詩人たちの島

2007/04/10(火)21:30

Flat Stanley

essay(268)

"Flat Stanley"のお話って知ってる?ヒューストンに住んでいる友人の娘Madeleineから可愛い手紙が届いた。今、小学校のsecond grade classに通っているんだけど、そのクラス全員で考えた手紙なのだろう。タイプしてあるから先生がやってくれたんだ。 "Flat Stanley"っておかしな奴だよ。上の写真のように平たいんだ。寝ている最中に部屋の掲示板かなにかが彼のうえに落ちてきて、彼は写真のように平たくなったんだよ。Stanleyは最初は悲しんだよ、でも、これはスピノザの言葉だけど悲しみの受動的な感情にいつまでも陥ったりはしなかったんだ、なぜなら悲しみは「憎しみや自己の罪責感に転化し、おのれの生自体を歪曲してしまう」からね。それよりは、彼は自らのこの平たい肉体を折り曲げることで、そう手紙の封筒のなかに入ることができるのをよろこんだのさ。そうすればどんな遠いところにいる友人にも会えるじゃないか。 マドリンの手をかりて、彼は手紙とともにこの日本までもやってきた。マドリンが言うには、いろんなところに彼を連れっていって楽しい時間を過ごさせてくださいって。そして彼の訪問する名所や出会う人々と一緒の写真をとって、また彼を自分のところに送り返してくださいって。それにマドリンはかわいいね、「当地のお土産と一緒にって」、忘れずに書いているよ。Stanleyの楽しい冒険の物語を、クラスのみなと分かち合いたいともね。 日本の彼女のオジサンとオバサン(そういうふうにマドリンは信じているんだ、なぜならぼくら夫婦は彼女の出産にも、そうマドリンは立川の産院で生まれたんだ、立ち会ったからね)は、この手紙を読み、そしてマドリンが作ったであろう彼女のFlat Stanleyをどこにつれていこうかと楽しくて楽しくて興奮しているんだ。 ありがとう、Madeleine! この愉快な奴と一緒に、この週末はどこへ行こうか、オジサンとオバサンは今夜そのことについて話したんだよ。

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