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カテゴリ:気紛れな記事
プロローグ(0-1) 今となっては、少しばかり遡ること数年。 大阪府の梅田周辺に小さな一戸建てがありまして、そこで、お爺さんとお婆さんが何不自由なく暮らしていたそうな。 ひとつだけ、不満なことは、彼らには子供がいなかったことでした。 ある日、お爺さんはレンタルビデオ店へバイトへ、お婆さんは夕飯のお買い物へ出かけました。 お婆さんがため息をつきながら商店街を歩いていると、 「へい!そこのおばちゃん!今ならモモが安いよ!おっ!おばちゃん美人だねぇ!よっしゃ、今なら一盛り二百円に負けてやらあ!」 と、気前のいい八百屋のおじさんがモモを押し売ろうとしました。 こういうことには弱いお婆さんは、しぶしぶモモを購入すると、おじさんに耳打ちされました。 「この桃はな、黄金の桃なんだ。」 「そうかい?私にはピンク色に見えるけどねぇ…」 「ところがどっこい!この桃を食べると、なんと!二十分だけ、昔に戻ることができるのさ」 「嘘も休み休みにしないと、そのうち信用なくなるよ…」 お婆さんはいそいそとおじさんの前から離れ、夕飯のお爺さんの大好物のハンバーグの材料を買って、帰路へ就くのでした。ずっと、おじさんの言葉が胸に引っかかったまま…… (続く) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年12月04日 14時16分46秒
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