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　ＮＨＫ連続テレビ小説「べっぴんさん」（月～土曜・前８時）に「君ちゃん」こと村田君枝役で出演中の女優・土村芳（かほ、２６）がこのほど、スポーツ報知のインタビューに応じた。大学在学中に林海象監督（５９）から映画主演に抜てきされ、初の連ドラレギュラーが朝ドラの大役というシンデレラガール。１０月に放送されるＮＨＫ・ＢＳプレミアムのスペシャルドラマでドラマ初主演を果たすことも決定した新星は「見ている方に信じてもらえる女優さんになりたい」と誓いを立てた。

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　土村が演じる君枝は、ヒロイン・すみれ（芳根京子）の女学校時代からの友人で、ともに子供服メーカー「キアリス」を設立し、運命をともに生きる仲間だ。オーディションで抜てきされ、同作が初の連ドラレギュラーとなったが「『おはよう』とスタジオに入ったときから『君ちゃん』として迎え入れてくださる。自然と君ちゃんとして（現場に）いさせてくれる空気がありました」。体が弱かった女学校時代から結婚、出産を経て、現在は孫をもつまでに。約１年かけてひとりの女性の人生にとことん向き合った。

　撮影の前には裁縫の特訓も。「裁縫道具に必ずある『指ぬき』って、謎の道具というか、使い方がよく分からなかったんですけど（針仕事を）やっていくうちに、すごく理にかなっているんだ、と知ったり。新しいことに挑戦できるのは、このお仕事をしているからこそだと思います」。今ではボタン付けや小さなほころびも軽々と縫いつけることができるようになった。

　ほんわかした見た目に、やさしい話しぶり。共演者からは「天然キャラ」として愛されている。岩手で生まれ育ち「子どものころは、おじいちゃんの家から脱走を繰り返す子どもでした」とやんちゃな一面ものぞかせる。児童劇団や新体操を通して、人前に立ち、表現する喜びを培った。

　黒木華（２７）を輩出した京都造形芸術大学映画学科俳優コース出身。在学中に林監督に見初められ「彌勒　ＭＩＲＯＫＵ」で永瀬正敏（５０）とのダブル主演に抜てきされた。「『彌勒―』が自己紹介代わりになってくれた」と、大学卒業後に芸能活動を本格化。おっとりとした素顔の奥に、どっしりと太い芯の通る演技で、人を引き込む魅力をもっている。

　４月６日からは日本テレビ・読売テレビ系「恋がヘタでも生きてます」（木曜・後１１時５９分）のレギュラー出演も決定。また、ＮＨＫの北九州放送局が制作する北九州発地域ドラマ（タイトル、放送日未定）ではドラマ初主演を果たすことになった。北九州のフィルム・コミッションを舞台にしたコメディーで「映画製作を通して人が成長していくお話。深いつながりを感じています」と自身の“原点”と重ね合わせている。

　「お芝居をするときは相手を目の前にするまで、自分がやることを決めつけないようにしたい。見てくださる人に、役としての私を信じてもらえるような役者さんに成長していきたい」と土村。「べっぴんさん」最終回まであと２週間。「君ちゃん」を完走し、「土村芳」という女優として大きく飛躍しようとしている。

　◆土村　芳（つちむら・かほ）１９９０年１２月１１日、岩手県生まれ。２６歳。３歳から地元の児童劇団に所属。盛岡白百合学園高校時代は新体操でインターハイに出場経験も。大学卒業後の１３年４月から芸能活動を本格化させ、１６年は映画「何者」などに出演。「芳」という名は本名で、画家だった父方の祖父の雅号にちなんで名付けられた。趣味は散歩。身長１６０センチ。


引用：土村芳、おっとり素顔の奥にどっしりと太い芯の通る演技

BRODY (ブロディ) 2017年 04月号 [雑誌]