旧Ozriko Journal

[夫の穴] カテゴリの記事

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• 日仏交流（夫の穴）

  　先週、私が働いている研究所の部門と、同分野の日本の一大研究所のジョイント・ミーティングが行われました。以前“夫の穴（アムステルダム）”で少し述べたのですが、ヨーロッパ間では科学的交流が非常に活発であるのに対し、アジアにおける日本は他のアジア各国と比較して研究レベルが高いため、立場的に独立、悪く言えば孤立したような印象を持っていました。ですので、今回このように日仏間で相互に科学的交流を深める機会ができ、期待していました。　日本の研究所からいらっしゃった研究者（PI, primary investigator、要するに研究室のボスですね）は１０人で、２日間に渡り私達の研究所のPI達と共に、未公表のデータを含めて発表、議論を行いました。その中でショックを受けてしまったのは日本側の研究レベルの高さです。もちろん私は３年前まで日本でポスドクをしていた訳ですから、それまでの日本の研究レベルはある程度身を以て知っていたはず。ところが今回このように感じたのは、私の渡仏後の日本の研究レベルが大きく進歩してしまったのでしょうか？或は日本にいた時はそのレベルに気づいていなかっただけ？　日本人の性癖の１つとして、“新しいもの好き”ということがあるかと思います。家電、電子機器等はすぐに新製品に興味が向かいますよね（フランス人はそんなことないです）。この性癖は研究においても影響を及ぼしているのではないでしょうか。私の研究分野では、解析機器の進歩が目覚ましいのですが、そういった機器をいち早く取り入れていることは解析を進める上でかなりの利点になっているでしょう。もちろんお金がかかりますが、政府もその研究所には巨額の資金を投入しているようですし。最新機器を使って初めて得ることができる結果から、新しい思考や疑問が生じ、その疑問にまた新しい手法を使って答えていく、といった好循環は研究のスピードをどんどん加速させているはずです。また、日本人は個性がない、画一的などとも言われますが、今回の日本側の発表では個性的、独創的な研究も多く聴け、非常に興味深かったです。　ミーティングについては、レセプション・パーティーにお邪魔させて頂き、何人かのPIの方と話をさせて頂いたり、また同僚達とも幾つかの発表について話をしたりしました。その印象としては、当初私が考えていたような、“日本側にとって有意義”というよりも、“フランス側の研究者達が日本側の研究に感銘を受け、インスパイアーされた”といった感じでした。　私が特に専門にしている領域では、日本では応用が主で、基礎研究をするには資金獲得等含め少々難しい状況にあるので、こちらで研究して有意義な点が多いのは確かですが、解析技術・手法の進歩等に関して浦島太郎にならないように気を付けないといけないかもしれません。

  December 4, 2007

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  Maceo Parker（夫の穴）

  　ファンク界の巨匠、”Maceo Parker”のライブを観にl’olympiaホールに行ってきました。このホールを訪れるのは２度目。前回は７月に、かの伝説的なソウルバンド“Sly & the family stone”が２０年ぶりにステージに復活したというので観に行ったのですが、チケット代１３２ユーロ！という価値は到底ないお粗末なもので（Sly以外は頑張っていたのですが）、あまり良いイメージは残っていません。というか、ややライブ恐怖症になったというか、、、。まぁ、今回は４０ユーロだし、You tubeで最近の演奏を聴いてみても、かなりバシバシやってくれていたので、大丈夫だよね？と恐る恐る会場へ。　実はフランスでのコンサートなりライブなり、今まで前座が長く、本チャンは１時間くらい経ってからという感じで待ちくたびれる感じだったので、今回は開始時間５分過ぎくらいに到着。が、なんとこういった時に限って前座なしで始まっていました。ホールに入るやいなや聴こえてくる心地よいグルーブ。やっぱりMaceoのサックスの音は凄い。聴けばそれと分かる音、フレーズ、一気に耳を惹き付け、身体に入ってきます。ヴォーカルも味があるファンキーな声で良いのですが、サックスを聴くと、もっとサックスを聴かせてくれというほどの凄さでした。　ファンクはコードが割と単調で、なかなか２時間半も巧く客をのせ続けることは難しいのでは？という不安もあったのですが、曲調を変えたり、それぞれの楽器の見せ場を曲ごとに作ったり、また照明の変化も曲にメリハリを加え、１曲ごとに上積みしていきつつ飽きさせません。バックバンドも、バックバンドというよりもMaceoがリーダーのバンドといった感じで、それぞれ高レベルな個性を出しつつ、一体感もありGood！学生時代に良く聴いたり、演奏したりした曲も聴け、その頃を思い出し懐かしくもありました（”Pass the Peas”と”Soul Power”が触りだけだったのはちょっと残念だったけど）。　ファンク一筋で、パワフルなパファーマンスを数十年もやってきたMaceo、変わらぬ魅力をサックスに吹き込み続けていることを観ることができた良い夜でした。と同時に、JBとMaceoが一緒に演っていた頃を生で聴くことができていたならばなぁ、というもはや叶わぬ想いも浮かびつつの帰路でもありました。

  October 16, 2007

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  消防士の休日（夫の穴）

  　先週、消防士のストライキがありました。どうやら賃金値上げと定年についてのストライキだそうです。“フランスでは大統領以外、誰でもストライキできる”、という話があるくらいで、有名な鉄道関係のストライキに限らず、消防士までストライキしてしまうようですね。火事が起こったらどうするのか？かなり疑問なところですが、そのストライキを見学に行った同僚が撮ってきた写真を見て驚きました。過激です。まずは、近所の"Denfert Rochereau"です。広場の象徴であるライオンが占拠されています。消防士さん、手前のゴミ箱、燃えてるんですが、、、。こちらは水。周りが海です。さすがに火と水の扱いには慣れているんでしょうか。使い方が間違っていますが。道路を勝手に封鎖しています。大迷惑ですね。Bastille（バスチーユ）広場です。革命は成し遂げられたのでしょうか？相当な鬱憤があるのか、やっているうちに盛り上げってしまったのか分かりませんが、限度を超えているように思われます。主張することは良いのですが方法を間違わないでもらいたいものです。素晴らしい写真の数々は同僚のM.E氏から頂きました。 I thank M.E for excellent photos!!

  November 29, 2006

• 音楽三昧（夫の穴）

  　こんにちは、暑い日が続いているフランスです。冷房がない職場、メトロ、そしてアパートにて、ただただ夏をダイレクトに受け止めています。　さて、今回は記念すべき？“夫の穴”、第十回です。最近は一時帰国やら、引っ越しやらで忙しく、長らくご無沙汰していたので、書くネタもいっぱい溜まったのではないかと思っていたのですが、どうもそれほどでもないようなので、音楽にどっぷり浸かった先週後半の話をします。　まず、木曜日の夜は、ソウルの帝王、“ジェームス・ブラウン”（JB）のコンサートに行ってきました。８時半開演にも関わらず、訳の分からないフレンチポップの前座が８時４０分から３０分ほどやった後、２０分間の休憩。客の“いい加減に出てこい”という思いがギリギリに達したころ、JB's Bandが現れ、気持ちのよいファンクを聴かせてくれ、さらにコーラス、司会らがJBを迎える準備を万全にした後、ついに登場。ステージは見ていて完璧でした。JBは７０歳過ぎとは思えない元気さで、会場を盛り上げてくれました。そして、ひそかに私が気になったのは、JB's Band、コーラスの人達です。ソロ、曲のエンディングなどはJBの気分次第でどう変わるか分からない中、JBの右手の合図に神経を集中させ、また、JBの考えを完璧にサポートするための動き、演奏は、JBが長年に渡りエンターテイメントのトップに君臨していることに大きな役割を果たしていることを感じさせました。　金曜日は同じ研究室の学生達がやっているアフリカンダンスのライブに。アフリカンダンスって何？とまぁ、自然に疑問に思っていたのですが、こちらも熱いライブでした。まず、本当に会場が暑い！閉め切られた夏の部屋の中に何十人もの客とミュージシャン、ダンサーが入っていれば、ちょっとしたサウナ状態で、結構“アフリカってこれくらい暑いのかなぁ”などとうつろに考えてしまいました。次にパーカッション。ジャンベ３つに、あとよく分からないベース系のパーカション１つをアフリカ出身の先生方が演奏しているのですが、シンプルな楽器から幾千もの音色とリズムを叩きまくり、産みだしていました。正直、ここまで凄まじいパーカッションは聴いたことはありませんでした。そして、それに合わせてのアフリカンダンスも（これはちょっと形容しがたいのですが、とにかく激しい！）、会場をトランス状態に陥れており、想像以上に素晴らしいライブで大満足の夜でした。　土曜日は“Park Floral”に野外ライブ＆ピクニックに。この公園では”Paris Jazz Festival”と名うって６、７月の毎週土日にコンサートを行ってくれています。料金が公園への入場料３ユーロの割に、有名どころのミュージシャンも多く来てくれており、非常に有り難い企画です（ちなみに去年はこれで”Steps Ahead”を聴きに行きました）。今回のお目当てはRoy Hergroveです。ちょっとばかしトランペットをかじっていた私としては非常にうれしい。大きな公園で、皆ビールを飲んだり、家族でピクニックしながら、一流の音楽を他愛もなく聴けるというのは、パリのパリたる所以の１つなのかもしれないですね。私がどっかの県知事とか都知事になったらこういう公園を作ってこういう催しをしたいなと、子供のように考えつつ、土曜の昼はゆるりと過ぎていきました。

  July 4, 2006

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  CPE法（夫の穴）

  　今、フランスは雇用促進策（CPE法）で揺れています。ドビルパン首相が打ち出したこのCPE法、２６歳未満の雇用について、雇用主が２年間の試用使用期間中の解雇を自由にできるというもので、これにより若者の就職の機会を増やそうという狙いがあるようです。フランスでは２６歳以下の失業率が約２３％と異常に高いのですが、この理由として、正規雇用の場合は雇用主の解雇がほぼ不可能、雇用主の社会保障費の負担額が高いこと（その代わり、フランスの社会保障制度は驚くほど良いです）が主な要因のようです。雇用主の立場からこの制度を考えてみると、いろいろな人材を試せるし、若者も正規採用してもらおうと頑張るだろうし、社会保障費の負担も軽減されるし、良い面が幾つかあるのではないかと思います。一方、若者達は「仮契約の恒久化」「雇用の不安定」などが起こるとして反発しているようです。確かに今までは一旦就職が決まると、その後は解雇がないという終身雇用の状況でのんびり暮らせていける状況だったのに、という感じなのでしょうか。それにしても、正規採用の場合、解雇がほぼ不可能というのは、労働者のモチベーションの面でかなり問題があるのではないかと思うのですが。　先々週末の夜に、ソルボンヌ大学近くに行く用事があったのですが、行ってみると多くの学生達がCPE法に反対するために集まって、集会を開いていました。現在も多くの大学はストライキで封鎖中のようです。また、その週末にはフランス全土で２０万人とも５０万人とも言われる人が反対のデモに参加したそうです。私の同僚（５０歳代）もこのデモに参加していました。こういうのを身近で見ていると、“フランス人ってアツい！”と感じてしまいます。もし日本で何らかの法律ができて、自分たちの立場なり権利なりが圧迫されようとしたら(例えば消費税引き上げとか）、どうするかな？と考えてみると、不満はあっても黙って受け入れてしまいそうです。今のフランスのような大規模なデモや学生集会は日本では起こらないかもしれないかもしれませんね。それは日本人は外国人と比べて他人の気持ちや考えを思いやれるからなのか、また“長いものに巻かれろ”という考えがどこかあるからなのか分かりませんが。その点、先日の日本のPSE法に対する坂本龍一さんや東儀秀樹さんの行動には感服しました。

  March 28, 2006

• アムステルダム（夫の穴）

  　長らくご無沙汰しておりました。Ozriko夫です。さて、ちょっと前の話になるのですが、学会でオランダ、アムステルダムに行ってきました。実は２年前にも学会の際に訪れたことがあり、このヨーロッパの小国に（と言っては失礼ですが）２度も訪問したことにちょっとした縁を感じています。パリからアムステルダムまで「THALYS」という「TGV」の兄弟である高速鉄道を使い、約４時間。驚かされるのは車内放送です。フランス語、英語、ドイツ語、オランダ語と４カ国語のアナウンスが流れます。１回のアナウンスにかかる時間が長くなるため、アナウンスは必要最低限しかされません。多くの言語がヨーロッパという限られた地域に存在することは、言語の発展を考える上で非常に興味深いですね。　アムステルダムですが、非常に綺麗な街です。デジカメを持って行かなかったので写真がないのが残念ですが、運河、建物を含む街並は個性的で洒落ています。歩道にもゴミや犬の落とし物はありません。これは当然と言えばそうかもしれませんが、パリに慣れているとこれが非常に心地良く感じました。人々は親切で、ほとんどの人が英語を不自由なく話せます。学会に参加していたオランダ人に聞いたのですが、学校では英語、フランス語、ドイツ語を習うそうです。また、ホテルでテレビを見ていても、英語の映画などは字幕で放送されています。多くの言語が混在する中、政治、経済、文化の交流が活発となってきているヨーロッパで、こうしたオランダの取り組みは、他国とのコミュニュケーションに非常に功を奏しているのではないかと思います。　今回の学会は、それぞれ国は違うけれども、まとまって研究資金を調達し、研究の連携をしているヨーロッパのグループ間の報告会だったのですが、このヨーロピアンネットワークは、ヨーロッパが研究面で１つとなっている形として印象的でした。アジアにおける私の分野では、日本と、それ以外の国々の差が割と大きいですが、日本が中心となってアジアンネットワークを作り、研究面での交流がより盛んになればと思います。

  March 20, 2006

• 黒か茶か（夫の穴）

  　ここ最近のパリはめっきり寒くなってきました。１０月が予想外に暖かかっただけに、ようやく本当の冬が始まったという感じですね。そしてパリジャン達もおしゃれに冬服へと衣替えか、、、というとそんなにおしゃれではないですね。日本の冬の街というと、色とりどりのコートやジャンパーを着た人達で溢れていますが、ここパリでは黒か茶系の上着が圧倒的に多いです。たまに白やピンク系のコートを着た女性（主に日本人や外国人）を見かけますが、結構目立ちゃって、スリなんかの標的になりそうで危うい感じですね。ちなみに、この色合いは春も同様です。日本のような春物のコートは存在しないように思えるくらい、人々は黒、茶系の服に身を包んでいます（夏は結構カラフルになりますが）。　そんなダークな感じの服に身を包んだパリジャン達ですが、それでも全然野暮ったくありません。これはやっぱり足が長くてスタイルが良いからかなぁ。あと女性の場合、色物のマフラーやスカーフを首もとに巻いていることが多く、これがワンポイントになっていて良い感じです。また、ダークな服装がパリの古い建物とその冬景色の中にぴったり溶け込む気がします。しっくりするというか。単なる先入観かもしれませんけど。　パリジャンの服装やパリの街を見ていると、１０年前のパリと今のパリを比べても区別できないかもしれないのではないかと考えてしまいます。それに比べて、一般的に日本人は昔から（古くは織田信長の頃から？）、新しいもの、西洋もの好きで、流行に敏感ですよね。キリスト教とかクリスマスとかバレンタインデーとか。自分達の育ててきた古い文化や慣習をあっさり捨てちゃって、新しいものを取り入れていくというのは、なかなか良い所、潔い所もあり寂しい所もありですが。流行や海外からの文化といったものとは無縁な感じのパリジャン達ですが、風景も含めてこの変わらぬ感じがパリの魅力の１つではないかと思います。自分のような無精者としては、日本ほど服装に気を使わなくてよく、結構楽です。

  November 21, 2005

• 地元のプロ野球チームのこと（夫の穴）

  　私の出身は広島で、物心ついた時には自然にカープファンになっていました。遠く離れていても、カープのことは割と気になります。私の小さい頃はカープの黄金期で、毎年のように優勝争いに絡んでいましたが、その頃から考えると、今のカープの状況は本当に寂しいというか、嘆かわしいとしか言いようがないです。しかし、今期末からオフは幾つか良いニュースがありました。　まずは、黒田選手、新井選手。黒田選手は見事、最多勝、ベストナイン、ゴールデングラブ賞受賞と３冠です。最下位チームにも関わらず、この結果は素晴らしいですね。新井選手も本塁打王。ファンからしてみれば随分待たされましたが、ようやく一皮向けて大きく育ってくれたという感じです。　次の良いニュースは監督交代。ミスター赤ヘル、山本浩二の現役時代を悪く言う人は誰もいないでしょうが、同じくらいに監督時代を良く言う人はほとんどいないのではないでしょうか。特に、第二期の采配には疑問がつきまといましたね。このオフに４年連続Bクラスという最低の結果の末、監督が交代しました。新しい監督はカープでもかつて活躍したマーティ・ブラウン。今までのカープの悪しき風習である地獄の練習も無くなりそうだし、ニュースなどを眺めていると随分チームの雰囲気も良くなっている感じです。アメリカの3Aでは監督としても評価が高かったようですし、ちょっとずつでもチームを改革して上位争いに加わっていってもらえればと思います。　そして、３つ目はドラフト。高校生ドラフトでは、左腕が常に不足しているカープにとって是非とも欲しかった報徳の片山投手を抽選で楽天にとられてしまいました。しかし、大学生、社会人で即戦力遊撃手の日産の梵英心（そよぎえいしん）選手を獲得しました。梵選手も楽天との競合が心配されましたが、広島出身でカープと相思相愛ということや、楽天の野村監督が投手を欲しがったということで、楽天が指名を回避したようです。広島にとってドラフト、遊撃手とくると、某在京球団に金でさらわれたN選手という忌まわしき過去があります。それ以来、広島の遊撃手は常に課題でしたが、今年の社会人ナンバーワン内野手とも言われる梵選手を獲得できたのは本当に大きいです。若い選手も育ってきているようですし、これからのブラウン新生カープに期待していきたいと思います。PS. いつもカープの話題に付き合って頂いている“迷司会者”さんには感謝です。

  November 21, 2005

• 結婚指輪は何のバロメーター？（夫の穴）

  　フランスの良いところの一つは食事が美味しいところ。フランス人って美味しいものいっぱい食べて、太っている人が多いんじゃないかと思っていましたが、以外にも太っている人って少ないんですよね。これは食事のスタイルによるのではないかと思います。Diner（夕食）はもちろん、De jeunerでもメインの後はデザートを食べて、カフェで終わりというのが一般的なようです。これの何が良いのか？最後にデザートを食べることによって血糖値が上がり、満腹になって余計なものを食べなくて済むんです。顕著なのはお酒を飲むとき。こちらには居酒屋にあたるお店はなく、食事のときのワインは料理とのコンビネーションで楽しみます。日本の居酒屋のように飲みながら食べることを続けることがありません。飲みたいときは飲むのみです。　さて、そんなフランスに新婚でやって来たのですが、こちらに来た当初は体重が減ってしまいました。もちろん多少のストレスは原因の一つだと思われますが、その他、妻の食事量に合わせていたこと（新婚なもので）、お米を食べる機会が減ったこと（やはり炭水化物は取りすぎると脂肪になります）なども原因でしょう。実は体重計は持っていなかったのですが、あるものにより、体重の変化が一目で分かりました。それは”結婚指輪”。３月の結婚式では指にぴったり、というか指輪交換で指になかなかはまらずにあせったくらいだったのに、４月のパリではスカスカ。妻の指輪もスカスカでした。　こんな体重のバロメーターである結婚指輪。ハードな仕事をした日、頭をたくさん使った日の夜は、やはり指輪はスカスカになりますね。結婚するまで体重の変化にほとんど気を使ったことがなかったのに、今では毎日、指の具合が気になります。しかし、なかなか”幸せ太り”にはなりません。幸せのバロメーターにはならないのかも？

  October 18, 2005

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  "That must be hard for you"　（夫の穴）

  先日、隣の研究室のインド人と話していたとき、ちょっと面白いことがありました。僕と彼は同じテクニックを使って実験を進めようとしているのだけど、それについて「調子はどう？」と聞いたところ、「僕には難しいのかな？疲れてるように見える？」と笑いながら答えられました。そのとき僕が着ていたシャツがこれ。彼と一緒に笑ってしまいました。　日本で着ていても誰も何も言わなかったけど、やっぱり英語を母国語とする人にはパッと目に付くのですね。そうして思い返してみると、これを着ていた日、教授（スコットランド出身）とディスカッションしていたのを思い出しました。やばいなぁ、絶対目に付いてるだろうなぁ。これを着る日は気をつけないといけないようです。

  October 11, 2005

• 教授の尊敬される理由（夫の穴）

  　日本は年齢や上下関係を重んじる国で、年上の人には○○さん、先生には□□先生と呼び、敬語を使いますよね。この立場によって言葉を変えるというのは、日本人の性格を決定している１つの要素でしょう。英語でも礼儀正しく話すということはありますが、日本語のそれと比べると大したものではありません。　しかし、日本での礼儀というのは実力によって判断される世界やコミュニケーションを重要とする分野にとって決して都合の良いものではないでしょう。サッカーのJリーグ等のチームプレイを主体とするスポーツでは、例え年上であってもニックネームや呼び捨てにするようになってきているというのは、やはり敬称や敬語というのが不必要、さらには邪魔なものであるということから自然なことでしょう。　同様に、コミュニケーションを重要とする研究の分野ではどうでしょう。日本の研究室では、やはり先輩は○○さん、教授は□□先生と呼び、敬語で話します。こちらフランスの研究室では、教授も年上の人達もファーストネームやニックネームで呼び合い、年下の人からも呼び捨てにされます。もちろん敬語もありません。この上下関係が希薄な環境というのは、対等な関係で話すことができ、活発な議論をするのに非常に役立ちます。日本では知らず知らずの内に敬称や敬語により上下関係を意識させられ、どこか遠慮してしまうところがあるのではないかと思うし、実際にありました。　敬称や敬語のない世界では、教授を初めとするパーマネント研究者は、それ以外の所で、学生やポスドク（博士課程終了後の短期契約の研究者）の信頼を得て指導しなければなりません。それは能力や実績であったり、人柄であったり。そのためか、欧米の国々では、良い研究をしている研究者は、素晴らしい人格者であることが多い気がします。いつか日本に戻っても、敬称や敬語に胡座をかかされて、裸の王様にはならないようにしたいものです。

  September 24, 2005

• パリの英語事情（夫の穴）

  　バカンスシーズンのパリは、パリジャン達がパリから離れ、逆に海外からの観光客が多くパリにやってくるため、春とは違った趣き。パリのメトロ（地下鉄）の中ではフランス語よりも、それ以外の英語やスペイン語といった言葉を良く耳にするようになります。日本人の観光客の方々も多くいらっしゃいますね。そんな観光客を含め、日本からやってくる、もしくはやってきた人達が周りからしばしば聞かされるであろう不安な文句、「フランス人ってフランス語しか話さないんでしょ？」。　言葉については、僕もこちらにやって来る前に心配していたことの１つでした。職場は海外からの研究者もいますし、研究職ということで、研究の世界の公用語、つまり英語が通じることは予想できますが、街中ではどうなんだろうと。しかしパリに到着したその日、タクシー乗り場が見つけられなくて通りを歩いていたお兄さんに英語で話しかけてみたところ、親切に英語で答えてくれました。これはかなりうれしかったですね。少なくとも英語が話せる、話してくれる人はいるし、パリの人が親切だったということが分かって（といってもこの時点で一人なんですが）。フランスの他の地方はどうか分かりませんが、パリは観光都市ということもあってか、かなりの割合で英語が通じます。そして、かなりの割合で人々は親切です。　それでも、パリで英語が通じずに苦労したところ、それは役所や警察。これまで滞在許可証や、その住所変更で役所と警察を訪れたのですが、ほとんど英語を話してくれません（話せるのかどうかは分かりませんが）。フランス語しか使ってはいけないとかいう方針なんでしょうか？フランスの役所や警察の人達は、日本と違って融通が利き良いところもあるのですが、少なくとも外国人相手の部署では、ある程度の英語を使ってくれても良いのではと思いました。　外国人としての立場から日本の言葉事情を考えたところ、どうでしょうか。駅や街中の標識ではローマ字が多く使われていて親切ですよね。でも、会話は？日本に行く職場の同僚が心配していたこと、それは「日本って英語が通じる？」。確かに、多くの日本人は中学、高校と英語を習う訳だけど、街中で外国人に英語で話しかけられても避けてしまう傾向にある人が多いのではないでしょうか。むしろ日本のほうが外国人との会話については閉鎖的かもしれませんね。一生懸命、つたない英語で話してくれるフランス人に会うと（自分もつたないですが）、日本に戻って外国人に会ったら親切にしようと思ったのでした。

  August 29, 2005

• 働く時間が短いと良い研究者になれる？（夫の穴）

  　日本人が勤勉であるのに対して、フランス等の欧米各国は労働時間が短い、さらにはあまり働くことが好きでないといった印象をお持ちの方達もいるのではないのでしょうか？　確かに一般的にフランスでは、日曜日はほとんどの店が休みとか、夏はバカンスを長く取るとかで、労働時間は日本より短いでしょうね。僕の職業である研究者に関しても労働時間には結構な違いがあると感じます。日本にいたときの研究室では朝から夜中まで１日１６時間くらい研究室で何やかややって、土日もちょっと働きに行き、お盆も正月も２、３日という感じでした。フランスでは長く働く人でも１日１２時間くらいだし、土日もほとんど職場で人に会わないし、夏はバカンスで２－４週間、冬はクリスマス休暇とか、他にもちょくちょく休んだり。でもそうかと言って、研究のレベルが低いかというとそうでもないんです。皆、良い仕事をし、良い論文を書いています。日本で１６時間も研究室にいて何をやっていたんだろうと思い返したりしてます。　結婚して妻が家で待っていること、周りのフランス人のペースに影響されたこともありますが、今現在、僕の労働時間は１日１２時間くらいです。土日もできるだけ職場に行かないようにしてるし、夏もちょっとだけバカンスを取りました。最初は労働時間を減らしたことによる気持ちのあせりや、残してきた仕事のことが休んでいる時に思い浮かんできますが、なんか段々と慣れてきました。きっと日本人の勤勉な国民性は後天的なものなんでしょうね。　こうしてフランス人の労働スタイルに近づいてみて感じてきたこと。それは、選べるという感じ。日本にいた時の仕事はそれなりに面白かったし、少ない中でのプライベートな時間も楽しんでいました。でも、あまり選んでなかった気がします。仕事をいっぱいいっぱいして、その合間にお酒を飲んだり、デートしたり、すとにかく仕事以外のやらなきやいけないこと、やりたいことを詰めこんで、その後はまたすぐ働かなきゃ、という日々でした。こちらでは時間にゆとりを作ることで、いろいろすること、したいことを選べます。これは結果として、主体的に考え、選ぶことができる習慣がつくかもしれませんね。　この主体性は研究者にとって重要なファクターの１つです。自分だけの考えや、感じ方を大切にしなきゃいけないから。だからフランス人は働く時間は短くても、良い仕事ができるのかな。また、主体性って日本人に少し欠けてるものかも（そのぶん、逆に協調性が現れるのでしょうか）。主体性がありすぎても自己中心的な感じにもなりかねませんが、フランス人にはこのタイプが多々いるような。僕も勤勉さと、主体的に考える頭の両方を手に入れられたら、少しは研究者として成長できるでしょうが、勤勉さを失いつつあるところです。

  August 23, 2005

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