空のオルガン

作物を育てる農場では、生き物がいるのは当たり前。苦手だけど、こっちは長袖長ズボン、長靴も履いているのでいくらかは我慢できる。　
　アマガエルは、見るだけなら大丈夫。バッタも。
　虫除けスプレーはすぐに汗で流れて、１０分もしないうちに蚊が寄ってくる。手は収穫で忙しいので、息を吹きかけて追い払う（キリがないけど）。
　カブトムシを発見したこともある。

　雨上がりには特に、生き物がたくさん目に入る。

　去年、手にアマガエルが乗ったので、少しは根性が座ったと自分では思っている。
　今年は、手にはまだ乗っていないが、葉っぱに触れた時に柔らかいのがあって、「若葉かな？」と視線を移すと、アマガエルだった。ひえ～～～っ！でも声は出さずに頑張る。頑張った。この調子なら、来年には自分からアマガエルを捕まえて手に乗せられる・・・かも・・・可能性としては、なくは、ない。

「チクッ！」農場で、突然指に痛みが走った。蚊に刺された時とは明らかに違う、強い痛み。
触った枝の先端の葉の裏に、イラガがいた。厳密にいうと、前から姿を知っていたのではない。イラガという虫がいて、刺されると結構痛い、という話は聞いていたので、これがそうかなと思っただけのこと。帰ってから画像検索して、ああやっぱりあれがイラガか、とわかった。ムヒをぬったけれど、なかなか腫れが引かない。

　時にはちょうちょも飛んでくる。トンボも。土がやわらかくて、ふかふか。「そうそう、土って本来こんなんだよね～」と、小さい頃遊んだおばあちゃんの畑を思い出す。

　まだまだ収穫作業は続く。また刺されたらと思うとちょっと及び腰になるけれども、もうしばらく頑張ろう。
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