脳が遮断を嫌う 〜思考停止はいやだ〜
家で、仕事をすることがあります。論文を書くこともあります。平日休みの日などは、ほとんど、家でそういったことをしています。授業の準備や、次の講演の原稿を作ることもあります。たいていは、好きな映画を流しながら。または、好きなお笑いや、芸能人の映像を流しながら。ほぼ一日、そうやって過ごすこともあります。わたしの仕事は、論文や原稿作成など、考えや知識をまとめながら、頭で組み立てながら、形にしていくことの多い作業です。新しいアイデアや、ひらめいた言い回しなどを、忘れないうちに形にしていくことで、わたしのあたまの中の知識や理論を、人に提供できる質に、仕上げることができます。お笑いを流しながらとはいえ、わたしの頭の中は、かなり高いレベルでフル回転。仕事は、サクサク、どんどん、進んでいきます。そんな中、トゥルルルルル、もしくは、ピンポーン。電話がなったり、宅配便が届いたり。途端に脳は中断し、思考が停止してしまいます。それは、わたしにとって大ピンチ。電話を切ったり、荷物を受け取ったら、またはじめればいいじゃないか。そんな声が聞こえてきますが、そんな単純なことではありません。一旦止まってしまった脳、途切れてしまった思考を立て直し、中断前と同じレベルに上げるには、相当の時間が必要です。一旦休んでしまった脳を、フル回転させるには、相応のやり直しが必要です。楽器やスポーツの練習は、一日休むと、取り返すのに3日かかるといいますね。それと同じで、一旦休んだ脳や思考は、それを取り戻すのに、ある程度の時間が必要です。作品を仕上げるために、ホテルに缶詰になる作家さんや、漫画家さんの気持ちがよくわかる。誰にも邪魔されず、何にも中断されず、論文や原稿に没頭できたらどんなにいいでしょうか。田舎ぐらしなので、交通や人などから発せられる人工的な音は、ほとんどといっていいほどありません。(動物の鳴き声や川の流れ、雨の音など、自然の音は比較的多めです)そういった点では、恵まれているといえますが。乗りに乗って仕事をしているときに、電話や宅配だったらまだいたし方ありませんが。中断して受け答えをしたところで、保険の勧誘や宗教の宣伝であれば、絵に書いたように、が〜んとなってしまうわたしです。