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カテゴリ:ルール・採点について
1/3よりつづき
T:あなたがジャッジをしていた期間の、あなたのお気に入りのスケーターは誰ですか? P:おお、これは難しい! ミッシェルクワン・・・(以下略。気になる方は元記事から読み取ってw)だ。 最近では、アリオナサフチェンコ・・・(以下略)だ。 T:もし、あなたが、それら特定のスケーター達を試合でジャッジするとしたら、難しく思う? あるいは、彼らのスケートに対してより厳しくするだろうか? P:正直に言って、彼らをジャッジするのに問題があったことはない。 ただ1つの理由は、私が個人的に彼らを知っていて、彼らも私を知っているということ。 彼らは、何か質問があれば私のところに来ることができ、私ができる限り正しい答えを出して、彼らを手助けしようとすることを知っている。 けれども、スケートのジャッジをする時には、すべての個人的な関係は無いものとして、ジャッジをしなければならないし、彼らも彼らにふさわしい評価を受け入れるだろう。 良くても悪くても! それが唯一の方法であり、そうすることで、人として、ジャッジとして、彼らは、より尊敬してくれるのだ。 T:ジャッジパネルで見た、最高の演技を1つというと何ですか? P:1999年のスケートアメリカでのサレー&ペルティエの「ラブストーリー」。 ジャッジをしながら涙した! T:それではジャッジ自体について質問させてください。 2003年の秋に国際大会で採用開始された新しいシステムができた時、どんな研修をジャッジは受けたのでしょうか? あるいは今、受けているのでしょうか? P:我々は訓練を受けたし、今もISUセミナーを受けている。 そこでは、最新のルールや古いルールから変わったこと、ジャッジをするときに、何を見たらいいかを説明する。 そこには、明らかな、あるいは、微妙な失敗、ダウングレード、トランジション、シングルのショートプログラムでのステップから入る単独のジャンプ、 その他の多くのものが含まれている。 また、ショートプログラムとロングプログラムの違い、コンポーネンツをジャッジするには、なにを見るのかも説明する。 しかし、ルールの変更を読むことは、それぞれの国の連盟や、ジャッジ自身の責任だ。 通信の形で、国際スケート連盟のウェブサイト上で公開され、公に誰でも見ることができる。 すべての試合では、ジャッジ達は一般的なルールの確認を、最初の会議で行う。 試合のそれぞれの種目が始まる1時間前に、我々は、もう一度、全てのルールとプログラムのエレメンツ、そして、コンポーネンツについての基本を復習する。 T:シングルとペアスケートの5ファイブコンポーネンツを、ご自身の定義で即座に要約できますか? 実際の定義でも結構ですが、ごまかすくらいなら、ご自分の言葉で言ってください。 (注:この答えは即座になされ、実際の言葉を編集してはいない。イベンスに答えを考える時間を与えるよりも、即座に定義を聞くことで、より興味深いものになったと思う。) P:スケーティングスキル 1 流れ、そして、深いエッジでのステップやターンを含みながら、容易にこなしているように見える滑走 2 スピードの変化と加速 3 さまざまな方向へのスケーティング つなぎ: つなぎの動きと、そこに多様性があること。 常に同じ動きではいけない。 ステファンランビエールのロングプログラムがいい例だ。 彼は、多くの場合において、つなぎでは、常に同じ上半身の動かし方をしている。 演技・実施点 1 スケーターが「私はこうするつもりだ、あるいは、こうしたい・・・」という感じを与えること 2 個性 (5分後にスケーターの演技を覚えていられないようなら・・・個性があるとは言えない) 3 Projection(映像力?) a) ジャッジや観客の心に飛び込んでくるような感覚 b) 自分の中の小さな世界に、人を引き込めるか、取り込めるかどうか 4 それぞれの動きの質。 どの動きも途中で細かく途切れるのではなく、終わりまで続いていなくてはならない。 振り付け: 1 美しい振り付けと全体のプログラムがうまく配置されている、 いいプログラムであること 2 音楽を上手に使っていること 解釈: 1 音がスケーターによって最大に生かされているか 2 音楽が盛り上がるところでは動きも盛り上がっているか、 音楽が静かになると、動きも穏やかになるか 3 スケーターが役柄になり切っているか 4 スケーターがプログラムを見せるだけでなく、 音楽をよく表現しているか T:あなた自身の定義に基づくと、あなたは男子の試合のジャッジパネルにいたので、 誰が、各5つにおいて一番強いと考えれますか? P:スケーティングスキルは高橋、つなぎと振り付けはチャン、演技力はライサチェック、曲の解釈はアボット。 T:ライサチェックとプルシェンコでは、個人的に、それぞれのスケーターの長所と弱点は、どのように見えますか? P:プルシェンコは、非常に自分に強い自信を持っている、そして、自分がやっていることを信じている。 彼の弱点は、まだ6.0システムを引きずっている事実、そして、すべの要素が非常に重要なものだと計算できていないこと。 しかし、それが今、行われている方法なのだ。 ライサチェックは、ファイターで練習熱心だ。 こう考えていた時もあった・・・。 「ああ、この子は大成しないだろう、決して本物にはなれないだろう!」 彼が自分のできる限りの最善を尽くし、打ち込んだからこそ、成し遂げることができたのだ。 彼の欠点?ちょっと考えさせてほしい。 トリプルアクセルの踏切時のごまかしだろうな。 時々、踏切でスリップし(または、プレローテーションがあって)、いわば半分以上回ってしまい、トリプルサルコウのようになってしまう。 しかし、これが、私が彼について見つけられる、ただ一つの問題。 そして、それはいつも起こることではない。 T:プルシェンコが競技の両方の演技で、4回転(トゥループ)に成功したのに、正しく評価されていないという不満が、エフゲニー自身も含めて、たくさん出ています。 あなたは最後の発言で、彼が「全体像」を見ていないと感じている、と言及しましたが、これについてはどう感じますか、そして、このシステムについて全般的に、どのように考えていますか? P:彼は4回転トゥループを試みて着地したことにより、点数をもらっている。 しかし彼はまた、その後で、他のジャンプの着地が悪く点数を失ったのだ。もし、彼が4回転ジャンプだけに意見するなら、1位と2位の位置は違っていただろう。 それなら、スウェーデンも不満を言い始めていい時だと思うね。 なぜなら、彼らのスケーター、エイドリアンシュルタイスはあの夜、最高の4回転トゥループを跳んだが、トップ5に入ることもできなかった!(シュルタイスはフリースケートでは13位だった) 一方、たくさんの言語でフィギュアスケートには「芸術」という言葉がある。 これは、氷の上でジャンプをする以上の何かがあるということを、意味している。 カタリナヴィットが、カルメンで勝った時のことを覚えているかい? 彼女は、2種類のトリプルを見せただけにすぎない。 トゥループとサルコウだ。 他の者は、もっと多くの難しいジャンプを跳んでいた。 しかし、カタリナは氷上の芸術だ! T:じゃあ、あなたは6.0システムより、このシステムのほうが好きなんですか? 説明してください。 P:そうだな、どちらにもいい面と悪い面が生まれる原因があるから、複雑な心境だ。 いい点は、スケーターがついにフットワークに力を入れなくてはいけなくなったこと。 クリーンなエッジに戻った等。 また、私が話したように、難しいジャンプだけではなくて、すべてのエレメンツに評価が受けられる! 良くないところは、どのエレメンツも似たように見えることで、特にスピンやステップ。 また、創造性のために使う時間はあまりない。 このシステムで私が最も嫌なところは、「それほどよくない」ジャッジを救済するために作られたところだ。 あるべきやり方(すべてのコンポーネンツを個別に)で点をつけている本当にいいジャッジは、平均的な点数の範囲を超えるリスクが生まれ、いくつかの審査を受けることになるリスクもある。 基本的に、知識の足りないジャッジはすべてに間違った点をつけることがありえるし、完璧に推量で平均的な点をつける事態に陥ってしまうこともある! しかし、コンポーネンツの間に大きな差をつけようとする者は、そうすることで、糾弾される。 例えば、世界選手権で最初の3つのグループには5.5から7.0の間でスコアを与えれば、安全な場所にいられる。 最終グループが氷上に現れた時は、7.0から8.5の間で与えれば、またしても安全だ! その上、ある意味、スポーツ自体から、スポーツという言葉を取り除くことでもある!ブライアンの戦いを覚えているかな? そう、ボイタノは、プログラムの終わりの方に、2つ目のトリプルアクセルを加えたため、彼は、その日の金メダルを獲得した。 もし、今のスケーターが何か特別に加えても、それらは特別にポイントを得ることはできず、やることを許されているジャンプやスピンの最大数が決められているため、何の価値もないエレメンツになってしまう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010/04/04 02:21:56 PM
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