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島田雅彦の『悪貨』を読みました。
島田雅彦の本を読むのは、実に十年ぶりじゃわい。昔は好んで読んでたのにねー。ミイラになる話しか覚えてないや~。 純文学な人だと思ってましたが、『悪貨』は何だかエンタメ風。ホームレスが百万円の偽札を拾うところから始まるんだけど、そのカネに関わった人間に不幸の連鎖を巻き起こしちゃうのよ。 実は偽札はその百万円どころじゃなくて、何百億もの精巧な偽札が市中に出回り、日本経済はハイパーインフレに。このままでは日本経済が破綻し、中国が日本を植民地化してしまうのも時間の問題。日本は経済テロの標的にされてしまったのだ。 理想の社会を目指す団体「彼岸コミューン」、彼らに多額のカネを寄付する謎の男、潜入捜査を命じられた美人刑事、偽札を見分けるプロなどなど、色んな人が出てきて絡み合っとります。 普段、本物かどうかも気にしてなかった諭吉さん。機械もスルーしてしまうような偽札が大量に出回ってたら、銀行から引き出したものだから大丈夫、って安心してられないね。カネで日本列島をまるごと買われる、なんてのも荒唐無稽な話ではない。知らないうちにそうなってて、気付いた時には手遅れなんでしょうね。 野々山だか野々宮だか名前は忘れましたが(←コラ)、彼は社会を変えようと自分なりに頑張っておりました。最後は「で、あんたは一体何がしたかったんだ?」と突っ込みたくなるような結果になっちゃうんだけど。 マネーロンダリングだのハイパーインフレだの、おいらにゃよく分からない世界の話ですが、わりかし読みやすかったです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.10.06 05:32:58
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