映画録1
クエンティン・タランティーノ監督の『ホステル』(サスペンス・ホラー)を見ました。ストーリーとしましては、ヨーロッパ各地を旅行している大学生が、とある田舎町にめっちゃ女性と遊べる場所があるという情報を聞きつける。たしかにそこには極上の快楽が待っていた。しかし快楽の夜を過ごした翌朝、仲間の一人が突然帰国するというメッセージを残していなくなってしまう。疑問を覚え、探すが、翌朝さらに、また一人いなくなる。前半部分のいかにも気楽な大学生を思わせる旅の描写があるだけに、後半の田舎町のそこかしこからにじむ怪しさと、血みどろ具合が引き立っています。見せ場であるスプラッターシーンでは、直接的なグロテスクな映像はそれほど見せないのですが、人物の叫びや、暗闇、効果音がかなり利いてゾクゾクします。ただこの映画は、何が一番怖いかといえば、よく知らぬ旅行先で羽目を外しすぎた末、親切だと思っていた相手に引き込まれて危険地帯に……というところにあると思います。言葉もろくすぽ通じず、昨日までは親しみの持てた相手がこちらを嘲笑しているようにも思える疑心暗鬼な世界……楽しめる作品でした。