾟﾘの溶媒の中で食材を沸かしながら火を入れ、尚且つ食材を柔らかくするという調理法です。途中で食材を取り出し、小麦粉で周囲をｶﾞｯﾁﾘ固めて旨味をなるべく封じ込めながら柔らかくしていく。今回はちょっとﾄﾘｯｷｰな手法を使いました。これが一番美味しいと思うので。ﾌﾗﾝｽ料理では和食よりも「温かい」料理が大変発達していて、その種類も数え切れないくらいあります。例えば70度のお湯の中で火をゆっくり入れるとか、焼いて煮て再度焼くとか。これらは全て「基本」としてほぼ決まっていて、「この食材にはこういう調理法を適用するとより美味しくなるだろう」という"予想"と"推測"、更には例えば「甲殻類などは25分で味を出し切らなければならない」などの"注意事項"を全て頭の中で前提に置いてから食材に接します。もちろん自分の好きなように、楽しいようにやるのが一番なんですけど、当方的には何十年も前から諸先輩方々が残した技法を、正確にある程度は後世に残さねばならないという使命感と、いい加減な事は出来ないという責任感があるってのが本音です。昔と今の食材流通の違いとか、そういう具体的なことは抜きにしてもね。さて今日の【牛ﾀﾝの煮込み】も、そんな昔からの料理です。近代ﾌﾚﾝﾁもいいですがｸﾗｼｯｸﾌﾚﾝﾁを作るのも食べるのも比較的に好きである当方はこういう料理を好んで作る傾向にあります。ようは"田舎もん"、って事ですよ。。誰しも一度くらいは食べた事があるでしょう。ﾄﾛける様なﾄﾛﾄﾛの牛ﾀﾝ煮込み。手間も掛かる事からﾋﾞｽﾄﾛなどのﾒﾆｭｰでは比較的高価な部類に入る料理です。*************ｺﾚが用意した牛ﾀﾝです。何度も書きますが、ｱﾙｾﾞﾝﾁﾝは牛肉が美味しいので牛ﾀﾝも激ｳﾏ。下処理は塩をﾀｯﾌﾟﾘまぶしてよくすり込んで流水で洗う事を3回ほど繰り返します。特に唾液腺（付け根）の辺りを入念に。沸かしたお湯の中で2回水を取替えて臭みを抜きます。ｺｺでは一本5～7人前分を調理。ｵﾆｵﾝ2個、人参3本、ｾﾛﾘ茎1本、ﾄﾏﾄﾍﾟｰｽﾄ缶200g、水6ﾘｯﾄﾙ、赤ﾜｲﾝ500cc、ﾄﾏﾄ1個、ﾊﾟｾﾘの茎3本、ﾛｰｽﾞﾏﾘｰ10g、黒粒胡椒10g、ﾆﾝﾆｸ8粒と共に2時間灰汁を取りながら沸かします。2時間後ﾀﾝを取り出して皮を剥きます。ﾍﾟﾛﾝﾁｮと皮が剥けるはずですが、取り難い場合は包丁で丁寧に剥いてあげます。最初の鍋はそのまま火に懸けっ放しにしておきます。　ﾀｯﾌﾟﾘと小麦粉を塗して大めの油を入れたﾌﾗｲﾊﾟﾝへ。ｺｺでの小麦粉の役割は、仕上がりのｿｰｽの濃度に直接影響します。濃度を付けたい場合には厚めに小麦粉をつけます。上に出た油をかけながらｷﾂﾈ色を通り越すくらいまで色を付けますが、決して焦がさない事。ゆっくり弱火で10分くらいかけて色を付けます。焼けたらよく油をきって再度先ほどの鍋の中にﾄﾞﾎﾞﾝ。そのまま2時間更に煮込みます。右は2時間後のﾀﾝ。串を刺すと、何の抵抗も無く刺さるくらいにﾄﾛﾄﾛ。荒熱が取れるまでそのまま冷まします。真空ﾊﾟｯｸ調理。ﾒﾘｯﾄは煮崩れず、仕上がりが綺麗です。鍋だとｺｺまで柔らかいﾓﾉは扱いにくい。もちろん真空ﾊﾟｯｸが無い場合、鍋でも可能です。上で荒熱を取るまで冷ましたのは切り易くするため。本当に柔らかいので熱いと包丁が入りません。豆腐より柔らかい。（写真撮り忘れ）鍋の液体を濾して更に煮詰めます。500ccほどになった時に濃度が出てくるのでｸﾘｰﾑ、黒胡椒、塩で味を調えます。あればｻﾜｰｸﾘｰﾑなどを加えたら更に美味しい。*************完成。盛り付けはかなりｸﾗｼｯｸにしました。調理台の上で撮ったらやっぱりｲﾏｲﾁですね･･。ｶﾞﾙﾆﾁｭｰﾙ（付け合せ野菜）はPﾄﾏﾄのｺﾝﾌｨ、ｶﾘﾌﾗﾜｰ、ﾌﾞﾛｯｺﾘｰ、ﾎﾟﾛ葱のｸﾞﾗｯｾ、ｽﾞｯｷｰﾆ葉型、Pｵﾆｵﾝ、ﾛｰｽﾞﾏﾘｰです。この手の料理にはﾊﾞﾀｰﾗｲｽやﾊﾟｽﾀのﾌｪｯﾄﾁｰﾈを添えるのがｾｵﾘｰですが、今回はｺｰｽの一環だったのでﾊﾟｽ。ﾀﾝの上に乗っているのはｼｬﾝﾋﾟﾆｮﾝの飾り切りとｸﾘｰﾑです。************ｻﾒさんが気持ちいい事言ってくれたので要望に答えましてｻｰﾋﾞｽｶｯﾄ一枚。ｵｰﾄﾞﾌﾞﾙです。【15種類の野菜のﾀﾙﾀﾙ ｺﾝｿﾒｼﾞｭﾚ添え ﾌﾗﾝﾎﾞﾜｰｽﾞﾋﾞﾈｶﾞｰの香り】本日写真撮り立てﾎﾔﾎﾔです。上記の牛ﾀﾝ煮込みと同じｺｰｽでのｵｰﾄﾞﾌﾞﾙ。どちらかと言えばこっちは近代ﾌﾚﾝﾁですかね。15種類=ｳｲｷｮｳ（ﾌﾇｲﾕ）・ﾋﾟｰﾏﾝ赤・黄・緑・ﾋﾞｰﾂ・ｵﾆｵﾝ・ｱﾙﾃｨｼｮｰ（ｱｰﾃｨﾁｮｰｸ）・人参・ｽﾞｯｷｰﾆ・ﾄﾏﾄ・ﾁｺﾘ・ｷｭｳﾘ・ﾗﾃﾞｨﾁｪｯﾀ・ﾄﾚｳﾞｨｽ・ｴｼｬﾛｯﾄ。ﾀﾙﾀﾙとは「生」という意味です。

  2005.07.22

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  ﾊﾟｽﾀ週間～4

  今日はﾊﾟｽﾀ週間の最終日です。当初５話か６話まで書こうかと思ってたんですけど、長文過ぎて考えてる事を殆ど書いてしまいました。もうちょっと貯めとけば良かったと少々後悔してます。ｽｶﾝﾋﾟとは和名で「赤座海老」「手長海老」「赤座手長海老（これは学名的に少しｵｶｼｲとも思いますが･･･）」など色々と呼ばれています。ちなみにｽｶﾝﾋﾟはｲﾀﾘｱ語。ﾌﾗﾝｽ語ではﾗﾝｸﾞｽﾃｨｰﾇと呼ばれています。当方は一応ﾌﾚﾝﾁｺｯｸとの肩書きを持っていますが、若い頃からこの海老を「ｽｶﾝﾋﾟ」と呼ぶことが多かったのでここでもｽｶﾝﾋﾟで統一します。焼くとﾎﾀﾃの風味がし、これで出汁を取ればｲｾｴﾋﾞよりも強烈な甘い海老の風味が出る事で、ｽｰﾌﾟやｿｰｽなどにもよく使用されます。身自体はﾌﾟﾘﾌﾟﾘというよりもﾌﾞﾘﾌﾞﾘした感じ。ｽｶﾝﾋﾟには2種類あって、ﾌﾗﾝｽ産とﾆｭｰｼﾞｰﾗﾝﾄﾞ産がありますｺﾚ↓ﾌﾗﾝｽ産ｽｶﾝﾋﾟ。価格はﾆｭｰｼﾞｰﾗﾝﾄﾞ産よりも比較的安い。殻が厚く、身が小さい。味も少々劣る。こちらは専らｽｰﾌﾟ用。ﾆｭｰｼﾞｰﾗﾝﾄﾞ産ｽｶﾝﾋﾟ。身が太っていて見た目も白を基調にし、盛り付けた時にもこっちが綺麗に見える。もちろん味もいい。ぶっちゃけ食べ比べる事をしないのならば、どちらを使用しても良いでしょう。しかし例えば当方がｽｶﾝﾋﾟ獲り名人だったとして、ｽｶﾝﾋﾟ売りを商売にしていたとします。ﾃｸﾃｸ歩いていると泉が見えてきた。そして獲りたてのｽｶﾝﾋﾟを「柑橘の泉」に落としてしまった。。泉は深く、底は見えない。せっかくの商売道具を落としてしまって泉の前で立ち往生していると、金髪（←ｺｺ大事）の女神様が柑橘のﾆﾎｲを漂わせながら言いました。「貴方の落としたｽｶﾝﾋﾟは右手にあるﾌﾗﾝｽ産ｽｶﾝﾋﾟですか？それとも左手にあるﾆｭｰｼﾞｰﾗﾝﾄﾞ産ｽｶﾝﾋﾟ･･･」言い終わるのを待たずに女神様のｵｯﾊﾟｲを当方は両手で間違いなく揉みます。「ﾀﾞﾒよ･･･」「いいじゃないか」"金髪"（←再度強調）の女神様が目の前にいるのにそこで「俺の落としたのは左手のﾆｭｰｼﾞｰﾗﾝﾄﾞ産です！」なんて言う馬鹿がどこに居ますか。金髪ｵｯﾊﾟｲですよ、ﾊﾟﾂｷﾝｵｯﾊﾟｲ。ね、揉むでしょ？ｽｶﾝﾋﾟなんか後、後。って感じに物語を始めたいんですが、これではﾊﾟｽﾀにたどり着かないので今日は止めておきます。当方とこのｽｶﾝﾋﾟの出会い･･･この海老を初めて食べた時にかなりのｼｮｯｸを受けました。あれは確かｺｯｸになりたての１年目だったと思う。「こんな美味い海老がこの世にあっていいのか！」と。「これは一体なんだ？」と。そこまで感動しながらもそこでﾊﾟﾂｷﾝ女神様が居たらやっぱりｵｯﾊﾟｲ揉みますけどね。（しつこい）********　一応仕切りなおしこのﾊﾟｽﾀ週間の何回目だったかな、２回目か３回目のときにｺﾒﾝﾄ欄で、ちょっとｽﾚたｶﾒﾗﾏﾝ　ysphoto氏からｽｶﾝﾋﾟを使ったﾄﾏﾄﾍﾞｰｽのﾊﾟｽﾀが大好きだとのｺﾒﾝﾄが入っていて、「おいおい書きます」なんて返事したはいいもののｱﾙｾﾞﾝﾁﾝにｽｶﾝﾋﾟが無いのをすっかり忘れてて、２日前から魚屋に問い合わせて何とか入荷しようかと試みたんですが、ﾀﾞﾒでした。。写真つきで調理過程を細かく書きたかったんですけど、無いものはしょうがない。ｺｺからはｲﾒｰｼﾞで。***********************◆手長海老のﾄﾏﾄｽﾊﾟｹﾞﾃｨﾊﾟｽﾀ乾麺（ｶｯﾍﾟﾘｰﾆ 0.7mm）100g　1人前ｽｶﾝﾋﾟ　3匹ｵﾘｰﾌﾞｵｲﾙ　30ccﾊﾞﾀｰ　10g白ﾜｲﾝ　20ccｺﾆｬｯｸ　10ccﾄﾏﾄﾎｰﾙ（缶）100g　汁は不要。ﾄﾏﾄだけ握り潰すﾆﾝﾆｸ　10g微塵ﾄﾏﾄﾋﾟｭｰﾚ（缶）50g　ﾄﾏﾄ　ﾀﾞｲｽ1/2個分ｸﾘｰﾑ　30ccｵﾆｵﾝ　薄切り50gｴｽﾄﾗｺﾞﾝ　5g（葉のみ微塵）ﾊﾟｾﾘ　10g微塵ﾊﾞｼﾞﾙ　お好みで塩・胡椒ｽｶﾝﾋﾟは良く洗ってから身の両側の殻を調理ﾊｻﾐで切っておく（食べる時に抜き易いように）。ｵﾘｰﾌﾞｵｲﾙでﾆﾝﾆｸを炒めてからｵﾆｵﾝを加え、焦がさないように高温にしながらｽｶﾝﾋﾟを「殻ごと」入れる。ｽｶﾝﾋﾟをひっくり返しながら火を入れて行き、白ﾜｲﾝとｺﾆｬｯｸでﾌﾗﾝﾍﾞ（火は付かなくてもいいです、香りを出すため）。そこにﾊﾞﾀｰを加えﾄﾏﾄ関係を加えて完全にｽｶﾝﾋﾟに火を入れる。火が入ったら別容器へ。ﾊﾟｽﾀを加えてｸﾘｰﾑ、ｴｽﾄﾗｺﾞﾝを入れて完成。お好みでﾊﾟｾﾘとﾊﾞｼﾞﾙ、ﾊﾟﾙﾐｼﾞｬｰﾉﾁｰｽﾞをふる。ｽｶﾝﾋﾟだけでも十分な香りが出ますが、具を足したいならﾎﾀﾃ、ｲｶ、ｱｻﾘなどを加えてもいいと思います。殻ごと加えてﾌﾗｲﾊﾟﾝの中で火を入れて出汁を出すのがﾎﾟｲﾝﾄ。これにﾍﾞｰｼｯｸﾄﾏﾄ缶やｻﾙｻ・ﾎﾟﾓﾄﾞｰﾛ缶を加え、ｻﾌﾗﾝ1gを加えながら水で煮出しｽｰﾌﾟｽﾊﾟｹﾞﾃｨなどもいいですね。使うﾊﾟｽﾀはﾘﾝｸﾞｲｰﾈ（楕円形ﾊﾟｽﾀ）などでも十分です。ｶｯﾍﾟﾘｰﾆ・ﾊﾞﾐｾﾘなど、細いとそれだけ伸びやすいので最初はｽﾊﾟｹﾞﾃｨｰﾆなどを使うのもいいかも知れません。

  2005.07.09

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  本日の魚料理～ﾑﾆｴﾙ・ｼｬﾝﾊﾟﾝｿｰｽ

  なんだか毎日ﾊﾟｽﾀの事ばっかり考えてたら気持ち悪くなってきたので、今日はｻｯﾊﾟﾘとしたｼｬﾝﾊﾟﾝｿｰｽで【魚】を調理してみたいと思う。和食で言う「魚の煮つけ」。美味いｯすよね、魚を食べる一つの料理法として完成されていますよ。しかし、いかんせん完成されているばっかりに味に幅が無いと言うか、大体どこの家庭でも店でも作り方も味も似て来てしまうのは致しかたない事だと思う。魚の食べ方→「塩焼き」か「煮つけ」、「刺身」･･･ﾂﾏﾝﾅｲじゃんか。だから今日はこんな辺境の果てﾌﾞﾛｸﾞを見に来てくれている奇特な方に、せっかくなのでﾌﾗﾝｽ料理ｯぽい魚の食べ方でも紹介しようかな、なんて。（食材がﾌﾗﾝｽ産ではないのでﾌﾗﾝｽ料理ではない。当方の理論。これを話し出すと止まらないので今日は止めとく）魚の下処理から行きます。この魚は日本で言うと何でしょう、ﾑﾂのｺﾞﾂｺﾞﾂとﾒﾊﾞﾙを足して2で割ったような魚です。身は白身である程度の深海に生息していますが、癖が無く脂もそんなに乗っていない淡白な魚です。ﾂﾎﾞ抜き（腹を切らないで口からｴﾗごと内臓を取り除く）し、身に切れ目を入れ塩・胡椒をして口の中から腹の中にかけてﾀｲﾑとﾛｰｽﾞﾏﾘｰを差し込みます。冷蔵庫で30分ほど置きます。魚を冷蔵庫へ入れてｿｰｽ作りへ移行。ｴｼｬﾛｯﾄ40gを少量のﾊﾞﾀｰで極弱火で水分を飛ばした後、ｼｬﾝﾋﾟﾆｮﾝ100gとﾊﾞﾀｰ30gを弱火で炒めます。ｼｬﾝﾋﾟﾆｮﾝの水分を鍋を焦がさないようにしながら煮詰めます。ｼｬﾝﾋﾟﾆｮﾝの水分が飛んだらｼｬﾝﾊﾟﾝ（白）を400ccその中へ。灰汁を取りながら弱火で1/4量まで煮詰めます。煮詰まったらｸﾘｰﾑ200cc、ﾊﾞﾀｰ30gを加えｷﾞﾘｷﾞﾘ沸いている状態を維持したままﾎｲｯﾊﾟｰでかき混ぜて全体を乳化させます。あまり力一杯かき混ぜるとｼｬﾝﾋﾟﾆｮﾝが崩れてしまうので優しく。火から下ろし、ここまでを魚を焼く前に仕上げる事。ﾌﾗｲﾊﾟﾝにｵﾘｰﾌﾞｵｲﾙをﾀｯﾌﾟﾘ目に入れ、ﾆﾝﾆｸ4片をﾊｰﾌにｶｯﾄし弱火でｵｲﾙに香りを移します。焦げやすいので注意。ﾆﾝﾆｸがｷﾂﾈ色になり、香りがｵｲﾙに移ったら強力粉をまぶし、よく粉を落とした魚をﾌﾗｲﾊﾟﾝへ。ここでは弱中火。魚を動かさないままある程度まで焼いたらﾊﾞﾀｰを加えます。最初にﾊﾞﾀｰを加えないのは焦げを防止するため。最初からﾊﾞﾀｰを加えると魚を焼いている途中で苦味が出るので注意。片面に焼き色をつけてからひっくり返します。ﾑﾆｴﾙは両面一回づつで仕上げるのがｾｵﾘｰですので、何回も魚をひっくり返すのは×。ﾌﾗｲﾊﾟﾝを傾けて油を貯めてｱﾛｾﾞ（ﾌﾗｲﾊﾟﾝを傾けてを上からかけて上下で火を入れ、旨味と香りを封じ込める技法）をします。そのままﾌﾗｲﾊﾟﾝごとｵｰﾌﾞﾝへ入れ、途中何度かﾊﾞﾀｰを加えなおしながらｱﾛｾﾞを繰り返します。ｵｰﾌﾞﾝへﾌﾗｲﾊﾟﾝが入らなかったら別容器でもOK。ここでｿｰｽの仕上げに移行します。さっき途中まで仕上げたｿｰｽの素を弱火にかけて沸かし、ﾃﾞｨﾙの葉の微塵切りをﾀｯﾌﾟﾘ目に混ぜ込みます。ﾃﾞｨﾙは火に弱いので仕上げ直前に加えないと色がくすんでしまいます。********************************完成。急いで撮ったら上が切れちゃいました･･･上に乗っているのは"水菜"のﾍﾞﾋﾞｰﾘｰﾌです。ｿｰｽが見えにくいですが、身のほうにかかってます。付け合せ野菜は小芋のﾎﾞｲﾙと絹ｻﾔ、ﾌﾞﾛｯｺﾘｰ、ﾄﾏﾄです。この類の料理にはﾏｯｼｭﾎﾟﾃﾄやﾎﾞｲﾙﾎﾟﾃﾄを付け合せに。*********************************明日はｽｶﾝﾋﾟを使ったﾊﾟｽﾀの紹介。ｳｯ･･←意味不明

  2005.07.08

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• ﾊﾟｽﾀ週間～3

  ﾊﾟｽﾀ週間～１＆２にてﾊﾟｽﾀに関しての歴史と日本への伝来時期、そしてちょっとしたﾏﾅｰまでﾂﾗﾂﾗと書きました。今日からは応用、つまり「調理編」を"出し惜しみ"しながら書いて行きたいと思います。**********************ｱﾙﾃﾞﾝﾃ。 茹で上げたﾊﾟｽﾀの中心部に少し芯が残る状態のことを言うのは説明の余地は無いでしょう。「ﾊﾟｽﾀのびてるよ･･･ｱﾙﾃﾞﾝﾃじゃなくちゃ！」とか「ｱﾙﾃﾞﾝﾃ･･ﾄｸﾚｾﾝﾀﾎﾞｰﾋﾞ･･･」などと念仏のように言っている方も多く居るかと思いますが、本当のｱﾙﾃﾞﾝﾃというのはﾌｫｰｸでﾛﾝｸﾞﾊﾟｽﾀがｸﾙｸﾙ巻けない状態の事を言います。そう、中心にｼｯｶﾘと芯が残っているから食べるとﾊﾟﾘﾊﾟﾘする。過去にｲﾀﾘｱ人ｼｪﾌ（ﾌﾚﾝﾁｺｯｸ）数人と一緒に仕事をした事があります。「まかない」にてﾊﾟｽﾀを作ってもらったんですが、硬くて食えない。。いや、食えるには食える。でもｽﾅｯｸ菓子食べてるようで、噛むたびにﾊﾟﾘﾎﾟﾘいう。全体の3割ほど食べた時、時間にすると2～3分でようやく日本で言われている「ｱﾙﾃﾞﾝﾃ」になっていきました。要は"のびる"という現象です。この時のﾊﾟｽﾀは「amatriciana（ｱﾏﾄﾘﾁｬｰﾅ）」と言ってｲﾀﾘｱﾊﾟｽﾀでは定番中の定番のﾊﾟｽﾀでした。使用するのは**********************◆Spaghetti alla　Amatriciana （ｽﾊﾟｹﾞﾃｨ ｱﾗ ｱﾏﾄﾘﾁｬｰﾅ）※ﾄﾏﾄｿｰｽとﾍﾞｰｺﾝのﾊﾟｽﾀ。ﾋﾟﾘｯと辛い唐辛子が全体をまとめる。大人の味☆ﾊﾟｽﾀ乾麺　100g（1人前）ﾄﾏﾄﾎｰﾙ（缶）2個分　種を取りﾀﾞｲｽに切るﾄﾏﾄﾋﾟｭｰﾚ（缶）70gｵﾘｰﾌﾞｵｲﾙ　30ccﾌﾞｲﾖﾝ　200ccﾆﾝﾆｸ　10g微塵ｵﾆｵﾝ　薄切り100g輪切り唐辛子　1本ﾍﾞｰｺﾝ　40g太めにｶｯﾄﾀﾊﾞｽｺ　お好みでﾊﾟｾﾘ　微塵適量（上にかける）ﾊﾟﾙﾐｼﾞｬｰﾉ・ﾚｼﾞｬｰﾉ　適量（上にかける）塩・胡椒作り方ｵﾘｰﾌﾞｵｲﾙでﾆﾝﾆｸと唐辛子を炒めて香りが出たらﾍﾞｰｺﾝ、ｵﾆｵﾝを加え火を入れる。ﾍﾞｰｺﾝは質の良くないものを使うと焦げるので注意。その他の材料を加え、20分煮込む。茹で上がったﾊﾟｽﾀを加え、混ぜ合わせて完成。************************と日本でも比較的馴染みの深いｼﾝﾌﾟﾙなﾊﾟｽﾀだったんですが、味付けはやはり本場だなぁと感じました。しかし、この麺の硬さは･･･当方が一人ﾌｫｰｸにﾊﾟｽﾀがｸﾙｸﾙ出来ないで「ﾄﾞﾗｧｧｴﾓｫｫﾝ！」状態になってﾔｷﾓｷしていると、一人のｲﾀﾘｱ人が話しかけてきて来たんですが、判らんっちゅーに。ｲﾀﾘｱ語なんか。。「そのｸﾁﾊﾞｼみたいな鼻触らせろ！」とだけ日本語で言っておきました。だがしかし。やはりｺﾚが本場のﾊﾟｽﾀなのか、と思うと自分でも作ってみたくなるのがｺｯｸと言うﾓﾝです。当方はそれからと言うもの色んなﾊﾟｽﾀをｲﾀﾘｱﾊﾞｰｼﾞｮﾝの「ｱﾙﾃﾞﾝﾃ」で作成・試食を何度も試みます。そうしているうちに硬いほうが美味い。断然美味い。ﾊﾟｽﾀの麺はﾊﾟﾘﾎﾟﾘしていないと嫌だ！と自分の舌でも感じるようになりました。例えば自分の店でﾊﾟｽﾀを提供していたとして柔らかいもの好きな日本人に、この「ｱﾙﾃﾞﾝﾃ（茹で加減）」で提供したらｸﾚｰﾑだらけで、お客さんは次の日から来なくなるでしょう。それほどにｱﾙﾃﾞﾝﾃとはﾊﾟｽﾀに芯を残す茹で方なのです。と力説しては見たものの、家庭でお子さん達に人気のあるﾊﾟｽﾀをこんな茹で加減で出したら作り手が相当批判食いそうなんで、豆知識程度に覚えておいてください。最後にもう一丁*********************◆Vongole Nero（ﾎﾞﾝｺﾞﾚ・ﾈﾛ）※ｲｶ墨を使ったのｱｻﾘﾊﾟｽﾀ。ﾊｰﾌﾞを駆使して香りを引き立てることが旨味の秘訣☆ﾊﾟｽﾀ乾麺　100g（1人前）ｱｻﾘ殻付　15個輪切り唐辛子　1/2本ﾆﾝﾆｸ　20g微塵1・ｵﾘｰﾌﾞｵｲﾙ　30cc2･ｵﾘｰﾌﾞｵｲﾙ　30ccｲｶ墨（缶）8gを20ccの白ﾜｲﾝで溶く白ﾜｲﾝ　50ccﾄﾏﾄ　1/2個をﾀﾞｲｽ切りｵﾆｵﾝ　薄切り50gﾊﾟｾﾘ　微塵10gﾊﾞｼﾞﾙ　千切り10gﾀｲﾑ　葉3gｵﾚｶﾞﾉ　葉2g塩・胡椒ﾆﾝﾆｸ、ﾀｲﾑ、ｵﾚｶﾞﾉを1･ｵﾘｰﾌﾞｵｲﾙで炒め出来るだけﾌﾗｲﾊﾟﾝを高温（ﾆﾝﾆｸは焦がさないように）にし、ｱｻﾘを加えると同時に白ﾜｲﾝ、唐辛子を加える。水が跳ねるので火傷に注意。ｱｻﾘの蓋が開いたら一旦別容器にｱｻﾘだけを取り出し、そのままのﾌﾗｲﾊﾟﾝの中でｵﾆｵﾝを炒める。ﾀﾞｲｽに切ったﾄﾏﾄを加え、白ﾜｲﾝが焦げ付く手前まで煮詰まったら茹で上がったﾊﾟｽﾀを入れ、2・ｵﾘｰﾌﾞｵｲﾙとｲｶ墨で合わせ、ｱｻﾘを加える。上にﾊﾟｾﾘとﾊﾞｼﾞﾙを飾る。Vongoleは「ｱｻﾘ」、Neroとは「黒」と言う意味です。他に「Vongole Verde(ﾎﾞﾝｺﾞﾚ・ﾍﾞﾙﾃﾞ）」ｼﾞｪﾉﾍﾞｰｾﾞ（ﾊﾞｼﾞﾙｿｰｽ）で合わせた緑色のﾊﾟｽﾀなど、ｱｻﾘだけでも数種類のﾊﾟｽﾀが存在します。ﾊﾟｽﾀの香りとｱｻﾘ等の魚介類の風味は最高に相性が良い。応用すれば味付けは無限ですね、ほんと。

  2005.07.07

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• ﾊﾟｽﾀ週間～2

  今日は昨日の「未知の貝」の正体を暴くのに翻弄してましたよ。ﾁｮﾛｯと下の記事のｺﾒﾝﾄ欄にも書きましたが、貝ってのはｽﾍﾟｲﾝ語で女性の◎を意味してまして、聞くにも遠まわしに言葉を選びながら魚屋と話しました。ﾀﾀﾞでさえｽﾍﾟｲﾝ語なんか未熟なのに･･･*********************◆ﾏﾅｰ一日間を空けてしまいましたが、ﾊﾟｽﾀ週間2日目行きましょうかね。んじゃ、まず皆さんにお尋ねしますが、ﾊﾟｽﾀを食べる時にｽﾌﾟｰﾝって使いますか？ｽﾌﾟｰﾝの上でｸﾙｸﾙとﾌｫｰｸでﾊﾟｽﾀを巻く。左手のｽﾌﾟｰﾝを口に運ぶのではなく、右手のﾌｫｰｸを口に運ぶ。ｽｰﾌﾟﾊﾟｽﾀなどの場合はｽﾌﾟｰﾝに乗っかったﾊﾟｽﾀをｽｰﾌﾟごとそのまま口へ。こういう食べ方をするのってｱﾒﾘｶ人と日本人だけなんですよ。傲慢で自己中で我が国最強説を唱える「ｱﾒ公」と侍日本だけの特殊な食べ方。･･･････時は鎖国を解き、開国直後の幕末から明治時代あたり。この時点でｲﾀﾘｱではﾏｶﾛﾆと呼ばれる真ん中に穴の開いたｼｮｰﾄﾊﾟｽﾀ（現在のものよりも少々太かったらしい）が大流行していました。「ﾁｸﾜのような穴の開いた食べ物。ｳﾄﾞﾝのように小麦粉を練り、機械でｶｯﾄするも機械も材料も無いのでｳﾄﾞﾝに穴を空けて切って代用した」とは、ﾏｶﾛﾆが日本へ伝えられた直後の誰かの言葉です。伝えられたのはいいのですが、もちろんﾊﾟｽﾀ原料のｾﾓﾘﾅ粉は日本には当時知られても居ませんでした。新潟港より入港した船から次々にﾊﾟｽﾀの前身であるﾏｶﾛﾆが広がっていきます。しかしその後第一次世界大戦が始まり、慢性的な食糧不足に。ﾊﾟｽﾀの歴史はここで一旦途切れるかと思いきや、終戦後に一気にﾏｶﾛﾆが日本人に食される時代がやってくる事になります。広まったのはﾏｶﾛﾆなどのｼｮｰﾄﾊﾟｽﾀだけに在らず、ﾛﾝｸﾞﾊﾟｽﾀ（ｽﾊﾟｹﾞﾃｨ）も徐々に首都の東京へと広まる事となります。しかし終戦後ｱﾒﾘｶ人が多く東京に居る中、箸しか使った事の無い日本人はﾛﾝｸﾞﾊﾟｽﾀを器用にｽﾌﾟｰﾝとﾌｫｰｸでｸﾙｸﾙ巻いて食べるｱﾒﾘｶ人の真似を挙ってしました。そして現在日本でﾊﾟｽﾀを注文すれば、さも当たり前のようにｽﾌﾟｰﾝがｻｰﾋﾞｽされ、使う方も食通を気取りながらｽﾌﾟｰﾝを使ってｸﾙｸﾙｸﾙｸﾙ。。。ｲﾀﾘｱではﾌｫｰｸをきちんと使えない少年ﾎﾞｰｲ達だけがｽﾌﾟｰﾝを使って食べるそうです。だからどうしろって言うんだ！とか言われても困りますよ。当方もしっかりｽﾌﾟｰﾝ使って食べますから。でもですね、ｱﾙｾﾞﾝﾁﾝはｽﾍﾟｲﾝ語圏にも関わらず、国民の85％がｲﾀﾘｱ系なんですよ。ﾊﾟｽﾀの茹で加減にはｳﾙｻｲし、味にもｳﾙｻｲ。本場ではもちろん無いですが、ｱﾙｾﾞﾝﾁﾝへ移民する前の自分のﾏﾏﾝのﾊﾟｽﾀの味をしっかり覚えている。日本でもいつの間にかﾀﾗｺｽﾊﾟｹﾞﾃｨ、納豆ｽﾊﾟｹﾞﾃｨなど独自の発展を遂げましたが、やはり本場を知っているのとは少し違うと思います。例えば当方がﾚｽﾄﾗﾝに食事に行って、ﾊﾟｽﾀを注文し「おい、ｽﾌﾟｰﾝくれよ！何やってんだおま！」とか言っても、ｳｪｲﾀｰは「馬鹿かｺｲﾂ」とか「この青二才が」みたいな目で見られて、後でｽﾌﾟｰﾝ使うのはｱﾒﾘｶ人と日本人と少年ﾎﾞｰｲだけだってことを知って鼻糞ﾎｼﾞるしか道は残されてないんです。だからですね、当方はﾊﾟｽﾀを食べる時の一つのﾃｰﾌﾞﾙﾏﾅｰとしてｺﾚを知っておいてもらいたい。知ってるだけでいいんです。実行しなくてもね。この差は大きい

  2005.07.06

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  "未知"の食材を調理する

  番組の途中ですが本日はｱﾙｾﾞﾝﾁﾝにて名前も知らない変わった食材が入りましたのでご紹介したいと思います。今週は「ﾊﾟｽﾀ週間」と銘打ちましたが、明日に持ち越しと言う方向でご考慮願いたく存じ上げます。*******************ｱﾙｾﾞﾝﾁﾝの首都はﾌﾞｴﾉｽｱｲﾚｽ、内陸400KMの地点にあり、海にはもちろん面しておらず魚が新鮮な状態では入荷し難いのが現状です。当方はｺｺに来てから魚介類に関して独自のﾙｰﾄを開拓し、中間ﾏｰｼﾞﾝを廃し、直で船から魚介類を仕入れる方法を現在取っていますが、それでも日本の魚介類と比べたら鮮度は格段に悪い状態です。魚を取る猟師達の意識改革からせねば。。と思うには思うんですが、当方も共に船に乗る所から始めなくてはならないのでいかんせん時間がありません。さて、本日当方の仕入れ専用の船から電話が来た所から話は始まります。「Ｍさん、良いものが入りましたぜ」「どうせﾛｸなもんじゃねぇんだろ」「いえいえ、今日は違います。とにかく見に来てください」「はいよ」その船直営の魚屋に趣くと、何やら見たことの無いﾌﾞﾂがある。貝だったのですが、「ﾌﾚﾝﾁ」でも「ｲﾀﾘｱﾝ」でももちろん「和」でも見たことが無い。正直言ってﾜｸﾜｸした。「何ｺﾚ、なんて言う名前の貝なの？」「知りません」ｱﾙｾﾞﾝﾁﾝの猟師なんてこんなもんさ。だから鮮度云々よりも意識改革から始めなきゃ、って思うんだ。とりあえず俺の任期が終わるまでに少しでもｺｲﾂ等の魚に対する考えを改めなくては。。と、思いつつもどうしてもその貝に目が行ってしまう。当方にとっては金髪ｷﾞｬﾙｽﾞよりも素敵に見える。さぁ･･おいで･････僕の中に。。**********◆観察◆**********少々値段は張ったが、20個ほど買ってきた。一体何系の貝なんでしょうかねぇ、、ｻﾒさん。ﾌﾚﾝﾁでよく使用するｺﾝｸﾞ貝には形は似てるけど、長すぎるし色も違う。何よりも2枚貝としての身体の作りもどこか変だ。長さの目安に単4電池を置いてみたんだけど、この不自然な長さを判ってもらえるだろうか。。上記写真の向かって右側のｱｯﾌﾟ。少々ｴﾛﾃｨｯｸな気分になりながらも近影。。ここからはﾆｮﾛﾝと何か出ている貝もある。多分食道だろうか。こちらは上記写真に左側。よくｱｻﾘなどについている吸水口が2つ見える。ここで疑問。左右（上下）に食道と吸水口が分かれている。2枚貝の常識はこの貝には無いのか･･･**********◆調理してみる◆**********2枚貝のｾｵﾘｰで行くと、「酒（ﾜｲﾝ）蒸し」が一番失敗も無く多少貝自体に癖があっても食べられるだろう。何より蓋が開いたらokっていう気軽さがいい。しかし、そんなﾂﾏﾗﾅｲ事はしませんよ、当方。脳内調理が始まる。閃いた、ｺﾚで行こう！ﾆﾝﾆｸ、ｴｼｬﾛｯﾄ微塵切りをﾊﾞﾀｰとｵﾘｰﾌﾞｵｲﾙで香りが出るまで炒めてそこにﾀｲﾑの葉っぱを少量加える。ﾊﾞﾀｰが泡立ってきたら良く砂だしをして洗った貝を鍋に入れる。貝の持っている甘みを邪魔したくないので、白ﾜｲﾝではなくﾉﾜｲ・ﾌﾟﾗ酒を使用。貝の1/3程が浸かる位まで入れる。ここにｻﾌﾗﾝを加えた。落し蓋をして全体に均一に火が入るように調節する。特に貝類は火が入りすぎると硬くなるので、細心の注意を払う。貝が開いたものから別の器に上げる。　火が入った貝を写したもの。身が長く、ﾎﾀﾃみたいなﾋﾞﾗﾋﾞﾗもない。思ったよりも身が太っていて、食べ応えがありそうな感じ。ﾌﾚｯｼｭのﾄﾏﾄ一個をﾀﾞｲｽに切ったものを1/2個分加えてｿｰｽをを作る。ここではｿｰｽと言うよりも、ｽｰﾌﾟみたいな感じに仕上げたかったので、濃度は付けずにｻｯﾊﾟﾘ目に仕上げる事を意識する。弱火で沸かしながら液体が1/3量になったらﾊﾞﾀｰを加えてﾎｲｯﾌﾟする。全体が乳化したらｵﾘｰﾌﾞｵｲﾙを少量づつ加え分離しないように更にﾎｲｯﾌﾟする。最後にﾊﾟｾﾘの微塵切りを加える。*********◆完成・試食◆**********ｿｰｽを多めに皿に入れ、貝を3個置いて1人前かな。上にﾌﾚｯｼｭのﾀｲﾑとｲﾀﾘｱﾝﾊﾟｾﾘを飾り、残りのﾀﾞｲｽﾄﾏﾄを散りばめて出来上がり。貝自体の味は、ﾂﾌﾞ貝に似てた。どっちかってーとｺﾘｺﾘ系。ｱｻﾘみたいな強烈な風味は出なくて、巻貝系の潮の香りが強かった。これには驚き。ｿｰｽとの相性も良かったし、ｿｰｽをﾊﾟﾝにつけながらﾊﾟｸﾊﾟｸ食った。ｻﾌﾗﾝの香りとﾀｲﾑの野性的な香りが貝の風味と程よくﾏｯﾁしている。後味に上品なﾊﾟｾﾘの香りが口に広がる。試食なのでまだお客様にはお出ししていないが、入荷が安定すれば十分売れる。明日魚屋を褒めてやろうっと。

  2005.07.05

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  ﾊﾟｽﾀ週間～1

  1．ﾊﾟｽﾀの種類と歴史今週はﾊﾟｽﾀ週間と銘打ちまして、ｿｰｽとﾊﾟｽﾀ（麺）の紹介をしていきたいと思います。ﾊﾟｽﾀってのは結構便利なもので、茹でたらﾊﾞﾀｰと塩ｺｼｮｳ、粉ﾁｰｽﾞだけでも十分に美味しい。そして一人暮らしの若者や面倒臭がりの主婦にとって茹でて合わせるだけという簡単な調理なのでﾅﾝﾁｬｯﾃ料理人気分も味わえると言う、作れば２度美味しい優れた料理なのです。一般にﾊﾟｽﾀの語源はｲﾀﾘｱ語で「ｲﾝﾊﾟｽﾀｰﾚ」（小麦粉で練った）という意味とか「ﾊﾟｽﾃｰﾛ」（小麦粉で練り固めた）、「ﾊﾟｽﾞｺ」（紐）などの説がありますが、別にｷﾞﾘｼｬ語での「ﾊﾟｽﾃ」（お粥）等とも言われていたりします。誰が最初に言い出したか判りませんが、はっきりしておいて貰いたいものですよね。発祥についても色々な説があって、一つにｱﾗﾌﾞのﾗｸﾀﾞに乗った商人が砂漠を越えるときに持ち歩いた乾燥食がﾊﾟｽﾀの始まりであるとか、古代ﾛｰﾏで小麦粉と水を鍋に入れて煮詰めてｸﾚｰﾌﾟ状にしたものをｶｯﾄして麺状にしたのがﾊﾟｽﾀの発祥とか、ﾏﾙｺﾎﾟｰﾛが中国から持ち帰った小麦麺をｲﾀﾘｱでﾊﾟｽﾀとして改良したものだとか、ほんと様々。ﾊﾟｽﾀ自身の種類も山のようにあります。●ｼｮｰﾄﾊﾟｽﾀ「ﾌｧﾙﾌｧｯﾚ」「ﾍﾟﾝﾈ」「ﾌｼﾞｯﾘ」「ｺﾝｷﾘｴ」「ﾏｶﾛﾆ」「ﾗﾋﾞｵﾘ」「ﾙﾏｰｹ」「ｵﾚｷｴｯﾃ」･･･●ﾛﾝｸﾞﾊﾟｽﾀ「ｶｯﾍﾟﾘｰﾆ」「ﾌｪﾃﾞﾘｰﾆ」「ｽﾊﾟｹﾞﾃｨｰﾆ」「ｽﾊﾟｹﾞﾃｨ」「ｽﾊﾟｹﾞﾄｰﾆ」「ﾀﾘｱﾃｯﾚ」「ﾘﾝｸﾞｲｰﾈ」「ﾌｪﾄﾁｰﾈ」「ﾗｻﾞｰﾆｬ」･･･●調理ﾊﾟｽﾀ「ﾗﾋﾞｵｰﾘ」「ﾄﾙﾃﾘｰﾆ」「ﾆｮｯｷ」･･･ﾊﾟｽﾀの麺本体にも「ｲｶ墨」「ｽﾋﾟﾅｯﾁ（ﾎｳﾚﾝ草）」「全粒粉」「人参」「ﾊﾟﾌﾟﾘｶ」「ﾋﾟｽﾄｩ（ﾊﾞｼﾞﾙ）」等を共に練りこんで打ってある乾麺も多々見かけることが出来ます。　貴方の台所で見られるﾊﾟｽﾀは上記ﾛﾝｸﾞﾊﾟｽﾀ欄の「ｽﾊﾟｹﾞﾃｨｰﾆ」か最もｵｰｿﾄﾞｯｸｽな「ﾌｨﾃﾞﾘｰﾆ」が一般的に多いかと。太さも乾麺の状態で1.2mm～1.5mmと食べ応えもあり、ｿｰｽも比較的からみやすい。炒めても、茹で上げでも、和えてもそんなに品質の劣化がしにくい太さです。当方も10年ばかり前には家で一人の時にはよくﾊﾟｽﾀを自分用に作りました。ｷﾉｺ和風ﾊﾟｽﾀとかﾍﾟﾍﾟﾛﾝﾁｰﾉだとか。料理的にお腹がすいたら比較的手間をかけないで食べられるﾊﾟｽﾀ。そんなﾊﾟｽﾀにもちゃんと美味しい麺と美味しくない麺が存在します。例をだすと･･･変な例ですが例えば「ﾗｰﾒﾝ」を食べた時の麺の役割はかなり大きいいですよね。ｽｰﾌﾟの絡み方、ｽｰﾌﾟとの相性、太さ、咽喉越し、ｽﾄﾚｰﾄ、ﾁﾁﾞﾚなど様々ですが、味付けと麺のﾊﾞﾗﾝｽが180度違ったﾗｰﾒﾝは殆ど犬の餌です。それと同じで「このｿｰｽにはｺﾚくらいの太さのﾊﾟｽﾀを使う」というｾｵﾘｰみたいなのがあって、それは明日にでも書きたいと思います。今日の最後に当方が愛して止まない5年の付き合いがあるﾊﾟｽﾀをﾁｮﾛｯと紹介。値段は少々張りますがｱﾙｾﾞﾝﾁﾝに来て、これがあって本当に良かった･･･そう思えたﾊﾟｽﾀです。☆ｲﾀﾘｱ産「De Cecco（ﾃﾞｨ・ﾁｪｺ）」左のﾊﾟｽﾀはﾛﾝｸﾞﾊﾟｽﾀ「ｽﾊﾟｹﾞﾃｨｰﾆ1.5mm」です。調理法をあまり選ばず、なんにでも使えて便利。右は同じくﾛﾝｸﾞで「ﾌｨﾃﾞﾘｰﾆ1.3mm」です。これはｺｯﾃﾘ系のｿｰｽを使い、咽喉越しを良くしたい時に使用。ここまでﾔﾚ！とは申しません。しかし、少なからず貴方が食べてる以上、その工程や歴史を知っておく事は食材に対しての礼儀だと思います。

  2005.07.04

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