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良さんの読書日記

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2017.11.28
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テーマ:お勧めの本(7219)
カテゴリ:ミステリー小説
幽霊塔江戸川乱歩岩波書店、初版2015年6月5日、初出:『講談倶楽部』1937年1月号~38年4月号。

<あらすじ> 

 時代背景は1915(大正4)年、田舎の方では電気が十分に普及しておらず、停電はしょっちゅうあった。列車がレールを外れて脱線することもたまに起った。
 主な舞台は長崎県。Kという小さな町に三階建ての洋館があり、屋根の上には巨大な時計塔が載っていた。そこで、6年前に殺人事件があり、その時の当主は行方不明になったきりだった。それ以降、だれも住んでいない。町の人からは幽霊塔と呼ばれていた。

 この建物を元判事の児玉丈太郎が購入した。甥の北川光雄が下見に来た時、野末秋子という同世代の美人と出会い、光雄は一目ぼれした。彼女は、児玉にも気に入られ、彼の養子になり、幽霊塔に一緒に住むことになった。
 そうこうするうち、光雄の許嫁・三浦栄子が他殺体で発見された。また、児玉が毒殺されそうになった。状況証拠は、秋子が犯人であることを示していた。彼女の疑いを晴らすため光雄は奮闘する。 

<良さんの解説>

 本書の原作は、アメリカのアリス・マリエル・ウィリアムソンという女流作家の小説『灰色の女』。これを黒岩涙香が日本語に翻訳し、それを江戸川乱歩が彼なりにアレンジした。1937年~38年に『講談倶楽部』に連載された。日本が中国に侵略を拡大し、アジア・太平洋戦争が始まる3年前に当たる。つまり、戦争中だ。

 本書の基本は、幽霊塔そのものである。九州の大富豪・渡海屋市郎兵衛が別荘として建てた。彼の趣味で隠し部屋が、いたるところにあるのが特徴だ。時計塔の機械室には入れない。ゼンマイを巻いたり、時間を調整したりするのは、秋子にしかできない。
 この幽霊塔で殺人事件、その他が起こる。また、ここには、渡海屋が貯めた金銀財宝が隠されているという噂があった。
 基本ストーリーは、容疑者になった秋子を、真犯人を探すことによって救おうとする光雄の活躍である。養虫園という怪しげな蜘蛛屋敷に潜入したり、東京のモグリの医者に会ったり、東奔西走する。

なお、アニメ映画の製作・監督として有名な宮崎駿が、この作品のファンで、巻頭に16ページを使い、マンガで幽霊塔を表現している。

ホーム・ぺージ『これがミステリーの名作だ』も御覧ください。
http://bestbook.ife.coocan.jp



 

 






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Last updated  2017.11.28 13:25:03
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