百花繚乱

いや～、あれすね。
（あれって？）
いや、あれだよ。あれ。
（いや、わかんないですよ。）
分からないの？ワトソンなのに分からないのかい？
（ワトソン関係ないですよ！あれってなんですか!?）
はぁ……。君も落ちぶれたものだ。
（落ちぶれたのは会長です！）
いいかい？日本語は省略の言語だ。その省略された何かを察する能力こそ、日本語における我々ジャパニーズの文化なのだよ。
（日本語文化を語ってるわりに、日本人のことをジャパニーズって言うところに残念さを感じるんですが…）
愛だよ！
（会長、何でも愛で解決しないでください！）
何を言っている？君はアレか？愛さえあれば何でもできるみたいな落ちぶれた思想の持ち主かね？（僕が言いたいです！）
愛を、かい？
ついに、この俺に愛を語るのかい？
（何でそういう解釈しか出来ないんですか！）
そういう解釈しか出来ない話し方をするのは君だ。
（んな話し方してません！）
゛まあまあ。゛
（うわ、十條さん。まだ居たんですか…）
゛失礼だな。喩え火の中水の中、嵐の中や熱した油の挽いた中華鍋にだって飛び込むさ゛
（熱した油の挽いた中華鍋に飛び込むのが一番ひどそう！）
しかし、十條さん、久しぶりですね。
゛あぁ。実は、相談事があるのだ゛
（相談事？）
゛あぁ、おまえは邪魔だ。消えてくれ゛
（酷くないすか！）
じゃ、下がれ。ワトソン。
（会長、僕を見捨てるんすか！）
ヤッパリ、俺を愛してるが故に離れられない。離れていると寂しい。メールしたいけど、最後に送信ボタンを押す勇気がない。そんなに俺を愛してるんだな。知らなかった。今まで、君の愛を無碍にしてしまい、申し訳ない。
゛そうだな。いくらアレな感じでも大丈夫だな。愛さえあれば。゛
愛だな。
゛愛だ゛
（イヤァァァァ！）