カテゴリ:観光産業
このブログは、元・旅行業に従事していた「幸兵衛」(S12年生れ)が書いています。 日本旅行業協会(JATA)は、日本の旅行業の団体で海外旅行、国内旅行ともに扱える 旅行業者が加盟している。国内旅行の実を取り扱う旅行業者は含まれていない。 JATAの事業の中で、これは旅行業者らしい良い取り組みだと思うのは、企画力評価で ある。旅行企画は「特許」がないので、ヒットした商品が出ると類似の商品がわっと市場 に溢れることがある。 トラベルボイスWEBは、【ツアーグランプリ2024、国土交通大臣賞は雨風太陽「おやこ 地方留学」、過去最多の応募数から11ツアーを選出】と記事を提供している。 【ツアーグランプリは、旅行業における企画力とマーケティング力の向上、「観光立国」 の施策に寄与することを目的に、優れた旅行企画を表彰するもの。実際に商品として流通 ・販売し、実施されたツアーを、斬新性、事業性、業界貢献度をポイントに選考する。】 「ツアーグランプリ」は、今年で30回を数えるようだが、歴史的に見て、この事業はまだ 始まったばかりのように私は思う。旅行業界はデジタル化の進展によりアナログからの転 換が遅れたこと、コロナによって旅行需要が急激に消えたことで、混乱した。 襟を正して、コンブライアンスを遵守し、社会の中の一機関として有用な団体としてあり 続けるために、優れた旅行商品を広報するのは旅行業界にとって有益である。 今年度のグランプリは 【国土交通大臣賞】 雨風太陽:ポケマルおやこ地方留学 私は「雨風太陽」という旅行業者のことを知らなかった。調べてみると東日本大震災を きっかけに生まれた会社で、8,200名を超える農家さん・漁師さんが登録するオンライン マルシェを運営している会社だそうである。 結果として旅行事業も行う旅行業、従来の手配屋ではない新しいやり方の旅行業で、昨日 紹介したジャパネットも少品種大量販売に軸足を置く会社で、新しいスタイルの旅行業で ある。 古くからの大手旅行業は権益商法という側面が強く、企画力の面でも遅れていたので、新 しい時代のJATAはこうした若い事業者の動きを学んでいくのであろう。 大手旅行業ではない新しいスタイルの旅行業がグランプリを受賞したことは素晴らしい。 大相撲の世界でも、若い力士があっという間に優勝しているが、旅行業界もその兆しが感 じられるので、OBとしては寂しい側面もあるが、業界全体の期待は膨らむ。 【観光庁長官賞】 (海外旅行部門) JTB:日韓ミライ・プロジェクト ソウル4日間 (国内旅行部門) JR東日本びゅうツーリズム&セールス: ケージレス列車『わんだフルTRAIN』~愛犬と伊豆高原満喫の旅~ (訪日旅行部門) JTBグローバルマーケティング&トラベル: 持続可能な観光実現に向けた「北陸レインボールート構築による新たな訪日人流創出」 【優秀賞】 (海外旅行部門) 近畿日本ツーリスト:ARIA聖地巡礼ネオ・ヴェネツィアツアー (国内旅行部門) ジャルパック:赤ちゃんと行く沖縄の旅3日間 (訪日旅行部門) 日本旅行:シェフと旅する大自然グルメツアー 【審査員特別賞】 (海外旅行部門) 近畿日本ツーリスト: バリアフリー旅仲間・黄葉のデナリ国立公園とオーロラ観測でチェナ温泉リゾートに宿泊 するアラスカ・アメリカ9日間 三越伊勢丹ニッコウトラベル: 三越創業350周年特別企画アラン・デュカス監修メニューベルサイユ宮殿晩餐会の旅(計 16+1コース) (国内旅行部門) エイチ・アイ・エス(HIS): 手話通訳付き!羽田空港バリアフリー&JAL SKY MUSEUM・格納庫見学ツアー (訪日旅行部門) ティ・エ・エス:日本訪問が初めての方も、リピーターも楽しめる春の日本列島横断ツアー タイトルだけでは内容が判りにくいと思うが、ツアーの流れが体験型になってきたなとい う印象を受ける。 持続可能な、時代の要請に応えられるアクティビティを含むツアーの企画力がある企業が 企業発展の条件だと思った。
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最終更新日
2024.07.13 10:00:13
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