2014/12/14(日)05:19
寿命80歳時代「運動器疾患は国民病」 日本整形外科学会
2013年度から始まった第2次・健康日本21の主目的は、健康寿命の延伸なので寝たきり介護の最大要因の「ロコモティブシンドローム(ロコモ、運動器症候群)」関連記事が増えています。
50代以上の半数がロコモ予備軍といわれていますので、自分や家族のことにプラスして親のことも心配になりますね。
日本整形外科学会が作った「ロコモ度テスト」は簡単にできますのでやりましたが、私は67歳の時、脚力は20代、歩幅は30代、日常生活25はゼロ、7つのロコチェックもゼロでした。
テストは、脚力や歩幅の測定と日常生活について25項目の質問に答える「ロコモ25」でできます。
人間は動物なので
・動かないと動けなくなる
・動かないと認知能力も低下する
・動かないとQOL(生活の質)が低下する
・動かないと身体が硬くなり、怪我をしやすくなる
・動かないと骨、筋力や心肺機能などが低下する
・動かないと老化が進む
・楽をすると楽なことしかできなくなる
そして、サルコペニア、さらに進んでロコモとなり、寝たきりになって寿命まで短くなるなるわけですが、1日10分程度の運動でも有効という研究結果や運動はどんなやり方でも効果があるなど手軽な運動法がまとめられた記事が出ています。
体力テスト調査の結果では、男女ともに40代後半から体力がガクっと低下するのでロコモ予防は40代からはじめたいわけです。
また、ロコモは予備群を含めると約4700万人といわれていますが、40歳以上の8割がロコモ・予備群との指摘がされているそうで、寝たきり予備軍にもなります。
ロコモの3大原因は
・筋力低下
・バランス能力低下
・運動器の疾患
なので十分な予防はできます。
一方では、長期戦略の苦手な日本は1961年からの国民皆保険制度で発展して50年以上経過した日本の西洋医学は国民の健康増進には貢献できず、50年間で医療費は国民所得比で3.54倍にもなっています。
1964年から健康増進政策を開始して50年経過しても国民の健康状態は悪くなる一方という実に情けない厳しい現実があり、2013年の人間ドックの「A(異常なし)」+「B(軽度異常現在心配なし)」がわずか6.8%という非常事態です。
運動不足を感じている人は日常生活の中にトレーニング要素を入れることをおすすめしますが、やるかやらないかだけで、やらない理由は見つけにくいと思います。
心身の健康状態をよくし、ロコモを予防して体力をつけることは簡単ですので、お互いに明るく楽しく元気に笑顔で顔晴(がんば)りましょう。
ロコモ関連ウェブサイト
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50代以上の半数がロコモ予備軍
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「日本整形外科学会は1926年設立で会員2万3000人超。全員が運動器疾患のスペシャリストです。運動器が健康でなければ私たちは体を動かすことができないし、人間らしい生活を営むことはできません。私たちの体を車に例えると、運動器は自動車のエンジンやタイヤのようなものです。運動器のどのパーツが壊れても体はうまく動きません」と、前置きしたうえで、高齢化社会でのロコモの増加についてさらに続けた。
「約2000年前のローマ時代は平均寿命は22歳くらいと推定されています。それが約100年前のアメリカでも49歳ぐらいで50歳に達していませんでした。その後感染症やがんなどの治療法が進み飛躍的に寿命が延びて、1996年の日本では80歳を超えました。最近100年間で30年も寿命が延びるという人類の歴史上驚くべきことが起こったのです。中でも、日本は世界一高齢化率が高く、急速に進行しております」
急速な高齢化にともなって、急浮上してきたのがロコモである。
「人間が直立二足歩行するようになってから、背骨や関節に大きな負荷がかかるようになりました。それが人生50年の時代にはそれほど大きな問題にはならなかったのですが、急速な高齢化に伴い顕在化してきました」
変形性膝関節症、変形性股関節症、変形性脊椎症、腰部脊柱管狭窄(せきちゅうかんきょうさく)症などで苦しむようになった。「膝の痛み、腰の痛み、足の痛みやしびれとなって現れます」
さらに問題となるのは骨粗鬆(こつそしょう)症による骨折だ。
「背骨が曲がっている高齢者では本人が知らないうちに脊椎圧迫骨折が起こっている場合があり、さらに典型的なのは大腿(だいたい)骨近位部骨折が起こります。高齢化により筋力に加えバランス能力を失い1センチの段差でもつまずき転倒して骨折します。激痛で動けませんから手術をすることになります」
これらは代表的な運動器疾患だが、その数は驚異的だ。
「2009年の調査では、変形性腰椎症は3790万人、変形性関節症は2530万人、骨粗鬆症1710万人、この3つのうち1つ以上は4700万人、2つ以上は2470万人、3つすべては540万人いることが分かっており、運動器疾患はまさに国民病といえるのです」
整形外科患者に最も多い腰椎疾患 健康寿命を延ばすために
変形性腰椎症3790万人、変形性膝関節症2530万人、骨粗鬆(こつそしょう)症1710万人と、運動器疾患は国民病といえるという指摘があった。これらは要支援・要介護の原因となる。
ここで、要支援・要介護の原因は何かという全国調査の結果、1位は認知症、2位脳血管障害、3位ロコモだった。ところが、実態はすでにロコモが1位なのだという。
「意識と実態の間に大きな乖離(かいり)があり、まだ運動器疾患が要介護の大きな原因と認識されていないので、啓発が必要と考えました。2007年に、運動器の障害により移動機能の低下をきたした状態をロコモティブシンドローム(運動器症候群)とし、予防と啓発を提唱いたしました。そして“メタボの次はロコモ”を合い言葉に、24年には国民の80%がロコモを認知しているようになることを目標に掲げました」
対策を立てるためには原因を知らなければいけない。ロコモの原因は3つ。(1)加齢による筋力低下(2)同バランス能力低下(3)運動器疾患。(1)(2)はトレーニングで予防。(3)は早めに整形外科で治療する必要がある。
「整形外科では9割の患者さんが手術以外の治療を受けます。骨粗鬆症の薬物療法とか変形性膝関節症へのヒアルロン酸注射や頸椎・腰椎の牽引(けんいん)などです。それでも直らない場合は手術ですが、人工関節の置換術や脊椎内視鏡手術なども効果を上げております」
同学会の最大の目標は国民の健康寿命を延ばすことだという。今、介護を受けず生活できる健康寿命と平均寿命の間には10年ほどの差がある。その原因はメタボ、認知症、ロコモである。「このうちロコモを克服して健康寿命の延伸に貢献したい」という。
整形外科を受診する患者の調査をすると、すべての部位の中で腰椎疾患が最も多い。そして高齢者が多いという特徴がある。
12年の新患調査では脊椎・脊髄31・9%、上肢26・2%、下肢33・2%、だが、それをさらに部位別に見ると、腰椎18・8%、膝関節14・0%、手関節13・9%などとなっている。
■ロコモ ロコモティブシンドローム=運動器症候群の略。筋肉や骨などの衰えで歩行などに支障を生じ要介護リスクが高まる。予備軍含め4700万人が危機にある。
(出典:ZAKZAK)