フィギュアスケートを死なせたくない……(ブログ版)

2010/04/04(日)14:27

・3/3 正直にジャッジしている人は10%だと思う【OPジャッジのインタビュー】

ルール・採点について(11)

2/3よりつづき T:エフゲニープルシェンコの話に戻りましょう。   プルシェンコは、彼と競技仲間(ブライアンジュベール)が、どちらもジャンプに集中しすぎていたため、「任意の(いくつかの)つなぎ」を入れることができなかったと、明らかにコメントして、大きな論争が始まりました。   あなたは、試合後に、この記者会見が行われた時の全欧選手権に、出席していましたか? P:いや、私は全欧にはいなかった。しかし、それは聞いた! T:あなたは、彼のコメントをどう思いますか? P:私は、それを行ったことは愚かだったと思う、しかし、プルシェンコはブロンドだろう?   ほんの冗談だよ!   彼が説明しようとしていることはわかるが、しかし、そのような行いは良くないし、彼は、同様にブライアンジュベールも貶めている。   そんなことは、してはいけない!   私は、ジュベールの大ファンではないが、しかし、競技仲間を、いわば悪い評判に引き込もうとすることは、アスリートとして最低だと思う。 T:あなたは、ジョセフインマンがフランスのメディアに公表した、イーメールのオリジナルを、受け取りましたか?   もし受け取っていたら、バンクーバーの男子の試合でのジャッジの方法に、いくらか影響を与えたと思いますか?   あなたのジャッジに、個人的な影響はありましたか? P:イーメールは受け取った。   でも、私を知っている人は、私はそういうことに影響されないことも、また知っている。   このインマンのメールは、その種の送信では、2番目のものだ。   私は、冒頭で述べたように、私は本当のジャッジで、自分の心を決めるのに、誰のイーメールもコメントも必要ない!   私は完全に自分でできる。   私は、誰であろうと関係なく、自分の見たままをジャッジをする! T:あなたは、ショートプログラムにおいてパネルにいましたね。   プルシェンコやライサチェックは、特定の部分という点で、どのようなスケートをしたと思いましたか?   それから、あなたは、高橋大輔をどのように採点しましたか?   トップ3は、その試合のその部門では、1ポイント未満で離されました。   誰かが上げられたり下げられたりして、あなたがジャッジをしたものとずいぶん違っていたと、あなたは思いませんでしたか? P:ショートプログラムの終了直後に、トップ3のスケーターが、1ポイントも離れていないことに気付いた。   パネルは、素晴らしい仕事をしたね!   その部門では、この3人は、あらゆる違った理由で、同じくらい素晴らしかった。   けれど、私見では、高橋がショートプログラムでは勝っていたと思うが、私たちジャッジは、レベルやダウングレードに限り、テクニカルパネルが決定したことを知らないから、どんなことでも起こり得る。   我々はまた、私たちの以前の点数もわからないので、誤って別のスケーターにより高い点を与えてしまうことも、あり得るのだ。   もっとも、いいジャッジなら、それを避けるための独自の方法を持っているけどね! T:最後の部分を詳しく説明してください。 P:もし、私がスケーターAに対し7.25点を与えたとして、その10人後にスケーターBが来た時、私の意見では彼のほうが優れていると思っているのに、7.0点を与えてしまい、間違ったスケーターに、そのコンポーネンツで「一番」を与える過失をした時のことだ。   しかし、いいジャッジなら、最初のスケーターにコンポーネンツのすべてを足して、   私たちは平均7.0点になるというだろう。   それから、そのことを覚えておいて、次のスケーターが来たら同様にする。   もし、コンポーネンツのすべてにおいて、彼よりもっとよかったら、その平均は明らかに7.0点より高くなるはずだ! T:しかし、このシステムは、スケートを10点満点ではなく、点数をつけることができるように作られているので、   スケーターを互いに潰し合うものではないと思います。   そういうことが起きる理由は、一度にあまりにも多くのことが進行するからだと思いますか? P:どちらともいえる。   私たちの競技は「スポーツ」から外れていると、言える。   スポーツは、誰かは、2人目よりもいい、3人目よりもいい、と決めるものだ。   比較することでしか、結果は出せない。   もし、スピードスケートなら時計があるが、もちろん技術や芸術性への点はない―ただ早ければいいのだ!   試合では、10点制だけで点をつけるのは、不可能だ。 T:あなたや、多くの他のジャッジは、練習を見ますね。   スケーターの、本番と全く同じに行う通しを含む練習を見るのは、試合のコンポーネンツの点をつけるときに、彼らの能力を判断するものを見つけるためですか? P:私は、私自身が、これからしなくてはならない仕事に集中できるような、正しい心理に持って行くために、一度練習に行く。   スケーターがやっていることの正確な詳細は観察したことがない。   彼らは、どのみち、試合のストレスの下では、違うことをするものだ!   しかし、いくらかのジャッジは、すべての練習を見に行く者もいる。   私に、なぜ彼らがそうするのかを聞かないでくれ。   私は、詳細を観察しないから、いずれかの公式練習の間に、コンポーネンツについて感触を得ることはできない。   実際は、あまりにもたくさんのことに集中しなくてはいけないから、時には困難になる。   エレメンツ、失敗、ルールや5コンポーネンツによって。   時々難しいこともあるが、いいジャッジなら、自分を訓練し、小さなこともすべて拾い上げられるように心がけ、   プログラムの間は重要なことに集中することができる。 T:コンポーネンツは正しくジャッジされていると思いますか、   あるいは「後で調整できるように前もって確保しておく場所」といったタイプのものとして、使われていると思いますか?   あなたは、以前に、結局のところ、基本的にスケーターを比較するようなやり方に使われると、言及しましたね。 P:コンポーネンツは正しくジャッジされているとは思わない、そして、それは「後で調整できるように前もって確保しておく場所」として使われるからではなく、ジャッジの中には芸術的な素養が欠落しているばかりか、くだらない平均的な点数の範囲にとどめる者がいるからだ。 T:つまり、あなたは、ジャッジの中には「範囲」を外れないようにジャッジし、試合の終わりに審査を受けることがないようにするため、あるいは、今後の割り当て(ジャッジとしての指名)がなくならないようにするために、概ね、ほぼ同じようなレベルにファイブコンポーネンツをつけていると、感じているのですね? P:その通りだ!!! T:あなたは誰がオリンピック男子チャンピオンと考えていますか、また、それはなぜ? P:私にとってのオリンピックチャンピオンは高橋だ。   彼はすべてを持っている!   スケーティング技術、カリスマ性、テクニック。   いくつかのジャンプに問題があったこと、そして、一度の転倒は、とても残念だ! T:わかりました。   すると、彼はベストでは滑れなかったのだから、ライサチェックかプルシェンコですか?! P:高橋だ! T:それ以外に答えが得られないということが、分かりました。 すごい長文でした。改めて、和訳してくださったフィギュア好きさんに感謝いたします!! P:いや、ライサチェックだ!   二人のうちのどちらかというのなら、それについては間違いない。   しかし、もしあの夜、全員が素晴らしいスケートをしたとしたら・・・高橋だ。 T:バンクーバーでは他の試合を見ましたか?   2014年のソチの大会までの4年間をひっぱっていくのは、誰だと思いますか? P:私は、ペアの試合と男子のロングプログラムだけしか見なかった。   それらのジャッジに、指名されていなかったからね。   パトリックチャン、デニステン、そして、フローレンアモディオに注目した。   それから、ザビエルフェルナンデスも忘れてはいけない! T:ジャッジを辞めることを決めたあなたは、今後はどうされますか? P:まだ決めていない、しかし、国内や国際的に、スケーターにアドバイスをするだろう。   それから、新しいジャッジが、ジャッジを始めた時に、何を見るべきかを学ぶ、ジャッジのマニュアルをまとめたい。   ジャッジのすべてのあらゆる側面を扱い、100ページ以上になるだろう。   さらに、ベルギーのテレビで、来る世界選手権の解説もすることになるだろう。 T:お時間をいただき、ありがとうございました!

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