カテゴリ:会社・経営
「海に連れてってー」と言う子らの叫びに押し切られ海に行ってきた。 海と言っても電車1本で行ける三浦半島の三崎口の海岸である。 三崎口の駅前に野菜の産直(「さんちょく」と読む、正確には「産地直売」かな?)があった。 産直のおばさんが、販売所の横の畑から枝豆を引き抜きそのまま台に並べて売っている。 「収穫」→「搬送」→「販売」がおばさん一人 で、わずか30m位の距離の中で行われているではないか? 世の中、フードマイレージやら、食品偽装やら、99ショップの雇われ店長問題等、食にまつわる心配事が騒がしいが、ここにはそんな心配などない。何ていったって目の前でおばさん一人の手で行われているのだから。 扱っている野菜は「枝豆」と「とうきび」(都会では「とうもろこし」と気取って言うらしい、おばさんは、「もろこし」と言っていたが)の2品目。 「このとうきびは、朝もぎなの?」と聞くと、横の畑のほうを見ながら「朝もぎも何も今もぎだよ」と言う。「無農薬だから、おいしいよ、ナマのままでも甘いんだから」とのこと。 さて産直だが、先日、一ツ橋大学の関満博教授からとても面白い話を聞いた ・日本では60年前から無人販売所が始まった ・20年前から直売所が始まった(これは日本にしかないシステム) ・産直マーケットの一般的規模は 1時間圏内 1万人規模 100人の農家 1億円の売り上げ(100万円/人) ・産直の農業市場は6000億円! ちなみに米は2兆円、野菜は2兆円とのこと 産直は、日本の農業全体の中でもかなりのボリュームであることがわかる。農産品の販売と言えば農協が有名だが、産直とはその農協とはまったく別に発展した農家の手による農家のための販路開拓なのである。 最近はその勢いに乗ろうと、5年前から農協も参入しているとのことだが、関先生によると、店の勢いが違うので、農家主導の産直か農協主導の産直かは、見ればわかるとのこと。 農家の産直、今で言うところのBtoCではないか? 資本主義が進み過ぎると「B to B to B to B to B to B to C」と、過剰な下請け化が進む。 墨田区のベンチャー企業家によると、ビジネスは「6段のBtoBになるとつらい」とのこと いびつな下請け構造の結果 ・偽装請負 ・重層下請け ・系列 ・中間マージン ・無理な納期 ・高コスト 等々の問題が起こって、 消費者にも生産者にも不幸な状態 になっているのではないだろうか? 建築の世界でも問題はおきている。耐震偽装、施工ミスなど建築特有の問題の根もここにあると思う。 農家の産直は、進みすぎた資本主義が抱える問題点を解決するさまざまな示唆に富んでいるのではないだろうか? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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京成電車にのって野菜をいっぱいかついで売りに来ていた行商のおばちゃんも、今ではてっきり見なくなりました。うちの親父は、店も無く責任を持ってくれないところから買うなとお袋にいっていたことを思い出しました。
(2008年08月16日 10時18分40秒)
私の父の実家も岐阜県で直売やっていますが、
月に100万売るときもあると言っていました。 街道沿いの今にも崩れそうな掘っ建て小屋で 典型的な農家の人がやっているという感じです。 かえって、その方が買うほうの安心感を誘うようです。 生産者がその場で直接販売する。 シンプルだけど商売の基本ですね! (2008年08月16日 12時55分11秒)
どうしても「農薬」とか「売り手が作っているのか」ということ。それはISOなどの制度をうまく利用して、産直の持つ商売の原点を見直すことに、活路がたくさんありそうですね。久々に実になる話伺いました。
(2008年08月17日 18時57分48秒)
産直と聞くと買わずにはいられないですね。旬のものを旬の時期に、地産地消、その方がみんなにとって良い事だと思います。
(2008年08月17日 21時50分15秒)
木で熟したフルーツや、畑で熟した野菜を食いたいですね
(2008年08月18日 09時05分51秒)
リンタ2007さん
>京成電車にのって野菜をいっぱいかついで売りに来ていた行商のおばちゃんも、今ではてっきり見なくなりました。うちの親父は、店も無く責任を持ってくれないところから買うなとお袋にいっていたことを思い出しました。 ----- 行商のおばさんは、曳舟駅の辺りでは今もいるようです。行商のマーケットについても気になりますね。 (2008年08月18日 12時04分37秒)
Bewishさん
>私の父の実家も岐阜県で直売やっていますが、 >月に100万売るときもあると言っていました。 >街道沿いの今にも崩れそうな掘っ建て小屋で >典型的な農家の人がやっているという感じです。 >かえって、その方が買うほうの安心感を誘うようです。 >生産者がその場で直接販売する。 >シンプルだけど商売の基本ですね! ----- 月100万円の売り上げとはすごいですね!農家の荒利ってどのくらいなのでしょう (2008年08月18日 12時07分13秒)
型鍛冶御酢屋さん
>どうしても「農薬」とか「売り手が作っているのか」ということ。それはISOなどの制度をうまく利用して、産直の持つ商売の原点を見直すことに、活路がたくさんありそうですね。久々に実になる話伺いました。 ----- ユニクロなんかは製造、流通、販売をすべて一社でやっているので、まさに「産直ビジネス?」ですが、規模が大きいことが農家の産直との違いなのでしょうか? (2008年08月18日 12時10分47秒)
tomorin75さん
>産直と聞くと買わずにはいられないですね。旬のものを旬の時期に、地産地消、その方がみんなにとって良い事だと思います。 ----- ボクもついつい産直に惹かれます。本能的に良いと思うのでしょうか? (2008年08月18日 12時12分52秒)
深ピーさん
>木で熟したフルーツや、畑で熟した野菜を食いたいですね ----- そうでね。熟しているのが食べれるのが魅力ですよね。普通は流通や販売の段階で賞味期限がどんどん経過してしまいますものね。 (2008年08月18日 12時15分20秒)
とれたての野菜に妙に魅かれます。昔は当たり前だったのになー
(2008年08月18日 12時39分04秒)
すだなるさん
>とれたての野菜に妙に魅かれます。昔は当たり前だったのになー ----- ボクも「とりたて野菜」惹かれます。家庭菜園とかやってみては? (2008年08月18日 13時04分14秒)
漁業も産直が広がると面白いんですけどね。ただ漁業の場合は魚の扱い等で農業より難しいですけどね。
(2008年08月18日 14時26分11秒)
いっちゃん2005さん
>漁業も産直が広がると面白いんですけどね。ただ漁業の場合は魚の扱い等で農業より難しいですけどね。 ----- 漁業の産直面白そうですね。魚の値段の決定には、大手の販売店が決定権を持っているようですね。 (2008年08月22日 09時38分14秒) |
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