音響コラム - 知っているつもりのレコード鑑賞 第1回『チョット後の音が先に聴こえてくるのはなぜ?』
- 音響コラム -知っているつもりのレコード鑑賞第1回『チョット後の音が先に聴こえてくるのはなぜ?』■CD出たての頃は レコードで持っていたものをCDに買い直して長らく棚を占拠していたLPレコードは処分しコレクションの高音質化を目指した オーディオマニアが続出しましたが蓋を開ければ 高額で買った高音質を誇ったはずのCDはレコードの足元にも及ばない 音の痩せた代物で日本中を失望させたのも 遥か昔の懐かしいお話でした現在の音楽鑑賞は CDからMP3ファイルに変換してスマホで聴いたりストリーミングサービスに切り替えるユーザーも多くレコードから始まったディスクとして所有する音楽鑑賞の時代も一つの区切りを迎えたように思えますレコードで再生して音楽鑑賞をしていた日々も記憶の忘却の彼方へと押しやった方も少なくないでしょうそんな中今でも ビートルズはレコードが基本を譲らないマニアは多く加えて若い世代がレコードに興味を持つ様になるなどレコード人気がまだまだ続いている中、今ではipodやスマホで音楽を聴く新しもの好きな中年諸氏でもあんなに何度も再生したレコードの仕組みは何かという話になると何も知らないままデジタルへ移行したという答えが帰ってくるというのが一般的なのでは無いでしょうか。そんな、知っている様で知らなかったアナログ・レコードの仕組みを・・・自宅から昔のカセットテープが沢山出て来て企画を思いついた今回w紐解いてみようと思いますそれでは今回も、一緒に勉強して行きましょう☆■ハードロックを聴くと薄っすらチョット前の音が聴こえてくる謎■Led Zeppelin at a concert in Chicago, Illinois(画像参照: wikimedia)■はるか昔の学童時代、レッド・ツエッペリンの 『4』 のアルバムを手に入れてレコードを取り出しターンテーブルの上に乗せて針をレコード盤にかけて1曲目の 『Black Dog』 を聴いた時の事でしたロバート・プラント のアカペラきっかけで演奏に入る直前に無音部分でなぜか 薄っすらと これから鳴る 演奏音が聴こえて来ました再現するとこんな感じです・・・w(岐阜某所のVo氏の自宅にて)ガサゴソ・・・(vo レコード棚からレッド・ツェッペリン4を取り出す)・・・・・・・w (vo ジャケットを眺めながら悦に入る)ぱか ススス~(vo レコードジャケットから内袋ごとレコードを取り出す)・・・ト ン (vo 一旦畳にジャケットを置く)スス ・・・・スウウウウウっつ スタッツ パサ・・・(vo 内袋に入ったレコードを取り出して片手で持ちながら一旦内袋をジャケットの上に置く)・・・トト スタッツ (vo レコードの縁を両手で添える様に持ち、ターンテーブルにレコードを置く)カタ・・・ク・・・ルクルクルルルルルルルル(vo トーンアームを上げるとターンテーブルが回り出す)ブチッツ・・・ザザザ~(vo 注意しながらレコードに針を落とす)(曲始まる)ギョンギョンギョンギョンギョンギョンギョンギョンンン・・・♪Hey, hey, mama, said the !way you move,Gonna!!make you sweat, gonna !!!make you groo~ve~カチ(スティック音)タララ・・・タ!ララッツ!!! ラ!!!ララ~ラ!!!この タララ・・・ の所が という訳ですこの雰囲気伝わりましたか?・・・wその後も、ブレイクの度 これから鳴る音が薄っすらと聴こえて来てそれは レッド・ツエッペリン のレコード特有の事ではなくレコード全般に聴かれる 現象である事に気付いたのでした。レコードで音楽を聴いた事のある方であれば誰もが体験したこの現象これは一体なぜ起こるのでしょうかそれは、レコードの製作過程で引き起こされるレコードならではの特異な仕様と言えるものでした。【プリエコー現象】 Neumann SX-24 Record Cutting Machine (画像参照: wikimedia)■このレコード無音部分で聴こえる小さな先行音はプリエコー (又はゴースト) 現象 と呼ばれレコードを制作する、カッティング作業中に 引き起こされる現象です。レコードのカッティング作業は、テープに録音された音声信号を振動に変えて それを針の先に伝えて回転するマッサラな円盤を振動する針先で引っ掻きながら溝を掘り音声を記録して行く作業を言います。この時の 記録中の針先の振動 が既に記録済みの 隣の溝 にまで伝わる位、強い場合直後の音が薄っすらと重なって記録 される程に隣の溝を 変形 させる事がありそれが プリエコーの原因となっていたという訳です言わば 工程上の仕様とも言える産物なのでした。後年、レコード製作技術が向上しカッティングに使用する円盤は「ダブ・プレート」と呼ばれるアルミニウム板をラッカーコーティングした特殊な金属盤を使用しカッティングは完全コンピューター制御で音量に合わせてカッターの送り速度を細かく調整出来る様になりカッターとなるダイヤモンドやサファイア針で正確に音振動を確実に刻み込みながらダイナミックレンジ (録音出来る音の大小の差) を確保出来る様になりプリエコー現象を避ける為に 出来るだけ深く溝を刻みながら振動を伝わりにくく出来るようになりました。こうして出来上がったレコードプレス用の原盤 (ラッカー / lacquer)の表面を銀鏡反応と電解ニッケルで分厚くメッキして剥離し、メタルマスタ (metal master) と呼ばれる凸型の金型を作り次に、このメタルマスタを分厚く銅メッキして剥離し凹型のマザー(mother)を作り最後に、マザーの表面をニッケルやクロムで分厚くメッキして剥離した凸型のスタンパ(stamper)を作りこれを金型にしてビニライトと呼ばれるポリ塩化ビニルをプレスして成形して上質なレコードが次々と生産されて行くのでした。この技術がまだ無かったハードロックの全盛の70年代はレッド・ツェッペリンを始めとする楽曲のダイナミックレンジが大きいアーティストが主流だったので音が大きい所では針の刻む振動も強くなりそれだけプリエコー現象が起こりやすいレコードが多く輩出されてしまったという訳でした☆【カセットテープのプリエコー現象の理由】Sony Walkman Professional WM-D6C (画像参照: wikimedia)先ほどのレッド・ツエッペリンのレコードが 無音部分で演奏が聞こえて来ると言うのも音楽がラウドな故の副産物と 言えるのでしょうと いう話をすると、ロックが大嫌いな方にとってはどーでも良い話だと家電のメルマガでも読む様な眼を向けてスルーしようとする事と思いますがそれでは例えばあなたが若かりし頃 w ・・・彼の車で中央フリウェイをドライブした時ドライブインで買ったあなたの大好きな歌手の カセットテープ からも同様の現象が聴かれると言ったら 今度はどう説明出来るでしょうか?レコード製作で使用される音源は磁気テープに録音されたもの を再生して使用しますカセットテープ販売される音源はこのマスターテープ音声をダイレクトに音声ダビングして使用するので一見 レコード・カッティングで現れるゴースト現象とは無縁の様に思えます実はここにも、アナログテープならではの仕様に理由があるのでした。Otari_MX-80 (画像参照: wikimedia)録音は音声信号を100KHzの高周波信号に変換して磁気テープに記録して行く交流バイアス法 と呼ばれる方式を使用して録音されます磁気テープへはランダムな方向に組まれた磁性体を録音ヘッドからの磁気で磁化させて記録して行きます。そうして磁気記録された音声信号を再生ヘッドから読み取って音声に変えるのでこれらの工程からは ゴースト現象が起こる要因は 見当たりませんしかし、そうして録音された テープを巻き取る事で 長時間保存していた時に巻き取られて重なった テープの面と面の磁気が互いに転移 して再生した時に転移した音が薄っすらと聴こえるゴースト現象 が起こるとされていますレコード製作の現場では、その様な現象を避けるためにテープが重ならないように間に一枚、リーダーテープ と呼ばれるビニール製のテープを挟んで巻取り長期保存をするそうですロックジャーナリストの伊藤政則氏 の話によると欧州のインディーズ系のメタルバンドのレコードのCD化などでは保存の関係で 音声が転移した ひどい状態のマスターテープを使用した作品が数多くあったようでひどい場合は、テープそのものが破損していて音声に連続的なノイズが入る最悪な作品もあったそうですがそれは、ゴースト以前の問題ですねw若かりし頃 アマチュアバンドをやっていた事のある(恥)ご主人なら練習を録音したカセットテープの無音部分に気持ちだけロバート・プラントのご自身の声が薄っすらと聴こえて来るのを 不思議に思った経験があるかと思いますが以上の理由があったわけです。△▼△▼△▼さて、良く言われております 『レコードの方がCDよりも音が良い』 とはいわゆる オーディオマニアによるオーディオマニアの為の主観的な都市伝説であると 一般には言われています。事実、レコードは磁気テープに録音されたものを使用しておりその周波数帯は 40~18,000Hzで CDの 2~22,000Hz を大きく下回っていますし最近のCDに使用される音声は24ビット録音された高音質を CDで使用される16ビットに変換されたもので初期の様な 音痩せしたものでは無くその事実だけでも レコードの音が良いというのはSMEのプレーヤーに マークレビンソンのアンプとJBL4348のスピーカーの様な高額な名機を通した アンプ音が オーディオマニアの五感に訴えるものに過ぎないという結論が 真実として通っておりますしかしそれが事実だとしても、果たして本当にそれだけで片付けられる事なのでしょうか?それは又 次回で・・・■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■レコードプレーヤー レコードプレイヤースピーカー内蔵 CD録音 レコード カセット CD ラジオ プレーヤーデジタル化 録音 ダイレクト録音 カセットプレーヤー 送料無料価格:12980円(税込、送料無料) (2023/2/25時点)vo『コレ一台でレコードもカセットテープもデジタル化出来るそうです☆』LP-R520 TEAC [ティアック] ターンテーブル/カセットプレーヤー付CDレコーダー価格:54800円(税込、送料無料) (2023/2/25時点)vo『コチラはカセットテープメーカーTESCが出している本格タイプです☆』ナガオカ|NAGAOKA アナログレコード専用クリーニングスプレークリアトーン558 SP-558[SP558]価格:1650円(税込、送料別) (2023/2/25時点)vo『コレをレコードにべったりと塗ってたヤツ居ましたW』オーディオテクニカ|audio-technica レコードクリーナー AT6012a価格:1850円(税込、送料別) (2023/2/25時点)vo『そいつはさっきのをベッタリ塗った後、コレで拭き取ってましたW 多分全て使い方を間違ってたと思いますw』ナガオカ|NAGAOKA レコード針洗浄液ハイクリーン801 AM-801/2[AM8012]価格:770円(税込、送料別) (2023/2/25時点)vo『トドメは、コレでレコード針の汚れを落として再生するのが昔のオーディオマニアの王道だった訳です☆』【LPレコード】Led Zeppelin レッドツェッペリン4(180グラム重量盤レコード) 価格:6270円(税込、送料無料) (2023/2/25時点)vo『その様なルーティンを経てレコードを再生し悦に浸るのが日課でしたW』【新品LPレコード】FOR YOU - 山下達郎 TATSURO YAMASHITA(完全生産限定盤) (アナログレコード) [Analog] 2023年5月入荷次第発送【限定 ジャケット絵柄メガジャケ付】価格:7368円(税込、送料別) (2023/2/25時点)【CD】レッド・ツェッペリン4 (デラックス・エディション) [ レッド・ツェッペリン ]価格:3080円(税込、送料無料) (2020/1/8時点)【CD】日本の恋と、ユーミンと。 [ 松任谷由実 ]価格:3292円(税込、送料無料) (2020/1/8時点)