ユリウス・カエサル2
カエサル(シーザー)のエピソードとして有名なのは、1.軍団を率いて遠征からローマに帰国する際に、硬直化した元老院体制を打破するクーデターのために、国境であるルビコン川を軍団解散せずに渡る決意をする時の台詞、「サイ(サイコロのサイ)は投げられた」。 国境で解散すべき遠征軍団を率いたままローマに進軍し、時代の要請に合わなくなった元老院体制打破の第1歩としました。2.エジプト王国の王位継承問題に絡んで、クレオパトラが進駐してきた将軍カエサルに秘密裏に会うために、超豪華なカーペットに巻き込まれた状態で室内に運び込まれ、そこから登場してみせたという話(たぶん嘘でしょうが、クレオパトラの才知に相応しい話ではあるそうです)。 ちなみに有名な「アンソニーとクレオパトラ」のアンソニーはカエサルの元副官で、カエサル暗殺後にクレオパトラに籠絡され自滅してしまい、エジプト王国もクレオパトラと共に滅んでしまいました。ここでのクレオパトラは現実認識力に欠ける愚かな女性という感じです。カエサルはクレオパトラに振り回されるようなことは全然なかったそうですが。3.「ブルータスお前もか」、元老院体制維持派により暗殺される際のカエサル最後の言葉。側近のブルータスは2人いたそうで、どちらのことを言ったかは争いがあるそうですね(確か、一人は生涯続いた愛人の息子)。元老院体制は基本が共和制で、これを打倒して皇帝専制体制にすることは現代の目で見ると独裁反対ということで正義のように感じますね。しかし、当時のローマ帝国の場合はその後の皇帝制に移行していなければ早晩滅んでいたのでしょう。先見の明はカエサルにあったといわざるを得ません。そしてそれを理解した人も本人以外には殆んどいなかった故の暗殺だったのでしょう。 旧体制を滅ぼして身内の側近に暗殺されるというと「織田信長」と良く似ているように思います。新しいことを力強く進めていくとどうしてもこういう可能性が出てくるのでしょうか。何事かを成し遂げるリーダーの資質としては見習いたいことが多くあります。最期だけは勘弁してもらいたいですが。