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カテゴリ:日常
と、言うわけで食後にわかどりはトリ実家に向かったのである。
じいちゃんの家からは徒歩10分なのだが、近くて遠く、 ほんとに久しぶりにわかどりは実家の門をくぐったのだ。 実家の門をくぐってから、数分歩くと玄関にたどり着いたが、 やはり敷居が高かったのだ。 しかし、そこで帰ってしまってはこれまでと全く何も変わらないので、 無心になって『ガラガラ』と戸を開けたのだ。 それに気が付いてまず出てきたのは、 トリママであった。 トリママは、『あらまあ、珍しい人がやってきたわ。』 『さあ上がってちょうだい。』と手招きをする。 廊下を頭をすっかり空っぽにして、廊下をテクテクと歩いていき、 客間と居間を通り過ぎ、さらに廊下をテクテクと歩いて とうとうトリパパの書斎の前にたどり着いたのだ。 この扉の向こうにトリパパがいる、と思うととても緊張したが、 ここで帰ってしまっては今までと変わらないので、 叩けばコーンっといい音がするくらい頭を空っぽにして 『ガラガラ』と扉を開けた。 トリママの大きな声ですでにわかどりが帰ってきたことを トリパパは知っていた。 『ただいま帰りました。』と、わかどりは御挨拶をした。 トリパパに答えはなかったのだ。 無言のまま過ぎる時間に、トリママは、 『さあさあ、こっちにきて座って。何しているの、足をくずしていいのよ。』と 少しでも場を和やかにしようとにこやかに振舞っていたのだ。 わかどりは、トリパパの机の向かいに座ったが、 さらに無言のまま時間が流れ去っていった。 と、そこに、トリママが 『おいしいスイカが手に入ったのよ!』と言って、 よく冷えたスイカを2切れずつトリパパとわかどりの前に置いていったのだ。 しかし、そんなスイカも空しく温まっていったのだ。 スイカの皮がすっかり汗ばんだ頃、 トリパパが重い口をようやく開いた。。。。 続く・・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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