|
カテゴリ:カテゴリ未分類
デジャブ
ふーっと大きく風が入りました。 それと共に一瞬光に包まれ 身体が浮き上がったようでした… そしてそこに見えたものは暖かい光いっぱいの庭 ああ、あたたかい… 潮風の匂いがする… 薔薇のアーチをくぐったら あ、誰かが座ってる… 微笑んでいるようなくちもと… あ、眩しい! (あなたはだれ?) (ここはどこ?) (そしてわたしは…だれ?) 懐かしいふるさと。 ………そう思いました。 車から私に向かって手を振る彼の姿が見えました。 ……………白日夢からこの世に戻りました! 「今いくわ~!」 私は大きな声で応え、手を振り…………振ったと思います。 その時何事か、追いかけるように2台の黒い車が入って来ました。 (なにかしら…) 黒い車から次々に黒い男たちが降り 彼を取り囲みました。 家の中から使用人が飛び出しました。 先頭を切って父があわてて出て来たようでした。 黒い団体は彼を連れて行こうとしているようです。 私の父が彼らに何かを叫んでいます。 エントランスの人たちがまるで何かの塊のように暴れています。 彼は私を見上げ、叫びました! 「すぐ帰るよ!心配はいらない!」って。 せいいっぱいの声でした。 そして、私の家族の目の前で彼は黒い団体に連れて行かれてしまいました。 2台の黒い車の爆音と土煙がいつまでもいつまでも、残像のようにそこにありました。 赤いオープンカーはドアが開いたまま残されました… お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.10.25 23:56:15
コメント(0) | コメントを書く |