ボタン付け
パジャマのボタンがとれかけていました。そのまま放っておいたら、ある日ベランダで落ちてしまいました。やれやれ、仕方ないなとようやく上がった重い腰。 既製服のボタンって、なんでああいう付け方なんでしょ? 手でつけると、横から断面図のように見たときに糸がぐるぐる輪を描いているようなのに、ミシンのは反復横跳びのように両端を往復しているだけのよう。 ↑ う~ん、こんな説明ではわかるものもわかりませんね。 私が子供の頃、母は服を買ってくるとまずボタンを付けなおしていました。どうせすぐ取れるんだから、その前につけ直しといたほうがいいって。 付けなおしたボタンも時が経てば取れそうになります。そうすると、取れそうなボタンはもちろん、その服のボタン全てを、糸を切って新たに付けなおしていました。同じ時につけたボタンだから、糸の弱り具合は同じはず。一つ取れかかっているということは、近々他のも取れるということ。だったらその都度裁縫箱出してくるより、今一度にすませた方がいい、と母の弁。 パジャマのボタンを目の前に、そんなことを思い出しました。 「だからあなたもそうしなさいよ」と言われたわけではないけれど、今、私も同じようにしています。 口うるさく言われたことより、こういう、何の気なしに聞いた事がずっとずっと頭に残って、「受け継ごう!」なんて気負いはないけれど、受け継いでしまう。面白いものです。 パジャマのボタンは4つ穴で、元々は糸が×の形になっていましたが、付け替えるときに「二」の形にしました。×だと、交差部分の糸がこすれて、切れやすいからと、これも昔の母の言葉です。 モンやう~のは、私のどんな言葉を覚えているんでしょう? 普段の何気ない言葉。言った本人は覚えてないのに、言われた方はいつまでも覚えているんですね。こわいこわい。 久しぶりの針仕事をしながら、そんなことを思いました。