シン・足立淳のブログ彼岸花

「夕雲（ゆうぐも）型駆逐艦二番艦」、「巻雲」。

　艦これの世界において「駆逐艦」はほとんどみな「子供」もしくは「未熟」といった属性が与えられているが、中でもこの「巻雲」はかなりの「甘えん坊」さんである。いつも「夕雲姉さん」にべったりで、「秋雲」（名前が似ているがこちらは陽炎型駆逐艦十九番艦。一緒にアメリカ空母『ホーネット』を沈めた仲（？）である）をライバル視している。しゃべり方もなんだか舌足らず。服もダブダブで、袖をあまらせている。まあはっきり言って「足りない子」。見ていて危なっかしいことこの上ない。

　その「足りなくて危なっかしい子供」が。いざ、夜戦に入る時に、勇敢にもこう言ってのけるのだ。

　「夕雲姉さん、見てて！　巻雲、突撃します！」と。

　これは泣ける。まるで昔のヤクザ映画の、いつまでたってもアニキ離れできないハンパなチンピラが、最後に男を見せる時のセリフじゃないか。どうあがいても勝てる見込みなんてない巨大な敵に、男一匹（艦娘だけど）、敢然と立ち向かう様だ。たとえ「犬死に」とわかってはいても。

　この命がけのセリフを聞きたくないから、私は巻雲は極力旗艦にはしていない。