カテゴリ:みる・きく
navajoworkcampさんのブログから、素敵なお話をご紹介します。
「ダックエッグ おばあさん」クリー族のお話 むかし ひとりの女の子がいました。 ある寒い日、その子の具合はとても悪くなり、ひどい咳と胸の痛みで、話すこともできず、息をすることさえ苦しそうでした。 お母さんとお父さんは、その子を毛布や毛皮にくるんで暖めましたが、具合は少しもよくなりません。悪くなるばかりです。 瞳からは光が消え、今にも命の火が消えてしまいそうです。 そこで、ひとりのおばあさんを呼びにやりました。ヒーリングウーマンといわれるそのおばあさんには、病気を治す力があり、名前をダックエッグといいました。 とても年をとっていて、いったいいくつなのか、知っているものは誰もいません。 顔には、深いシワが刻まれていました。 ダックエッグおばあさんは家にやってくると、足を引きずりながら、焚き火のそばに寝ている娘に近づき、優しく毛布を持ち上げると、白く輝く胸に耳を当て、じっと聞いていました。 部屋には、娘の苦しそうな息だけが聞こえています。 おばあさんは、ずいぶん長い間そうしていましたが、ようやく顔を上げると話し始めました。 「きつねの足音が聞こえる。雪の上を走っているきつねは、とても弱っている。 足を引きずって、息も荒い。とても苦しそうだ。 ああ、かわいそうに、きつねは長旅をしなくていけない。おなかもすかせている。 冷たい雪の中を歩くたびに、ハアハアと苦しそうに息をしている。 この子の胸の奥で、それが聞こえる。」 お父さんは、おばあさんのところにやってきて言いました。 「ダックエッグ、私はハンターです。私が、雪の中に出かけていって、そのきつねをつれてきましょう」 おばあさんは頷きました。 「それがいい。その小さなきつねを、ここにつれてくるがいい」 お父さんは雪靴をはくと、まばゆい雪の中を村の外へと向かいました。(to be continued) (Translated by Hanamari) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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