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賃労働

2008.06.27
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テーマ:ニュース(75284)
カテゴリ:カテゴリ未分類
 秋の税制改正論議を前に、税金をめぐる与野党の前哨戦が活発化してきた。先陣はたばこ増税。1箱1000円の仰天価格に目がいきがちだが、思惑はどこに。

 《税金870円、小売1箱1000円なら、たばこの消費量は半減。それでも、税収は今より4兆円増加する──》
 6月19日、国会内で開かれた「たばこと健康を考える議員連盟」の第2回総会。日本学術会議が示したこんなシミュレーションは、参加者をうならせるに足る内容だったようだ。
 参加者の1人は言う。
「1箱1000円なら9割が禁煙するなんて見方もあって、税収増はそれほど期待できないかと思っていたが、相当な財源となることがわかった。きょうのヒアリングは収穫大だ」
 たばこ1箱1000円議連、タバコ制限議連、たばこ増税議連・・・・・・。こんな「略称」で呼ばれてもいる議連の設立が持ち上がったのは6月上旬だった。

政界再編含みの仕掛け

 すでに日本財団の笹川陽平会長が主張し、反響を呼んでいた「たばこ1箱1000円」の提言に中川秀直元自民党幹事長ら消費税増税に反対する「上げ潮派」が同調。後期高齢者医療制度批判からの巻き返しを狙う厚労省や、たばこの健康被害などを長年訴えてきた「禁煙推進議連」などが合流し、6月13日に超党派で設立された。
 当初の構想段階では「たばこ価格」が前面に押し出されていたものの、「消費税増税論議への牽制(けんせい)」といったとらえ方を嫌う議員もいて、「価格」「税」を看板から削除。早々に寄り合い所帯の難しさを露呈したが、議連の共同代表の1人、小宮山洋子議員(禁煙推進議連幹事長)は笑ってうけながす。
「議連を同床異夢だという人がいるんだけれど、それより呉越同舟かもしれませんね。まあ、最初は、敵は少ないに越したことはないから、いろんな立場があったいいと思うんですよ」
 参加する各議員の動機はなんであれ、議連が世論に注目され、たばこの問題が連日報道されるだけで喜ぶべきこと。あとは秋の税制改正論議へ突き進むのみ、と小宮山氏は意気込む。
「禁煙推進議連で活動してきて、正論だけでは禁煙が広がらないことがよくわかりました。いろんな立場から出発しても、至りつくところ、価格引上げが一番喫煙の抑制効果があるというところに落ち着けばいい」
 議連が注目されるのは、良きにつけ悪(あ)しきにつけ、「身近な嗜好(しこう)品」がテーマで、さらに、従来の常識を覆す価格引上げが大目標として受けて見えるからだ。さらに中川氏に前原誠司民主党代表が歩調を合わせたことで政界再編含みの仕掛けとみられていることも大きい。「中川─前原。見るからに政局がらみ。動機が不純そうでとても加わる気になれない」(民主党関係者)

改革派としてのカラー

 こうした声は民主党だけでなく、自民党からも漏れるのだが、なにより前原氏といえば、小泉純一郎元首相から「将来の首相候補のひとり」と持ち上げられた反小沢執行部の急先鋒だ。
 最近の月刊誌でも、「このまま民主党が政権を取っても、まともな政権運営はできない」と批判して「反党的行為」と物議をよび、一部議員から「退場勧告」のメールを党内でばらまかれてもいる。
 その前原氏が小泉氏に近い中川氏と連携したわけで、永田町住民が騒ぐのは無理ないが、政治評論家の有馬晴海氏はちょっと違った見方を示す。
「中川さんにとってみれば、もくたつ議連(京都議定書目標達成議員連盟)、本(『官僚国家の崩壊』)につぐ、禊(みそ)ぎ、復活の道具だと思います」
 つい最近まで、中川氏は官房長官辞任(2004年)の一因となった女性スキャンダルの痛手から、総理総裁を目指すことはできず、キングメーカーを狙っていくものとみられてきた。
 ところが、4月に小泉元首相から「もくたつ議連」を立ち上げたのに続き、翌月には女性スキャンダルにも触れた政策本を出版、永田町が「すわ、総理総裁狙いか」と色めきたったのは記憶に新しい。
 有馬氏はそれらに次ぐ仕掛けがたばこの議連だとみる。
 つまり、「もくたつ」では環境に造詣(ぞうけい)の深い政治家像をアピールし、政策本では過去を自ら回想することで、清算、表舞台に立つことを宣言した。
 そして、健康増進をうたう「たばこ増税」では、国民の医療費の大幅削減へとつながることが期待できるとして、消費税増税とは一線を画した改革派のカラーを打ち出せると踏んだのではないかという。
 
永田町の反応は低調

 とはいえ、世論の関心に比べると、永田町の反応はいま一つ低調にみえる。事務局に参加者数を尋ねると、「いま集計中。もう少し集まったら、発表します」という答えが返ってくるほどで、2度あった総会は議員本人の参加者は20人程度と、取材陣ばかりが目立った。
 これには、森喜朗元首相が中川氏に突出を慎むようクギを刺したことから、中堅若手の足が遠のいたという見方もあるが、そもそも、愛煙家の反発を楽観視していたようにもみえる。
 愛煙家の自民党若手議員でつくる「さわやか会」のある議員は、ヘビースモーカーの中川氏に親近感を抱きながらも、「明らかにミスジャッジだ」と言ってはばからない。
「喫煙は文化。庶民のささやかな楽しみを奪うぐらいなら、消費税増税へ踏み込む方がよほど国民の理解をえられますよ」
 6月上旬に始まった「たばこ増税」攻勢。政界に隠然たる影響力をもつ日本財団会長の提言だけに真正面から批判する自民党議員は少ないようだが、今後、経済成長重視の「上げ潮」を訴える中川氏らの主張がどこまで浸透できるかは不透明だ。
「(消費税率)5%でやっているから、これだけ財政赤字を背負っているともいえる。決断しなければいけない、とても大事な時期だ」
 福田康夫首相が6月17日、サミット参加国の通信社を前にこう語ったことから、与謝野馨前官房長官ら「財政再建派」が勢いづいたようにもみえる。
 上げ潮か増税か。この2大勢力の「大きな対立がこの秋以降始まる」と言ったのは中川氏だった。秋の税制改革論議を前に、たばこ増税が先兵役を果たしていることは間違いない。

『たばこ大増税』をめぐる政界相関図(図は省略、発言のみ記載)

中川秀直・元自民党幹事長 消費税の増税つぶしだとかの観測が出がちだが、本来の話ではない

尾辻秀久・参院自民党議員会長 たばこの問題は、消費税とはまったく別個のことがらだ

前原誠司・民主党副代表 値段に関心がいきすぎだ。取れるところから取るということで出発した議論でない

小宮山洋子・衆院議員(民) 禁煙運動だけでは一向に話が進まなかった。現実味のある動きになった

笹川陽平・日本財団会長 日本のたばこは安すぎる。1箱1000円。社会保障の財源として消費税より先に議論すべきだ

与謝野馨・元官房長官(自) 首相の消費税引き上げ言及は極めて理にかなったことだ

福田康夫・首相 5%だから、これだけ赤字を背負っているともいえる。決断しなければいけない、とても大事な時期だ

額賀福志郎・財務相 消費税や所得税など税の本質的議論から、安定財源をつくることが一番大事だ

舛添要一・厚労省 一気に1000円は喫煙者も受け入れがたい。たとえば500円くらいなら受け入れられるかなと

 編集部 藤生明  (AERA 2008.6.30)


 厚生労働省研究班の試算では最大5兆9000億円の税増収が見込める。日本学術会議の試算は最大約4兆円。(6月26日 産経新聞)
 上げ潮派の中川氏が財政再建派の与謝野馨氏らに挑発している様相を呈している。

 森本首相は26日夜(日本時間)、ストックホルム市内で同行記者団と懇談し、安倍、中川両氏が「ポスト福田」に結びつけられるような話をしてはいけないと述べた。以下、6月27日付日本経済新聞の記事。

 安倍・中川(秀)氏 森本首相が苦言「謙虚であれ」

 【ストックホルム=佐藤理】森喜朗元首相は26日、滞在中のスウェーデンで同行記者団と懇談し、同氏が最高顧問を務める町村派内の動きに不快感を示した。積極的な発言を続ける安倍晋三前首相と中川秀直元自民党幹事長について「前回の参院選で負けた責任は両方とも大きい」としたうえで「謙虚であれということだ」とくぎを刺した。今後の政局の展望では「このままやっていけば(自民、民主両党は)お互いに引き抜き合戦になる。小会派か中会派で連立する組み合わせになる。落ち着かない状況が続く」との見通しを示した。


 中川氏は著書「官僚国家の崩壊」を出版、意欲に燃えている。
 著書の中で次のように述べている。
 
 私を批判する人は「増税は常に正しい、利上げは常に正しい、規制は増やすべきだ」といい続けるだろう。しかし、そんな政策では、日本は確実に「日沈む国」になる。それでは次代を担う子どもたちに申し訳が立たない。
 これから中川バッシングは激しくなるだろう。誹謗(ひぼう)中傷もいっそうわが身に降りかかってくるに違いない。それでもなお、私は、わが身を投げ打って闘う。日本を再び「日昇る国」とするために。

 こんな声が聞こえる。
「なぜ、中川秀直は、頑(かたく)なまでに小さな政府論や『上げ潮』路線を主張し続けるのか」
 闘うために復活したからだ。闘うことが天命だからだ。






最終更新日  2008.06.27 21:09:41
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