カーズ
実は観るのを少しためらってた。 子供向けの幼稚なものだろう、なんてバカにしたような気持ちは微塵もない。『トイ・ストーリー』も『モンスターズ・インク』も『バグズ・ライフ』も、とっても面白かった。愛とか友情とか、生きていく上で必要な教訓みたいなものがさりげなく示されていて、説教くさい押し付けがましさなんかも全くない。笑って、泣いて、ドキドキして、スカッとして、最後はホッとする。 親御さんは子供に対して安心して見せることができるし、そんな大人だって充分に楽しめてしまう。素晴らしい作品の数々。だいたい、よくあんな発想が生まれるものだ。おもちゃの世界であったり、モンスターという化け物の世界であったり、昆虫の世界であったり。なんていうのか、そんな世界に置き換えてるんだろうなぁ、人の世を。 今度はなに?車の世界?車が自分で喋って動いて恋をして、挫折して、友情や他人の気持ちを知り立ち直る? タイトルは 『 カーズ 』 って、もう観たんだけど・・・。やっぱり面白かった。映画館から外に出て、目に入る車全てに個性を感じて見入ってしまうほどだった。 そこで路上駐車されてるお前。何か言いたいんじゃないか?不満を抱えてるんじゃないのか?聞いてやるぜ。いや、聞かせてくれよ。 でもアニメ映画かぁ。んん、何か不満だ。・・・なんだろう?・・・あ、分かった。子供に受けるのは構わないが、子供にもわかるでしょ?というタッチが気にいらないんだ。うん、そうだ。きっとそうだ。 車は持ってないけど、走る窓から外に向かって大声で叫びたい! 「 その手にはもう乗らないぞ~!ハリウッドのフルCGアニメだぁ?ふん、出来のいい教育テレビか~っ!『 風の谷のナウシカ 』は素晴らしい~っ!『 ブラック・ジャック 』は大好きだ~っ!たばこの値上げ反対~! 」 そんな妄想の中、なぜか大好きな映画の幾つかが頭に浮かぶ・・・。『 時計じかけのオレンジ 』『 狼たちの午後 』『 真夜中のカウボーイ 』『 グロリア 』『 俺達に明日はない 』(古いのばっか・・・) 子供には理解しにくい世界だ・・・。ははは、どうだ参ったかキッズども!悔しかったら早く大人になりな~っ! 何々?夏休みシーズンにドリーム・ワークス制作のフルCGアニメ『森のリトル・ギャング』が公開されるだぁ?・・・面白そうじゃないか~っ!