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テーマ:お勧めの本(7219)
カテゴリ:ミステリー小説
『幽霊塔』江戸川乱歩、岩波書店、初版2015年6月5日、初出:『講談倶楽部』1937年1月号~38年4月号。
<あらすじ> 時代背景は1915(大正4)年、田舎の方では電気が十分に普及しておらず、停電はしょっちゅうあった。列車がレールを外れて脱線することもたまに起った。 この建物を元判事の児玉丈太郎が購入した。甥の北川光雄が下見に来た時、野末秋子という同世代の美人と出会い、光雄は一目ぼれした。彼女は、児玉にも気に入られ、彼の養子になり、幽霊塔に一緒に住むことになった。 <良さんの解説> 本書の原作は、アメリカのアリス・マリエル・ウィリアムソンという女流作家の小説『灰色の女』。これを黒岩涙香が日本語に翻訳し、それを江戸川乱歩が彼なりにアレンジした。1937年~38年に『講談倶楽部』に連載された。日本が中国に侵略を拡大し、アジア・太平洋戦争が始まる3年前に当たる。つまり、戦争中だ。 本書の基本は、幽霊塔そのものである。九州の大富豪・渡海屋市郎兵衛が別荘として建てた。彼の趣味で隠し部屋が、いたるところにあるのが特徴だ。時計塔の機械室には入れない。ゼンマイを巻いたり、時間を調整したりするのは、秋子にしかできない。 なお、アニメ映画の製作・監督として有名な宮崎駿が、この作品のファンで、巻頭に16ページを使い、マンガで幽霊塔を表現している。 ホーム・ぺージ『これがミステリーの名作だ』も御覧ください。
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Last updated
2017.11.28 13:25:03
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