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虚空座標

煙水晶・黒水晶

※こちらはちょっと古い記述になっております。
新しい記述・写真はこちらをご覧ください
写真はリンク先のページ上部にメニューがあります。

2011年5月23日、別館サイトと記述を統一しました。
スモーキー・モリオンそれぞれの写真は別館サイトのほうにたくさんあります。


スモーキーとモリオンの違いは?
……天然の放射線で結晶構造が破壊されているか否か。



■スモーキーの発色メカニズム

スモーキークォーツは、水晶を構成する2個の酸素原子と1個の珪素のうち、一部の珪素がアルミニウムと入れ代わっています。
天然の放射線を浴びているうちにアルミニウムと結合している酸素から電子が放出され、アルミニウム原子の周囲のエネルギー状態に変化が起きて、それがカラーセンター(着色中心)のような役割を果たしてスモーキークォーツの色となると考えられています。
実際、スモーキークォーツを加熱すると色が薄くなり、放射線を照射するとスモーキークォーツに戻るそうです。茶色っぽい煙水晶は、鉄と放射線による発色だとする説もあります。

スモーキー・クォーツが黒っぽく見えるわけ(KUROの理解で図示しました。間違っていたらごめんなさい)


■モリオン=「濃いスモーキー」?

一般に「煙水晶の色の濃いものを黒水晶(モリオン)という」と説明されていることが多いです。
珪素がアルミニウムと置き換わることで結晶構造の隙間にリチウムが入り込み、そのことによって黒ずんで見えるという説もあります。
また、黒い水晶の呼称には、「カンゴーム(カーンゴーム)」というものがあります。
カンゴームの中で色の濃いものをモリオンと呼ぶのだとか、茶色がかったものをカンゴーム、黒いものをモリオンと呼ぶのだとか、アルミニウム+放射線による発色の水晶を煙水晶、その他の原因による黒い水晶をモリオンと呼ぶのだとか、諸説さまざまです。(「それ以外の発色原因による黒い水晶→イタリア産の黒水晶)

そのなかで、モリオンは、スモーキーよりさらに多く放射線を浴びることで、結晶構造が破壊されたものとする説があります。
煙水晶の発色が放射線によるものであれば、モリオンは、さらに放射線を浴びたということで「色が濃い」と言えるかもしれませんが、結晶表面がつやつやした黒い水晶とつや消しのものがあることを考えると(モリオンは丸玉に磨いてもあまりツヤツヤしないと言う話も聞きました)、厳密には「結晶構造が破壊された」ものとするのが正しいと思います。


(記述変更)アメジストやシトリン、スモーキーなどの水晶の「色」を作り出す「カラーセンター」そのものが、言い方を変えれば「格子欠陥」であり、このことは結晶構造が壊れているとも言えるので、上記の書き方では誤解を招くかもしれないと思い、変更します。
上記の意図は、スモーキーよりも強い放射線を浴びたか、または含まれるアルミニウムイオンの量によってカラーセンターが多く発生した……格子欠陥(結晶構造の壊れた部分)がたくさんできたためではないか……という意味ですが、その量の目安については何とも言えないので、意図はそのままで
個人的なモリオンの基準を
●太陽光程度では透けない不透明黒。
●結晶の表面がつや消し

と設定したいと思います。


■KURO的モリオンとスモーキーの見分け方


モリオンかスモーキーか。
個人的には、その判断基準は、一線を画す「不透明な黒さ」だと思っています。
原石の場合は、表面がつや消しであることも特徴の一つかも。(表面に透明な層が結晶している場合は別)

しかし、原石の結晶でも部分的には透けたりしますし、太陽光では不透明に見えても強烈なライトを押し当てて照らせば透ける場合もあります。
ビーズでは、同じ石を原料にしても、削りだした部分によって透けたり不透明だったりするでしょう。
それをどう判断するか……。
私だったら以下のように判断します。

まず、原石の場合。
強烈なライトなどは持っている人、いない人、メーカーによって光の強さもバラバラです。そこで、誰でも確認できる目安として「太陽光(直射日光)程度では不透明」を目安にしたいと思います。
この場合、大きな結晶と小さな結晶では条件が違います。

大きい結晶の場合は、先端などの比較的薄い部分の様子や、補助的に強いライトで照らしてみて、本当に黒いのか、単に厚みがあるので不透明に見えているだけなのかを判断します
原石の場合は、結晶面のつやも参考にします。個人的にモリオンと判定したものは、表面がつや消しであるものが多いからです。(例外もあります)

また、一つの結晶でも先端など表層付近はスモーキーである場合があります。
このときは結晶中心部を含む結晶の大部分が不透明に見えるかどうかを判断基準とします。

※4センチほどのガウリシャンカール産ヒマラヤ水晶。ご覧の通り先端や根本などは透けているが、ちょっと平べったくて小さい結晶なのに中央部が真っ黒で透けないのは立派。表面もマットだし、これならモリオンといえるのではないかと判断します。


■ビーズの場合はさらにシビアに

最近はモリオンのビーズも市場に出回るようになってきました。以前はスモーキーとしか思えないものがモリオンの名前で売られているだけだったのですが、最近は鑑別書付きで、見た目にも真っ黒なものが見られます。
これについては鑑別書付きのモリオンブレスを売っているお店のお話を聞き、その原石であるという石を見せていただいた経験から、以下のように判断します。
お店のお話では黒水晶として掘られた中でも真っ黒なものは一部であるとうかがいました。また鑑別の話、そのほかの業者さんにお聞きしたところでは、やはり真っ黒不透明なものがモリオンと見なされるようでした。
このことから、やはり「太陽光程度では不透明な黒いもの」をモリオンとし、同じ鉱脈、あるいは同じ塊の石から削り出されたビーズ、同じ連に連ねてあるものでも、透けるものはスモーキーであると判断するのが妥当であると思われます。

ビーズの場合結晶よりもさらに小さいので基準が厳しくなりますが、モリオンビーズは他に比べて高額で売られる場合が多いこと、同じ原石なら……同じ連なら……とビーズに加工してからでは確かにそうなのか確認できない状況まで含めてしまうと、スモーキーとモリオンを区別する意味がなくなると思うからです。

つまり原石の段階では先端が少々透けても中央部大部分が不透明ならモリオンといえても、その石を削ってビーズにした場合は、不透明部分でつくったものだけがモリオン、透けたらスモーキーと判断します。
このように厳しく判断しないと、ビーズのように淡いオレンジやクリーム色でもカーネリアン……になりかねません。
他と際立って違うからこそ、特別に名前が付けられた。
別名を持つことの意味を、ちゃんと反映したいと思います。



■「人工モリオン」もあります。

ときどき、アーカンソー産やブラジル産の透明な水晶にコバルト60のガンマ線をあてて黒くした人工(加工)の「黒水晶」を見かけることがあります。
この人工黒水晶は、
※黒い部分と透ける部分の色の差が明確
※不透明の黒なのに結晶面がつやつや
※根本部分が不自然に白い(天然のものでも根本が白い場合があります)

などの特徴で見分けることができます。


※こちらが人工モリオン。根本の白さ、つやつや具合、色づきの不自然さがおわかりいただけるでしょうか。


私が、今まで見たことのあるモリオンの産地は、ブラジル、アメリカ(コロラド)、ロシア(ウラル、シベリア)、カザフスタン、イタリア、マダガスカル、ルーマニア、ポーランド、中国です。
(※追記:ルーマニア産水晶でも放射線処理あり)
人工モリオンは、つやつやした黒でスタイリッシュな印象を受けるので、鑑賞用には問題はないかと思いますが、天然モリオンにこだわるのであれば、「アーカンソー産 黒水晶」、あるいは普通の透明水晶と値段がさほど変わらない黒水晶は、念のため天然の黒水晶かどうか確認した方が良いと思います。(値段が高い場合もあります)

自分がどこに価値を置くのかをよく考え、疑問に思った場合はお店の人に聞いてみましょう。
この場合「天然水晶ですか」「黒水晶ですか」と聞くのではなく、「天然の状態で黒いんですか? それとも放射線処理をされていますか」と聞くのが正解です。
お店によっては元が天然水晶であれば、処理されていても天然水晶と呼んだり、放射線処理したものも黒水晶と呼ぶからです。
「天然の色か? 放射線処理されていないか?」という聞き方は、天然の黒い水晶を探しているという点をはっきりさせ、かつ、放射線で黒くされた水晶があることを知っているぞ、とダメ押ししてアピールできます。

●スモーキー
 
 

●モリオン
 
 

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