光圀思想_アンチ徳川と水戸学_No.13,光圀に於ける兄_頼重に対する感情補足資料編_その),浪華梅を水戸持込の訳,伯夷伝に感動した訳 | | |
| 水戸学が幕末、攘夷思想に着火材料に化けた訳考察(補足資料)_No.13 | 光圀思想=「アンチ徳川」と「水戸学」 | | 光圀に於ける「兄『頼重』に対する感情」:補足資料編(その1) |
水戸藩流ストレス:水戸学と幕末、攘夷思想爆裂の訳考察特集_【目次】
光圀に於ける「兄『頼重』に対する感情」:補足資料編その1
No.13現在頁兄への気遣いとして「光圀にとっての兄弟愛の証について」
◆【初めに】:この兄弟に於ける共通の悲しみ
◆【1】光圀が「浪華梅」を水戸に持ち込んだ訳と、◆【2】「伯夷伝」を読んで感動した訳
光圀に於ける「兄『頼重』に対する感情」:補足資料編その2
No.14次頁
◆【付録】初代「頼房」に追従してきた家康の家来
・・この一団の中、幕末新撰組でお騒がせの芹沢鴨の縁祖と思われる人物「芹沢信重」有り
◎新撰組頁からリンクを辿ってこの頁にINの場合、真上のNO.14へ直行願います。
| 【初めに】:この兄弟に於ける共通の悲しみ | 光圀にとっての兄弟愛の証について:光圀と兄「頼重」 |
現在頁関連は▼
No.10:_光圀思想=「アンチ徳川」と「水戸学」その2
徳川光圀(水戸二代藩主)とは、気性の荒い人物ながら、兄に対してだけは、特別な兄弟愛有。
互いに「不遇の身」であったことから、この時代に珍しく、この二人の兄弟愛は深い。
詳しくは、No.1から、お読み下さいますと解りますが・・。
簡単に言うと、母の身分が低いのです。父の頼房(水戸初代藩主)が、産ませてはならぬ娘に
恋をして、できてしまった子供。この兄弟は、お家の為には、堕胎せよ!となされた子。
その結果、辛うじて、家来の「三木之次」によって、隠れ育てられ、命だけは取り留めた。
後に、光圀は、藩主になれる奇跡(※▼)が生じますが、
兄の段階では、都合がつかず、なりゆき養子に出されてしまった。その為、光圀は、
兄に気遣う点各種。この兄とは、争いたくないわけです。
- (※奇跡とは?)
養母の英勝院(徳川家康側室)が頃合宜しく、三代将軍、家光が立った段階に、うまくアタック。
将軍、家光が、この不遇な少年「光圀」に同情。それまで、世間上、なりゆき頼房の家来の子と
して扱われていた「光圀」を堂々、頼房の子として認め、次期藩主の座まで約束してあげます。
これには、家光本人の暗い過去が影響。家光も、実の父母に愛されず、自殺未遂経験者。
(▲この話:家光は実父「秀忠」に愛されてなかった!の巻)
おそらく、英勝院に延々涙話を聞かされ、放置できない心境になったのでしょう。
とはいえ、兄の頼重も、常陸下館城主になり、そして、讃岐高松12万石「高松松平家」の創設者と
なれるわけで、けっして悲壮な人生に埋没したわけではありませんが、
▼
それでも弟の光圀としては、兄を差し置いて自藩の藩主になってしまうことに懸念しています。
その為、光圀は、かなり兄に気遣い、我が子を差し置いて、兄の子「綱條」を、
養子に貰い受けて、次期(=水戸三代目)藩主にしている。
そこで、現在頁では、
他にも、兄への気遣い&兄弟愛の証といえる事象を二つ、ご紹介します。
◆【1】「浪華梅」を水戸に持ち込んだ訳と、◆【2】「伯夷伝」を読んで感動した訳
上記二つの項目は、いずれもエッセンスは「兄弟愛」です。
| 【1】「浪華梅」を水戸に持ち込んだ訳 | 譲り合いの精神と、兄弟愛を、「浪華梅」に、その心を象徴 |
「浪華梅」は、高津宮跡から持ち込まれた。これも、光圀に於ける兄「頼重」に対する心の証。
高津宮には、昔、二人の兄弟、「仁徳帝(兄)」と「莵道稚郎子(うじのわかいらつこ)」が絡みます。
彼らの父親:応紙天皇は、はじめ、弟側の「莵道稚郎子」を皇太子として立てていた。
ところが、「莵道稚郎子」は、兄を差し置き、自分が高い地位につくことに躊躇して、兄に、
譲ろうとします。これは、学問として、「王仁(※▼)」の教えを学んでいたからです。
- ※王仁(わに)とは?
百済から渡来。論語などを教えた学者。古事記に出てくる人物。 しかし、兄の「仁徳帝」も優しい人でした。二人は、互いに譲り合う。
終いに、弟、「莵道稚郎子」は、自刃して、兄に地位を確定させて果てる・・・という故事。
美しい兄弟愛の象徴のごとく、穢れなき梅の花が咲きほころぶ。
さて、この話に感動した「徳川光圀(水戸二代目藩主)」は、「浪華梅」を持ち込んだ。
| 【2】「伯夷伝」を読んで感動した訳 | ◆兄弟愛と正義、◆晩年の光圀の隠居場所「西山荘」と、故事に出てくる「「首陽山」の関係の示唆 |
こちらの話も、上記の【1】と同様、テーマは、「譲り合いの精神と、兄弟愛」。
「徳川光圀(水戸二代目藩主)」は、18歳の時、この「伯夷伝」を読んで感動。
それまでの己を深く反省して、立ち直る。といいますのは、それまでの彼は、一言で言えば不良。
(不良状態と、原因については、今回シリーズTOPから、お読み頂きますと解ります。)
あんまり、素行が悪いので、忠臣の一人が、切腹覚悟で泣いて頼んで、更生させる。
自主的に「伯夷伝」を読んだというよりも、読まされた・・・といったほうが適切かもしれません。
「伯夷伝」に登場するのは、「伯夷」と「叔斉」の二人の兄弟。古代中国の話。
これ、少し長いので略して書きます。「伯夷」は長男。「叔斉」は三男。
まるで、「頼重と光圀」の関係そのまんま。「光圀」の家に於いても、実は二男が居ました。
母は別の腹。二男は死亡。
さて、「伯夷」と「叔斉」も皇帝の座を譲り合い、どうしても、家臣団やら仕来りがそれを許さず、
二人は、脱走。全ての欲を捨てて、仙人のような暮らし。即ち、衣食住は貧困の境地に自ら。
国許では困った。しかたないから、二男を皇帝に立てて、とりあえず成り立った。
一方、二人は、「心清い国」を求めて、「周」という国への旅途上、良君「文王」の死を耳にする。
良からぬ噂を聞き知った。「文王」の息子が立ち、「武王」と名乗っているが、彼は欲に目がくらみ、
「殷の紂王」を討とうとしているらしいと。
正直者の二人は決意する。現在、「殷」の国は、幼帝。即ち弱い。だが、それに乗じて、
早速責め滅ぼそうとするのは、正しい行いではない!!
二人は、「武王」に進言。当然、無視される。
二人は、「欲を貪る事は、人としての最大の恥である。」この思想に揺ぎ無い。
そこで、暮らしは辛苦そのものだが、穢れた国「周」を去り、「首陽山」で、細々、山菜のわらびなどを
摘んで食べて凌ぐが、それでは限度がある。
やがて、二人共、餓死した。信念の為だった。
たとえ飢えて滅ぼうと、断固、「醜い欲」を断って死ぬのなれば、寧ろ本望。
<晩年の光圀の隠居場所「西山荘」と、故事に出てくる「「首陽山」の関係の示唆>
さて、晩年、「光圀」が隠居した時の、西山は首陽山と無関係ではありません。
「首陽山」は、「西山」とも呼ばれます。
光圀は、隠居後の邸宅を、水戸市街地から少し離れた常陸太田の西山に建てました。
名づけて「西山荘」。
- 欲を断って、清い心で、質素に暮らして没する・・の境地。彼なりに倹約らしいが!!
・・もともと、彼はグルメ。万民から見ると、わらびを摘んで食して、ついに餓死した
「伯夷&叔斉」兄弟の実情とは、大分違うが!!
◆グルメ話は、お気軽グルメ版の別特集で後日ご案内します。up後、 幕末玄関からご覧いただけます。
◆衣食住のお気軽「幕末&現代アラカルト」TEXT版ガイド
- 隠居後も、政治にオールタッチ。本人は、正義の為のご意思なれど、かなり過激。
犬皮事件、「藤井紋太夫」斬殺事件など、過激行動も、なさっております!
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