空のオルガン

　あの日、朝方、突然家が揺れて、「あらあら、地震だわ」とのんきに構えていたら、本棚がグラグラしてきました。
　だありんがのそっと起きあがって、本棚に向かったところで、揺れは収まりました。

　それからラジオが入って(当時は電波が入るところに住んでいて、毎朝決まった時間にタイマーをセットしていました)、どうも大地震だったらしい、ということがわかりました。

　うちの近くではたいした被害もなく、だありんはいつも通り仕事に行きました。私は夕方から仕事だったのですが、それまでＴＶばっかり見ていました。妊娠中の大きなお腹をなでながら、ただただ、うつし出される光景にびっくりしていました。

　神戸近辺の友人・知人は無事だったようですが、何人もの方が亡くなって・・・。

　あれから１１年。

　悲しい出来事も多いけれど、人の善意があちらこちらに見えるようになった気がします。
　力になれることがあればと全国、いえ世界中からたくさんの暖かい気持ちが届きました。ボランティア精神が、一部の人のものではなくなってきたと思うのです。例えばお年寄りに席を譲ったり、駅の階段でベビーカーを運んだりといったちょっとしたことでも、以前に比べて行動に移す人が増えたと感じるのは私だけ？

　１人１人の気持ちが集まって、世の中の流れを作っていくんだなと、最近よく思います。
　
　ケータイや温水洗浄便座など、新製品は普及率が一定の割合を超えるとまたたく間にちまたに広がっていくそうですが、人の善意もそうやってひろがればいいな～。

　いざというときに頼りになるのは結局人とのつながりかな。
　それがわかったことも、私には大きいです。こういうことがないとわからない、というのも問題ですが、おかげで私にもちょびっと善意らしきモノが芽生えました。

　実家の親と、
「今日び(親と子と）どっちが先に逝くかわからへんよね～、カカカッ」
と笑っていられるうちは、幸せなんですよね。

　今日はお姉ちゃんの学校で、震災に備えて児童引き渡し訓練が行われます。迎えに行かなくちゃ。

　子供用防災グッズセット
キャサリンコテージさんの防災セットはよく考えられています。我が家も年末に子供の分を買いました。使わずにすむようにと祈りながら、防災手帳に家族写真を入れました。