Love in the Milky Way
嫌悪感抱かれる方、興味の無い方はご遠慮下さい。七夕の織姫・彦星の伝説をBL風味でお届けしています。やっぱり二次創作になるのかな?では、O.Kなかたのみお進みください。 Love in the Milky Way長い抱擁の後、抱き合ったままで視線を合わせ、織也の手が鷲仙の着物を強く握り締める。「済まぬ、待たせてしまった」「うふ、あいさつがそれですか、また謝っている」笑が漏れ、そして待ちわびたかのように一番、口にしたかった一言を告げる。「お帰りなさいませ」見上げる瞳に浮かぶ涙を身体を片手で支えて拭い、髪を撫でるとそこにある簪に気付く、それは、以前贈った品、そしてもうひとつは、翡翠の帯止め、それらはちゃんと織也に愛用されているのが嬉しい。手を離し、織也を解放すると窓際の長椅子に二人並んで腰を降ろす。長い沈黙、何から話せばよいのか、文を書くときは滑らかに出てきた文字が今は何も浮かばなく、本人を目の前にしてもどかしくてならない、 しかし、この空間が心地よいのは二人で居られるから、肩を抱き寄せ手を取ると初めて気付く手の大きさ、ここで初めて握ったときよりも大きくなっただろうか、そのままを言葉にした。「手が大きく成りましたね」「背も少し伸びたのですよ」文では気付くことの出来ない変化がそこにはある。出合った頃は姫と間違えるほど少女の様な顔のつくりで有ったが、今はそのようなことはけしてない、しかし、美しい容貌であるとは変わりがない。「そうでしたか、では、男装の貴方を早く見たいものです」「では、お上への献上品を急いで仕上げねば成りませんね」二人で顔を見合わせて笑う。なんと穏やかで温かな空気なのだろうかと思った瞬間、空気が揺らいだ。それは織也が姫へと戻る時を知らせる音である。戸の外から千琴であろう人物が扉を叩いたのだ。「織也様、お時間でございます、お戻りくださいませ」千琴自身、このような無粋な真似はしたくない、しかし、侍女である自分は職務に忠実でなくてはならないと教わって育った。このような時ぐらい、それを忘れ、二人の逢瀬を見守りたいと思うのが人情なのだ。「鷲仙様」頼りない表情が向けられる。「行くな」といえば、ここに留まり、仕事など放り出して二人で過ごすことを選ぶだろう、しかし、それでは兄への言葉が嘘になる。そんなことはさせたくない。「ああ、お行きなさい、二年半貴方を待たせたのだ、今度は私が待ちましょう、献上品が仕上がるまでなら、雑作も無いことだ」その言葉に笑顔で返すとスッと立ち上がり背筋を伸ばして歩を運ぶ、その姿は先ほどまでの頼りない織也ではなく、織姫がそこにいるのだった。もう、12月も半ばだというのにまだ終わらないこの文章、短編のはずなのになぜか連載。。。?にほんブログ村